OL
ご近所のOLさんは、
先端に腰掛けていた。


vol.81
- short shorts talk 1-


さて、どっぷりコンテンツのお話です。
「よいコンテンツ」は成熟したネット社会に不可欠。
とても大事なメインディッシュ!であります。
これがおいしくなくちゃハラが立つよね(笑)。
どんなにレストランが立派でも。
だから、今日はおいしいおいしい、ホックホクの
"Short Shorts Film Festival" のお話。

なんと「ショートショートフィルムフェスティバル」は
今年5周年だそうですよ〜。
しかも原宿ラフォーレミュージアム
6月7日(土)から始まりますから。
「ほぼ日」とぴったり同い歳じゃないですか!
じわ〜っと感激。

お互い5周年記念ということで
「ショートショート」様も「ほぼ日」様も
ホントにおめでとうございます、というキモチを
こめてまーしゃからのスペシャルお祝い号でーす!

ショートショートフィルムフェスティバルの代表は
めちゃくちゃ爽やかで素敵な、ご存知、別所哲也さん。
お話うかがってきましたよ〜。
ショートフィルムとはどんなもの?
というところから、つい先日あった
ロスアンゼルスはハリウッド
「エジプシャンシアター」での
キックオフスクリーニングのこともうかがいました。

録りたてほやほやです。さっそくどうぞ。
(インタビュアー「」はわたくしめです。)

ショートフィルムの魅力
いよいよ「ショートショート」5周年ということで、どんなお気持ちですか?

別所さん 日本人ってけっこう節目が好きだと思うし、僕も好きなんだけど(笑)もう5年たっちゃたかーみたいなキモチもすごいあるし、映画祭というものを長い目でみたら、やっと5年という気もするし。

僕が始めた当初っていうのは、短編映画とかショートフィルムって言っても、実験映画みたいなところで、あんまりヒカリが当たるカッコのいいものっていうふうには思われなかったし、ましてお金を払って見れるような、刺激を受けるものでもないっていうレッテルが貼られてたんです。僕自身もそういう先入観があったし。

それが見る見る変わったというか、おもしろいぐらい世の中がショートフィルムに対して目を向けてくれるようになったし、実際にそれをいろんな形で活用したり、商品にしたり、それから人材育成に使おうとか、こう多岐に広がっていっているので。

 
へえー、おもしろいですね。

別所さん それに当初から関わってずっと5年間見ていると、とてもなんというか、不思議な気持ちですね。

「ショートフィルムは”宝石の原石”のようで、磨けば磨くほどいろんな輝きがでるようなもの」と教えていただいて、俄然興味を持って、今はショートのサイトにある映像を見まくっているんですけど。おもしろいですねー!
作品のさわりのような映像は、毎年ウェブで公開しているんですか?

別所さん そうですね。3年ぐらい前から。
ちょうどそれぐらいのときに、ああいうクリップぐらいを流せる技術がネットでも出てきて。

ネットの進歩とショートの歩みがちょうど合ってた?作品にも変化がありましたか?

別所さん 作品自体は、海外を見回すと、ショートフィルムって実はアメリカだと3000本くらい毎年作られているし、ヨーロッパでもフランスだったら800本とか、ドイツだったら500本とか、学生の卒業制作みたいなものから始まって、プロの人たちも、有名になった監督や俳優も作っているっていうのが現実なんですよ。

だから、必ずしもITブームに乗っかってっていうんではなくて、35mmや16mmで作られている世界観がしっかりあるんですけどね。

それでもやっぱりネット文化というか、新しいサイバースペースというところで生きる人間たちが増えてきて。

そこでミートするわけですね。

別所さん そう、そこで国境を越えていろいろ交流する人も出てきてるし、作品つくりそのものも、デジタル化したものが増えてきてる。フィルムでインプットするんじゃなくて、元々からデジタルの素材から作るとか。

デジタル作品は増えてますか。

別所さん 増えてる、増えてる。99年に僕らは映画祭をスタートしたんですけど、1年目はほとんど16mmと35mmだったんですよ。だけど2年目以降は、だんだんデジタルが増えてきて、CD-ROMみたいので送れますかとか、容量とか気にしますか?そういうような発想で入ってくる人とか、デジタルものは受け入れないんですかね、やっぱり「フィルムフェスティバル」ですから、と聞いて来る人も。

こだわりのある人もいたんですね、「フィルム」という名前に。

手作り感+世界へ発信する映画祭に
別所さん その辺が今、ちょうど、こう、僕は逆におもしろがっているんですけど。混沌としている時代っていうか、何でもありの時代というか、メディアが動き回っている時代というか。「ほぼ日」もそうですよね。

「ほぼ日」もデジタルな媒体だけど、生き物のように感じますね。だんだん成長していくのも見えます。そして「ほぼ日」もやっぱり5周年なんです。

別所さん なんだそうかー!おめでとうございます。なんか一緒にやりたかったですね。

わー、ほんとですね。

別所さん 「ほぼ日」と「ショート」の共通なのは、手作り感というか、僕も時々見させていただくんですけど、コミュニティ化してる部分もあって、あったかい感じがみなさんの方にもあるし、僕らも大事にしてるのは、文化祭的なあったかさというか、手作り感と、学園祭っぽいね、ボランティアが参加するような部分と、それが世界とつながって発信する部分と、共存できる映画祭になっていると言えるんです。

作品そのものも「ショートフィルムってストーリー性があるから、血の通ったというと変だけど、単にデジタルのヴィジュアルジョッキーのようなものというよりは、むしろ、そこに一つのストーリー性とか、メッセージ性とか、そういうもので刺激するっていうのを大事にしていて。

でもデジタルビジュアル映像が嫌いとかっていうんじゃなくて、それはそれで違う文化で、現代アート的なメッセージを出していると思うんですけど。

とにかく「映画」っていう以上は、ストーリーとか映画的世界観というものって、どんなにデジタル化して、フィルムでは無くなったとしても、なんかひょっとしたらテレビとは違った空間があるんじゃないかなあというのがあってね。


つづきます。
marsha,
Special thanks to Tetsuya Bessho, Hiroshi Saito (Pacific Voice)
and Jun Kusumoto (Sunny Side Up)
Photos by Harumi Matsunaga

2003-06-05-THU

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