ご近所のOLさんは、 先端に腰掛けていた。 |
vol.93 - a message from KODO - ●鼓童のメッセージ 「鼓童十二月公演」に行きました。 優しく凛々しい和太鼓の音色で、 身がきりりんと引き締まり、 厳しかった一年を締めくくる熱い公演。 なんと中国映画『HERO−英雄』のテーマ曲、 タン・ドゥンの「For the World」の演奏もあり、 その神々しさにぶるぶる震えました。 ©Buntaro Tanaka(KODO) 「太鼓と量子コンピューティング」の 不思議な関係について考えていたのは ちょうど去年の終りごろでした。 中国の壮大な歴史絵巻映画に響く 鼓童の太鼓の音が、現代の最先端の技術と 不思議に繋がっているのをひしひしと感じて 「世界は変わるぞ〜」なんて興奮しておりました。 私が太鼓が量子コンピューティングに 繋がっていると思うのはなぜだろう。 それは、量子コンピューティングの理論が、 「答えは2つにひとつではない」 「森羅万象を表すことができる」 「すべてを超えてつながる力がある」 というようなことである、ということを聞いて、 これは、太鼓の持つコミュニケーションの力や表現に、 すごく通じるなと感じるからなんです。 今回も鼓童の太鼓を聴いていて感じたのは なによりも「天とつながる力」で、 それによって人間にメッセージを送り、 一人一人に「生まれてきた使命」を想い出させて いるのではないかという突拍子も無いことでした。 去年の世田谷パブリックシアターで観た 『ワン・アース・ツアースペシャル』は、 坂東玉三郎さんの演出という “スペシャル”な公演だったのだけど 鼓童の魅力を玉三郎さん流に、 魔法のように曳き出した舞台でした。 なにしろ太鼓の幽玄さがクローズアップされて、 粋で、イナセで、優雅で、妖艶。 実に玉様らしいのでした。 今年の「十二月公演」は、 「生きるチカラ漲る舞台へ」というテーマで、 鼓童の齊藤栄一さんの演出。 太鼓の基本的な魅力をストンと提示しているような ある意味、近寄りやすさも感じました。 でも去年の玉三郎さんの余韻も残し、 妖艶な日舞とのコラボレーション、唄や胡弓、 お琴とのアンサンブルがあり、 ビジュアルも楽しく美しく、多彩な魅力が 溢れていました。 それだけになおさら「三宅」とか「大太鼓」という 太鼓だけの演目が断然かっこよく引き立つのは、 太鼓のもつ魅力がストレートに響いてくるからだろうし、 なんと言っても勇壮にたたく姿がただただ美しい。 大太鼓の入魂の第一打。 第二打、三打、四打‥。 そしてどんどんスピードを上げていき本打ちに入る その過程を、藤本吉利さんは、 飛行機が離陸する緊張と感動の瞬間にたとえて 「大太鼓打ちの気持ち」を語っています。 私もあの離陸の緊張の瞬間がすごく好きです。 それを言うとよく「変なやつ」と言われるけれど、 危険度がとても高いと言われる離陸の瞬間に 成功を信じてワクワクする浮遊感が、 大太鼓のすべり出しと似ていると聞くと、 そーか、そうやって天と繋がっていくのかと 共鳴できた気がしました。 ©Buntaro Tanaka(KODO) ロビーで新潟県中越地震の募金がありましたが、 鼓童の本拠地の佐渡は被災地に近くて、 実際被害が少なかったとしても、 きっと一緒に辛さを分かち合い、 励まし続けているのだと、 それが演奏から伝わってきました。 まったくそういうコメントは 言葉として無いにしても、音がそう言ってるし、 メッセージとして「生きろ!」と すべての人に向けて送ってきました。 それは鼓童からのメッセージというよりは、 鼓童がどこか上と「ツウシン」して受け取った メッセージを太鼓で伝えている感じがしたのです。 それは2曲目の「響酔'04」でしたが、 受け取れたときはゾクゾクが身体中走っていました。 問題の無い人生は平坦でつまらない人生だろうけど、 ときに耐えられないほどの難題がやってくることもある。 天災、人災、いじめ、虐待、殺人、病気…。 しかし、それぞれに重いテーマに取り組むことが 「生きる」ということの証でもあると、鼓童を 聴いていると、人間の使命、人間の起源のことを 考えるのです。そういうことを思い起こさせる力が 込められているのと同時に、 生きることは楽しいことでもあるんだよ、という 音もいっぱい聴こえてきます。 大切なのはお腹でその「メッセージ」を受け取る ことなんだろうなと思います。 ©Buntaro Tanaka(KODO) 世界的な活動を続ける鼓童は、 新年はカリフォルニア公演から始まって、ワシントン、 カナダ、ミシガン、イリノイ、ニューヨークなど 北米各地をツアーするようです。 日本が必要としているのと同じくらい、 いまアメリカにも、 こうやってシンプルに人間の魂に届く音が、 とてもとても必要のような気がしますね。 なんか"inevitable"な気がします。 「天からのメッセージ」をぜひアメリカの人々が ビビーンとたくさん受信しますように。 メッセージを受け取った人それぞれが 地球のあちこちで行動を起して、 どんどん繋がっていけるといいですね。 あーこうやって、鼓童でおごそかに2004年が 終るのだわ〜と思っていたら、昨日急遽、 塩谷哲さんの「Saltish Night」を聴くことに。 “ソルト&シュガー”こと塩谷さんと佐藤竹善さん。 竹善さん曰く「軽く妙な」ソルトトークも絶好調。 ソルトの天才的なピアノワークと、 全身が楽器の竹善さんのボーカルで、 私の鼓動はちょっと軽快になった感じです。 こんなリズムで、 2005年が平和に満ちた優しい年になりますように。 量子コンピューティングの勉強も続けます。 鼓童サイト: http://www.kodo.or.jp/ Special thanks to KODO and Junko Susaki (KODO), photo by Buntaro Tanaka (KODO). All rights reserved. |
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2004-12-29-WED
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