あきんどゴコロ |
◆◇◆ あきんどゴコロ◆◇◆ *「あきんどゴコロ」は、 本日5月1日をもちまして、 連載を終了いたします。 長い間、ご愛読いただきまして、 本当に、ありがとうございました。 そして、これまで、 ご投稿くださったみなさま、 この場を借りて、 あらためてお礼を申し上げます。 一昨日より、 過去に掲載しましたよりすぐりの 「あきんどゴコロ」を ご紹介しておりますが、 最終日の本日は、ちょっとホロリとする 「あきんどゴコロ」をご紹介します! 田舎で電気店を営んでいる私のダンナは、 冷蔵庫を配達に行けば、 古い冷蔵庫をどかした後の、 10数年分の汚れをきれいに掃除し、 蛍光灯の交換に行けば シェードに積もったほこりを払い、 ガステーブルを設置に行けば、 長年の油汚れと格闘をするという、 儲からない仕事に明け暮れています。 私が一度、 「もっと効率の良い仕事をしたら。」 と言った時も、 「量販店じゃないんだから・・・・・」 と、頑なに自分流を続けています。 そんなダンナですが、 お客様のお宅に伺って帰ってくると、 品代の他に必ずと言って良いほど、 手土産をいただいてきます。 野菜、お菓子、煮物、お米、漬物、など。 ある日の夕飯が、 魚以外は全部頂き物だったという事もあり、 その時はさすがに夫婦で大笑いしました。 お金は儲からないけれど、 お客様の感謝の気持が身にしみて、 心が儲けています。 (ダンナ大好きのまなりん) 関西に住んでいます。 仕事の帰り、デパ地下に寄り カキフライを買った時のこと。 すごく大きなカキフライだなーっと 思っていたら、店員さん (20代ぐらいの若い女性)が包みながら、 「おねーちゃん、今日入ってきたカキ、 すごい大きかってん。 おねーちゃん、今日こうて良かったねぇ。 これはほんっとぉに、おいしいでぇ。 良かったねぇ」 ってニコニコ笑って言ってくれました。 はい、そのカキは とってもおいしかったです。 でも、あの店員さんの嬉しそうな顔で もっと幸せな気分になりました。 (まる。) 一昨日の晩、 飼い猫が夜中突然死んじゃいました。 午前3時の真夜中だったので、 すぐ近所の獣医さんにも 連絡することをためらい、 苦しんでる姿を ただただ、見守るだけでした。 朝、報告だけをしに、病院に行きました。 先生に伝えるとすぐに 「夜中だから決してよそゆきの笑顔では ないかもしれない、 だけどドアを叩き起こしてでも、 死んじゃうよりいいじゃないですか。」 と真剣に言ってくれました。 獣医の奥さんも又、 「インフォメーションが ちゃんと出来てなくてごめんなさい。 気兼ねさせてしまったことが 獣医としてつらい。」 と目頭を熱くしながら語ってくれました。 動物の夜中の急患は、 飼い主と病院の温度差があるものではないか と勝手にあきらめていました。 自宅にはまだ二匹の猫がいます。 どこに引越しても ここの獣医さんにずっと通おうと 決めました。 (ももんが28才) 昨年の11月に母が倒れ入院しました。 明日も分からぬ病状で 家族全員絶望の淵にいた時のことです。 私は、付き添いの合間に 近くのスーパーに買物に出かけました。 昼食も食べて無いけど 食欲などあるはずもなく、 ただティッシュや父の靴下など 付き添いに必要なものだけをかごに入れ、 レジに列んでいたとき、 満面の笑顔の男の店員さんが近づいてきて 「お客様、当店特製の クリームコロッケでございます。 ぜひご試食ください」 と言いました。 もちろん私はそんな気分ではなく 「‥‥いえ」 と断ったのですが、 「ぜひお試しください」 と店員さんが笑顔で食い下がるので 渋々コロッケの切れっ端をいただきました。 特製というだけあって、 そのコロッケはおいしく、 温かくて優しい味でした。 なんだか私の心を 少しホッとさせてくれました。 たまにはおせっかいな店員さんもいいな、 と思いました。 (ちゅち) 80代と50代の母娘薬剤師が経営する、 こじんまりとした家族経営の薬局。 先日、風邪をひいたので、 医者からもらった処方せん片手に 大手の薬局を訪れたのですが、 「うちにはこれおいてませんね〜」 と一蹴。 その後数軒回っても同じような対応をされ、 すでにバイトに遅れかけていた私は、 泣きそうな思いで 小さな薬局のドアを開けました。 処方せんを見せると、 「これは今ないんですけど・・・・ あ、お時間いただければ とってきますよ?」 「どれぐらいですか?」 「いえ、自転車ですのですぐに。」 自転車! その日は 大変な強風だったのにもかかわらず、 自転車で薬を調達に行ってくださいました。 風邪はひどく、かといってバイトは休めず、 私には本当に天使のような薬局でした。 その後、お薬を飲むためにと お湯まで用意していただきました。 薬局とは、風邪をひいた人にとって 安らぎの場となるのが理想だなあと つくづく思いました。 (花の女子大生) 吹雪という悪天候に加え、 ちょっとした さびしい出来事のあった夕方、 こういう時はせめて甘いモノでもと、 スーパーにテナントで入っている、 北海道ではわりと有名な菓子店で、 こまごまとしたお菓子を買いました。 「おまたせしました、 “444”円のお返しになります。」 と、そのお店の店長とおぼしき 中年男性に言われ、 「こんな気分の日に限って、 なんて不吉な‥‥」 と、憂鬱に 拍車がかかりそうになりましたが、 「縁起よくないんで、おまけです。」 の言葉とともに手渡されたおつりは 445円。 たった1円のおまけですが、 なんだか癒された気持ちになり、 また来よう、と 単純に思ってしまいました。 (かづこ)
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