ご近所のOLさんは、 先端に腰掛けていた。 |
vol.79
見た目はおもちゃみたいなんですけど 液晶タッチパネルが便利です。 肩こり症の私には、小さくて軽いことが いちばんうれしいところなんですが、 もっと気に入ってるのは、 実は、カメラを入れる袋なんです。 ポワポワでぬいぐるみみたいで 手触りがええ気持ちです。 バッグに入っていても「キカイ」の 感じしませんしね。 あっと、カメラの話じゃなくて そのデジカメで撮った写真を使って シネマのように楽しむソフトの話です。 では、LiFEのプロデューサをご紹介しましょう。 デジタルステージ平野友康さん。 前にラジオのDJもやってた異色のクリエイター。 そしてテックライダー(電気自転車党)。 坂本龍一さんの映像プロデュース参加や、 クラブイベントのVJパフォーマンスとか マルチな活躍をされているので ご存知の方も多いでしょうね。 その忙しい平野さんをつかまえて この間初めてお会いしたときに のっけから熱く話してくれたのだけど、 実は平野さんは、「ほぼ日」を すごくマニアックに調査研究してくれて いる人だったんですね。 「ほぼ日」のデザインとか形式とか姿勢とか。 普通気に留めないような、 「あっ」というところまで見てる。 クリエイターの鋭い目です。 「インターネットのカリスマ的メディア だと思うんですよ。すごいです」と絶賛。 ぜひ平野さんによる 「ほぼ日研究的コラム」みたいのを 読んでみたいなあ。 そうそう。 その平野さんがプロデュースした かっこいいソフトが LiFE with PhotoCinemaという 「映画を観るように”写真”を観よう」 というクリエイターの想いがこめられた 写真を編集するソフトです。 http://www.photo-cinema.com/ 「デザイナーズブランドのソフトウェアを プロデュースする企業」 ソフト紹介にそう書いてあるんですけど、 ほんとにLiFE(と呼ばせてもらいます)は インターフェースがまずかっこいい。 はっきりいうとかなりMacな雰囲気です。 そこがそこはかとなく うーんデザイナーものだな、と思わせます。 もちろんWindowsでも問題なく起動します。 ●アニメボックスみたいにね。 平野さん「ドラえもんに『アニメボックス』 という話があるんですよ。」 私「????」 平野さん「マンガ本を入れると それをアニメ作品にしてアウトプットして くれる夢の道具なんですけどね。」 私「ほーう。アニメボックス」 そんなやりとりがありました。 さてLiFEのどういうところが「アニメボックス」 なのでしょう。 ●LiFE with PhotoCinema の魔法 ★デジタル写真(jpg,bmp,pct,gif,tif,psd,png,tga) (最大60枚まで)をLiFEにセットします。 ★次に好きな音楽(MP3)を選びます。 (公開するときは著作権に注意してください) ★そして編集スタイルを選びます。 「おまかせモード」と「じぶんでモード」 があります。 そして、ちょっとだけ待つのです。 ものの5秒くらいかな。(PCによりますが) なかにいる小人さんたちが、トントントンと 仕事をしてくれてる感じ。がんばれ、がんばれ。 そうすると出来上がり。 「チチンプイプイ」という感じで、 ただの静止画像がミュージッククリップ みたいなかっこいい「フォトシネマ」に。 こりゃすごい!と思います。 そのプロっぽい仕上がりに いっぱしのメディアアーティスト 気分にひたっちゃいますね(笑)。 音楽のテンポやリズムのタイミングに 合わせて画像にいろんなエフェクトが かけられているところがすごい。 それもそのはず。 ファンの多いあの「motion dive 」 を生み出したのもこのデジタルステージさん だったんですね。 こうなると、間違いなく友だちに見せたくなってくる。 そのときは、 アプリケーションの形で保存してCD-ROMで渡すもよし。 HTMLで保存して、WEBで公開するもよし。 (Shockwaveプラグインで見られます) さらにはスクリーンセーバ形式保存もできます。 オリジナルパッケージを作ったり、 テキストを入れたりしていくと、 ますますアート作品っぽく仕上がっていきます。 操作的には、入れて待つだけ。 まさにシンプル。 平野さんが「アニメボックスでしょう?」 というのもナットクできます。 ●コンピュータってなんなの? ドラえもん全巻が並ぶデジタルステージの会議室で 平野さんと加藤さん(@digitalstage)の話を聞いて 思わずうなずいちゃったのは、 コンピュータと人間の関係 みたいな話をしたとき。 性能がすごく高くなった 決して安くはないPCを買う理由は なんだろう? その機能をフルに使いきれているだろうか。 ほんとうにそれを楽しんでいるのだろうか。 「ツールというのは、基本的に ドラえもんの道具のように わかりやすいものであってほしいんです。 写真を編集するにしても 編集にすごく時間をかけて 「色が」「長さが」「補正が」 などとプロがやるような技術的なことに 手間がかかると、写真を撮ったときの せっかくの感動がどこかへ行ってしまう。 シャッターを押したとき きっと気持ちに何かがあったから 押したんでしょ? それをゴチャゴチャ直していたら 忘れてしまう。 編集よりも出てきたものに 「新鮮さを与える」 それを大事にしたいんです。」 と平野さん。 コンピュータと人間の関係を考えるとき コンピュータが道具であることを 忘れちゃいけないと私も思う。 どんなときも主役は人間であり、 人間が考えること、思うこと、感じること、 これをしっかりとサポートし、豊かにし、 さらには導くために、コンピュータが 活躍してほしいと願ってます。 コンピュータによって 苦しくなったり、疲れたり、中毒になったり そんなふうに振り回されるのだけは いやですよね。そうなっちゃいけないと思う。 今ソフトを作る人は、 まず人間を中心に、何をしたいのかを 先に考えることってすごく大切なことだと うなずいたわけです。 デザイナーやスタッフとも とことん討論を交わした末に生まれた LiFE with PhotoCinema。 2002年グッドデザイン賞金賞受賞です。 さらに平野さん曰く、 「このソフトは徹底的なリハビリです。 「ほぼ日」を見ていても、すごいリハビリを やっているのではないかと思えるんですよね。」 なんだか意味深ですね。 それでは最終回記念と言ってはなんですが、 最近訪れた秋〜なニューヨークの雰囲気を フォトシネマにしてみたので見てください。 グラウンドゼロにも行ってお祈りしました。 こんなふうに誰でも作れるっていうサンプル という感じで。 A Trip to NY in 2002 by Marsha (Shockwave で見られます。)
* * * * * * * * * * * * * * * * * * 前回、増井さんの研究のお話をすると予告して おりましたが、都合により変更になりました。 ご了承ください。増井さんの研究のお話は、 『環境マーケティング&ビジネス』の 「デジタルコミュニケーションを上手に使おう」で ご紹介する予定です。そちらもお楽しみに。 marsha Special thanks to Hirano-san, Itonaga-san and Kato-san (all Digitalstage Co. Ltd.)
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2002-12-06-FRI
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