OL
ご近所のOLさんは、
先端に腰掛けていた。

vol.87
- whiteman #7 (2) -


イシコをリーダーとする
ホワイトマンプロジェクト
2007年12月31日に
ホワイトマン星へ還るという5年プロジェクト。

そして今年1月に青山円形劇場であった
ホワイトマンプロジェクト「プレゼンラジオ」。
ホワイトマンの考えているさまざまな夢を
実際に形にして見せてくれました。

その「プレゼンラジオ」のステージと客席を
カメラを片手に縦横無尽に動き回り、
スクリーンで出演者と観客のかっこいい映像を
プレゼンしてくれていた
「かめら〜まん」こと、たかはしじゅんいちさん。
その動きもとてもかっこよくて
プレゼン本体のステージとともに
際だって 注目を集めていました。
かめら〜まん
© whiteman#7
Jun Takahashi web portfolio

ではプレゼンラジオの話からです。

「プレゼンラジオ」に俺もまぜてほしいよ〜。

Marsha(以下同じ):
じゅんさんのカメラを持った動きが
かっこよくてつい見ちゃいました。
あれは入念な打ち合わせとかあったの?


Jun(以下同じ):
ははは!
プレゼンラジオではね、思いつきだったの。
みんなが楽しそうだから
俺もまぜて〜って感じで(笑)。

「写真」っていうのは基本的に
現像して、渡して‥裏方さんじゃないですか。
生ライブとかもないし。
で、円形(プレゼンラジオ)を演ると言ったときに
どうやったら俺が参加できるのかな〜って考えたら
まず、本業の写真家として
「ものをつくること」というのがあって、
だからプレゼンラジオのオープニングムービーを
作らしてもらったんだけど。

これは、テーマに合わして、
「ホワイトマン」っていう価値観を表現するのに、
俺が今までネパールとかケニアとか
いろんな国の部族を撮ってきた写真と
ホワイトマンのポートレートを
モーフィングっていうソフトで繋いでみたら
おもしろいだろうと。
世界を旅している的な、そして世界は一つ的なイメージ。
静止画なんだけど動かしていくっていう
作業が最近興味あるから。

それで、ものづくりとしてオープニングムービーを
作ったんだけど。
でもどう考えても彼ら(ステージで参加している人たち)
の方が楽しそうで。
それがうらやましかったのね。

初日は、ステージ上のちっちゃいものを
観客が見えないから、それをビデオで撮って
スクリーンに上げるっていうのを
頼まれてたの。

作業としてね…。

そうそう、つまんないなー、俺だけ‥?
それがひじょうに面白さに欠けてたわけ(笑)。
それって作業だし、なんかつまんなかったから
いろいろ考えてたのね。
で、円形(本番)までの期間に
「写真の楽しさをどうやったら伝えられるかな」
「写真でライブ、ってどうやったらできるかな」
って、ずっと考えてたんだけど、
結局本番まで何にも出てこなくて。

でもいろんなアイディアは出したのね。
イシコに、こういうのしたい、あーいうのしたいって。
でも微妙に参加者との折り合いがあったから。

映像でからむにしてもね、
ファッションショーとか、カボチャ商会とかと
からむにしてもみんな映像持ってるからそれを流すと。
そーすると、俺参加できないじゃん?
っていうので。
1日目は作業をしたんだけど。
バックステージで参加者のポートレートを撮ってたの。
バックペーパーといって
被写体までの距離が1メートル50センチしかないんだけど
そこでバシャバシャ撮って
それはそれで楽しかったの。
参加者が楽しい人たちばかりだったから。

「写真を楽しむ」ことをどう伝えるか?

「写真を楽しむ」ことを伝えるのって
実はすごい難しいんじゃないかなって最近…。
本人(自分)は楽しんでるんだよ。
本人は楽しくて、いっぱい写真を勉強してきてさ
そこそこいい写真も撮れるようになり、
もっともっと楽しくなって来ているわけですよ。

でも、その楽しさって
普段こうやってしゃべってると、
「楽しいーんですよ」って言えるんだけど。
何がそんなに楽しいのかって説明出来ないからね。

それをどうしたら‥
「青山円形」みたいなあーいう
実験イベントで、俺が提案出来るのかなと。
それがいちばん俺の伝えたかったことだから。
いいものを作るっていうのでなくて
写真って楽しいンだよ、っていうことをね。

お客さんを使って一緒に遊べないもんかと
ずっと考えていたんですけど、思いつかなくて。
で、結局、舞台を見ながら、作業をしながら
K3に影響されたのかな。
あいつもぐちゃぐちゃだから。

☆☆K3さんとは whiteman #6
このサイトにいらっしゃる方です。
探してね。(ヒント、女性)☆☆

ぐちゃぐちゃって?

感覚のままやりたい放題(笑)。
一応順序だてて時間枠決まっててやってんのに。
乗り始めると止まらないし。
それで土壇場で、打ち込みの音?
コンピュータ打ち込みの音とかシンセサイザーとか
そういう人工的な音とやりたくないって言い出して
それで自分でベースとか生音の連中ひっぱってきたりして
やりたい放題だったわけ。

で、俺、STOMPずっと撮ってるから
あーいうライブ感って大好きなんだよ。
それで「参加するならここだろうな」って思って。
考えたときに、K3とそういうことをやりたいねって
話をしてたんだけど。
技術的にもスケジュール的にも
ちょっとみんなアップアップだったから
つまり、映像を上に上げるとか(ミキサー室へ送る)
音の打ち込みもあるし、全部ひろわなきゃいけないし
照明の問題もあるし、
みんなボランティアでやってるから
あまり無理きかなくて。

ボランティアって、それ、すごいよね。

それでダメかな〜と思ってたときに
ピンクの髪した製作の人に
「俺こういうのやってみたいんだけど
できないのかなあ」って相談したときに
「できるよ」とか言ってくれたんで
それで彼らは自分で自分の首をしめたんだけど(笑)。

「できる」って言っちゃったばっかりにね。

で、静止画でほんとはやりたかったんだけど
静止画だと、撮った写真しか見れないなと。
で、みんなが見たいものを見てるものを上げといて、
俺がどの瞬間にどうやってモノをつくるのかなと
見せれんのかなっていう。

何を見てて、どこで押そう(シャッターを)としてるのか
っていうのを静止画像として、ちょっと表現したかったので
結局はビデオを使って映像を上に流しながら
ストップモーションでシャッターを切っていく
しかも音楽に合わせてっていうのを思いついたわけ。
でも全然うまくいかなかったけど(笑)

初めてだし。 デジカメっていうのは、微妙にシャッター落ちるの遅いの。
だから「俺についてきてくれない」
だからデジタルカメラ、嫌いなんですけど。
コンマいくつでもなんでも押したいときに落ちてないと
全然話になんないの。
それで苦戦して。

デジタルあんまり好きじゃないのは
現場でのストレスが多すぎるんですよ。

それでも、「プレゼンラジオ」では
たかはしさんの動きがそのまま画像や映像に反映してきて
おもしろかったです。


でも揺れすぎて気持ちワルイっていう人いたけど(笑)。
酔っ払っちゃうよとという人もね。
でも、そういう人たちって実はライブ観てなくて
スクリーン観てるんだよね。
あれは、俺はうれしかった。
(酔っちゃった人たち、次回はもっと上手くやるからね☆)

かめら〜まんの予知能力!

スクリーン、注目しましたよ。かっこいいもん。

あ、こういう遊び方あるなって思って。
これは、これからちょっと続けたい。
ただ、カメラは変えたい。
押したいときに落ちてないから。
だから後半の方は、俺うまくなってきて
音にもあわせてるし、
たとえば足のアップから全身にいったり
全身から顔のアップいったり
っていうののバランスがだいたい取れてきたのは
最後、3日間くらいでね。

ふふふ。ずっと練習してたのですね。

(笑。ライブですから…)
そ、練習してた。本番で。遊びですから。
で、合っていくようになると
今度プラスアルファで
デジタルビデオが反応してくれない分
それを想像してシャッターを押すわけですよ。
ああ、あそこへ動くんだろうなっていうところで
早めに押すようにして。

次の動きを予知しながら?

そうそうそう。かめら〜まんの予知能力!(笑)
あれなんか、ライブ感としてはすごい勉強になった。

それが後半3日間には生きてきたわけですね。

後半3日間はかっこよかったよ〜。
しかも、なんだろう。
K3も即興だから、あいつがどう動くかわからない。
あいつも挑戦者だから、なんとなく教えてくれって言っても
「あー、じゅんさんならできるから大丈夫」とか言ってさ。
いや、できるとかできないとかじゃなくて
自分の機材じゃないし、条件悪いからって言っても
教えてくれなくて。もうやりたい放題。
でも、楽しかったよ。
すごい楽しかった。

ひとつのステージで見るところがいっぱいあるので
真ん中では誰かか何かをやり、
じゅんさんは回りを動きながらビデオを撮ったり
客席で撮ってたり。
そのとった映像や静止画をスクリーンで映していて
それもとてもかっこいいから観なきゃ、だし。
お客さんも忙しかったですね。
円形の会場だから、お客さんがステージを取り囲むので
観やすいですし。


場所として最高でしたね。
ただどこに立っても客に被るんだよね。
だから立ち位置難しかったですよ。
それから、客には見せたい、でもそこから俺も撮りたい
みたいな、それ全部、こう後も前も気にしながら
撮影して、しかも予知して、機材は俺のじゃないし。
みたいな(笑)。もうぐちゃぐちゃ(笑)。

だから照明とか、映像の人とかにはすごい感謝してる。
楽しかった。

ジャズセッションみたいですね。
みんなで息合わせてやるところは。


あれはまたやってみたい。
ちょっと機材を考慮して。
もっと速く反応できるようにして。
音楽だとつらいけど。
動きのあるものなら、
ライブセッションできるかなと思う。

今、ニューヨークの友達のところで
この間とった映像を編集してもらってて。

「プレゼンラジオ」の?

あれ実は、ビデオ回しながら撮ってるから、
全部じゃないんですけど、映像って残ってるんですよ。
で、もう一台カメラを置いて、
K3用の記録を引きの絵で、別のビデオで撮ってるから、
それを混ぜて編集したらおもしろいなと。
それでSTOMPの連中がそれを見たいっていってるから
あいつらとも、こんなセッションできたら楽しいな。

STOMPも実験的なことを考えているみたいでおもしろそう!

彼らは、STOMPのパフォーマンス自体は
ある程度完成した物だから、
オリジナル(STOMP)の連中にとって楽しいのは
今、映像だったり映画だったり、
動画だったりするわけですよ。
だから、ポスター撮ったり、
ステージ撮ったりし続けていくんじゃなくて
そこはビジネスでやるんですけど、
そうじゃなくて関わりあうなら
映像の方で関わりあいたいから
今回のと一緒にやった遊びは
きれいに編集して彼らに見せたいな。
こういうのやりたいって。
これもプレゼンだよね(笑)?

止まってる絵というものに。
俺、すごいこだわりがあるから。
動画もやるけど、
ソノ中には静止画としての「俺」がいないといや。
みたいなね。うまく説明できないけど。

静止画でできない世界は動画でいいけど
その撮り方も動画の人じゃイヤで。
静止画のカメラマンが撮った動画、
その間にハンコみたいに静止画を混ぜる
みたいな作業はこれからしていきたいなと思ってる。

selfphoto
selfphoto by jun takahashi

つづく。次回はニューヨークのお話です。
marsha,
Special thanks to Junichi Takahashi (camera〜man)
all photos ©Jun Takahashi

ご近所のOL・まーしゃさんへの激励や感想などは、
メールの表題に「まーしゃさんへ」と書いて
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2004-05-13-THU

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