OL
ご近所のOLさんは、
先端に腰掛けていた。


vol.83
- short shorts talk 3-


「ショートショートフィルムフェスティバル」の詳細や、
およそ1300本の作品から選ばれた
70本以上の作品を3日間でどう楽しむか。
どんな作品があるのか。誰が作っているのか、などなど。
これについては、
発売中の「プレミア日本版7月号」(アシェット婦人画報社)
にびっしりありますので参考にするといいと思います。
もちろんショートのサイトもぶ厚く情報たっぷりです。
http://www.shortshorts.org

いっぱいあって迷ってしまうけど、
今年は5大監督、つまり
ロマン・ポランスキー、ペドロ・アルモドバル、
アレキサンダー・ペイン、ヤン・クーネン、
フェルナンド・メイレーレスのショート作品も
上映されるということでワクワクです。


今日は「ショート特集」最後に、
別所さんのお仕事ぶりなども聞きましょう。
俳優としても7月のミュージカル「レ・ミゼラブル」を控えて、
大変なときなのに、フェスティバルの代表としても
名実ともに寝る暇なしの忙しさ。
どうしてそんなすごいエネルギーがでるのか。
でもわかっちゃいましたよ。それもお楽しみに。

では最終回です。
(インタビュアー「」はわたくしめです。)
SSF2003mainvisual
元々なんでやりたかったんだろうと考えた
別所さん 僕らは映画祭をスタートして5年目になって、最初はミュージアム的、ギャラリー的にヨーロッパやアメリカの作品を見せるという映像の祭典としてスタートしてるんですけど、3年目くらいでやってなきゃいけないことの半分ほどしかやってなくて、原点に返ってみてなんでやりたかったんだろうなと考えて。

やっぱり日本のクリエイターとか、表現したい人、俳優含めて、作家さんも含めて、そういう人たちを応援できる場所にしなきゃいけないなということで。この映画祭がいろんな意味で出会いの場になるのも当然だし、コンテストという意味では‥ちょっとベタな言い方すると「甲子園的な」全国から集まってきて、それを世界の人たちにつなげるような、そういう場所になったらいいなと思ってるんですよ。


 
原点に戻ってさらにパワーアップされたのですね。

別所さん 俳優という仕事に出会って、やっぱり映画とか映像とか舞台とかすごく好きで動いているんで。
なんか結局人生一回なのに、俳優だからといってカッコウつけて斜に構えているのは、つまんないじゃないですか。それはそれで当然仕事としても自分の生きていく、その、仕事としてだけじゃなく喜びとしてもやっていくんだけど、別にだからといって好奇心を失って、他の国の人と交流できるような出会いを無くすのはイヤだと思うんですよね。

いろんなことをやりたくて生きているから、きっと大きな組織にも入らなかったんだろうし(笑)。
今この年齢で生きている時代が、大して映像メディア的におもしろい時代じゃなかったら、テレビがイケイケの時代、あるいは映画がイケイケの時代、例えば石原裕次郎さんの時代に裕次郎さんの年齢で生きてたら、「映画でしょう、絶対」って生きてたと思うんですよ。
僕が生まれた65年から70年くらいの間にもし青年期だったら「これからテレビでしょう」って絶対テレビに生きてたと思うんですよ。
けれども今、考えてみると、映画でもテレビでも、ネットでもというように、いろんな形で、グーテンベルグが印刷技術を発明したぐらいのレベルのインパクトで自分の周りでいっぱい起きてて、それが大好きな映画だったり、演劇だったりしてるからね。そんなおもしろい時代にいるのに、そういうことと繋がり合わない。ましてシャイになって、人から「お前やったら?」って言われるのを待ってるのも変だし(笑)。
自分が直感的に楽しいと思うことを、人とつながりながらやるというのをやっちゃったんですよね。

ミュージカルと違うものがあるでしょうけど、双方で影響するものもあるでしょうね。

別所さん よく両立してますね、って言われるんですけど、確かにかなり二重生活な感じ(笑)というか、身体がもう一つか二つあったらもうちょっとうまくいくのにと思うことは、正直、あるんですけど、物理的には。知らない間に寝る時間を削ってるっていうか、そういうことにはなっちゃうんだけど。
いやいややってるんじゃないから、楽しいし、充実はしてますね。

大事ですよね(なんて爽やかなんだ!)。

●「ジュエリーな輝き」と「スナックサイズのポータブル感」
六本木ヒルズでショートショートの「プレミアイベント」があるそうですが。

別所さん はい。やります。六本木ヒルズのアリーナを使って、7日と8日。土日なんですが。ナイトスクリーニングというのをやるんです。屋外なので雨が降らなきゃいいなと思ってるんですけど。
映画をオープンなスペースで観るという、昔でいうとドライブインシアターみたいな感じ。僕たちってギリギリ知ってるような知らないようなっていう世代になっちゃうんですけど。アメリカだといまだにイベント的にあったり。ビーチで、ハワイやロスアンゼルスとかやるんですけど、海辺にスクリーンを立てて観るとか。

 
おお、いいですねえ。海辺で映画、気持ちいいなあ。

別所さん 最高ですよね。そういうイベントとかもいずれやりたいんですよね。湘南とかでね。夏の夜のイベントとしては最高だと思うんです。そういう意味で、今回のナイトスクリーニングもいろんなことに挑戦しようというのでやるんです。
通常のプログラムは原宿のラフォーレミュージアムで7日から11日までやります。

六本木ヒルズのは通常のプログラムとは違うものをやるんですか?

ええ。スペシャルにアレンジしたもので、実際にフィルムメーカーもパネリストとして呼んで、「ショートフィルムを作ろう」という題で、2時間くらいのプログラムを夜7時からやります。雨が降ったらアカデミーヒルズ(六本木ヒルズ内)でやります。無料です。それと事前登録制ですから、ぜひショートのサイトで確かめてくださいね。

クリエイターを目指す人は見たほうがいいですね。

別所さん それと、あそこはオープンスペースだから、ちょっと立ち止まって5分10分見てくれたら、魅力が短い時間にギュッと凝縮されていて「ジュエリーな輝き」もあるんだけど、「スナックサイズなポータブル感」もあるという、その部分がわかってもらえると思うので、ぜひ、観てください。

お買い物の途中でちょっと観るのにちょうどいいですね。

* * * *

これが出る頃はきっとフェスティバルの真っ最中
だと思います。
東京開催(6月7日-11日)の他、
札幌、大阪、松本、名古屋、福岡でも開催されます。
詳しくは、こちらでチェックを。
http://www.shortshots.org
ショートフィルムの「ジュエリーな輝き」をとことん堪能しましょう。
私ももちろん出かけます!

別所さん、どうもありがとうございました。
よどみなくてすごいわかりやすーい説明がかっこよくて
素敵な青年実業家とお話してると思ってしまいました。
ヒュー・グラントじゃないですけど(笑)。

では、また。


marsha,
Special thanks to Tetsuya Bessho, Hiroshi Saito (Pacific Voice)
and Jun Kusumoto (Sunny Side Up)
Photos by Harumi Matsunaga

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2003-06-12-THU

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