前回までの「ヤマダのコーヒー」、とっても好評で、 今週は社員研修旅行でバリに行くんですが さて! 前回予告しましたように、 |
ああ、武井さん、このことを、 このページで告知することにしたんですね! |
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うん、だって、この企画はさ、 「男たちのアンチエイジング」のページが きっかけで産まれたと言ってもいいじゃない? だからこのページを読んでくださっているみなさまに、 まずおしらせしたいな、って思って。 |
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そうですね。だったら、軽くじゃなくて、 ちゃんとお伝えしないと。 そもそもが「なんじゃ、そりゃ?!」な話ですからねえ。 ではぼくから伝えましょう。 じつは、武井さんが、1週間、 ぶらぶらとパリで食って、飲んで、 寝るのを撮影した90分ドキュメンタリーが NHKのBSプレミアムで3月14日に放送されます! |
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違う! その説明、ちがーう! いろいろ抜け落ちてる! それじゃまるでぼくが「ぶらぶらとパリで食って、 飲んで、寝るだけ」の奇妙すぎる番組でしょー。 やっぱり自分で説明しますよ。 本当の主役はいま話題の「ぬくメン俳優」、 千葉雄大(ちば・ゆうだい)くんです。 千葉くんと、なぜか、ぼくが、 パリの、商店街がある街に部屋を借り、 1週間、「暮らすように旅をしてみる」 という番組ができたんです。 パイロット版っていうんですか、試作なので、 単発の放映らしいんですけど。 |
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広報資料にはこう書いてありますね。 チョイ住み in パリ “チョイ住み”は、その街に、まるで引っ越したような、 全く新しい旅番組。ガイドブックを眺めつつ、 名所景勝を駆け巡るうちに、あっという間に1週間。 帰国すればヘトヘトに…。 そんな旅をしがちな現代の日本人に、 新しい旅のスタイルを提案する新番組「チョイ住み」。 コンセプトは「その国にちょっとだけ住んでみる」。 普通の家に住み、日用品を買い、食事を作り、 近所の地図を覚え、その日ふと思い立った場所へ出かけ、 地元の飲み屋でクダをまき、 疲れたら家でテレビを見る。 現地の人と同じ目線に立つことで、 ガイドブックには載っていない その国の姿が見えてきます。 今回、番組で「チョイ住み」するのは、 旅行雑誌の編集に長く携わってきたベテラン編集者と 今人気急上昇中の“ぬくメン”俳優! パリを舞台に、ぬくもり系男子と、 パリ大好きな編集者というかみ合わない二人が、 おかしな「ちょいスミ」を繰り広げます! 出演:千葉雄大(俳優)、武井義明(編集者) |
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ほら、あくまで主役は千葉くんです。 ぼくはあくまで補助役。 |
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では、社内でも騒然となったこの2ショットを。 |
うわわわわーーーーーっ。 や・め・てええええーーーー。 |
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横山弁護士ですか。古いなあ。 主役の千葉くんを 食ってしまうほどの存在感じゃないですか。 |
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いま、読んでくださっているみなさんが 総ツッコミをしているのが見えました。 「シェフ、顔、でかっ!」。 |
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二人並んで撮影しているのに 千葉くんがかなり後ろに立っているように見える! 遠近法を狂わせる写真ですね。 |
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これねえ、ぼくが特別顔がでかい、 というわけでもないはずなんです。 千葉くんが小さすぎるんです! |
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じつはどの写真もおもしろいんですよ。 これなんかもどうですか。 局は違うけど、 ヒゲのおっさんとイケメンの テラスハウスみたいな空気(笑)。 |
‥‥って、そんなことはどうでもよろしい。 ニシモトさん、経緯をもっとしっかり説明してください。 いくらなんでも突然、「テレビに出ませんか?」 というオファーがきたわけじゃないんですから。 |
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確かにそうでしたね。 あれは昨年の夏のことでした。 元NHK_PR1号さん、 いまは作家になられた浅生鴨(あそうかも)さんですが、 NHKを退職されたとき、 新しいスタートを応援しようと、 浅生さんとぼくの共通の知りあいである NHKの方と食事をする機会がありました。 その席でぼくが「これから何をするんですか?」 と訊いたら、浅生さんは 「小説を書くこと以外はなにも決まってないんです。 暇なんですよー」と。 そうしたらNHKの人が 「浅生さん、どうせ暇なんだったら、 いま、局内で新番組企画を広く募集していますから、 なにか考えてみてくださいよ。 すごく良い企画だったら 通ることもあるかもしれないですよ」と。 |
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へえ、そんなことがあったんだ。 | |
ええ。食事会がそのまま企画会議になったんです。 で、武井さんも覚えていると思うけど、 「ムーミンの新作映画ができるらしいよ」 って情報がありましたよね。 |
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いま公開されている映画だね。 | |
そして武井さんはフィンランドが大好き 。 | |
そのとおり。 | |
ぼくは言ったんです、 「作家の重松清さんと編集者の横里隆さん、 それとうちの武井による 『おじさん3人、ムーミンを語る。』 というコンテンツがあったんですが、 とても好評だったんですよ。 その3人のおじさんたちを フィンランドに送り込むって旅番組はどうですか?」 って。 |
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それが「テレビ的」とは思えないんだけれど‥‥。 | |
そうでしょうね、そう思うでしょう。 でもその時、ぼくらはこういう考え方をしたんです。 「最近は、予算やスケジュールの関係なのか、 新人の役者さんや若手芸人が旅をするような 旅番組が増えているよね。 あまり知らないような人が出ていたりもする。 だったら、テレビ的にはあまり知られてない おじさんでもいいんじゃない?」。 |
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知らないところでそんな言われよう。 重松先輩は高名な作家だぞ! |
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「それぞれのジャンルで一家言あるおじさん」 というところが大事なんですよ。そんな人たちが 「ひとつ屋根の下で暮らすように旅をする」 というコンセプトができて、 できたタイトルが「オヤジ・ボヤージ」。 |
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ダジャレじゃないか。 | |
さっそく翌朝、浅生鴨さんが 1枚の企画書にして提出したんですよ。 そしたら、数日後、 浅生鴨さんとぼくがNHKに呼ばれましてね。 |
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浅生鴨さんが、辞めたはずのNHKに。 | |
ええ。そしたら 「仕事ハッケン伝」や 「おやすみ日本」など NHK内でもヒット番組を手がけておられる 敏腕プロデューサーの手に その企画書がわたっていたんです。 |
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ひーっ! | |
言われたのは、企画書のブラッシュアップです。 「そもそも、このおじさんたちはどういう人なの?」 つまり、それぞれのキャラクターを教えてくれと。 そのときに企画書に書いてたおじさんたちはこういう人。 作家の重松清さん、写真家の菅原一剛さん、 編集者の横里隆さん、 TVプロデューサーの土屋敏男さん、 そして武井さん。 |
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増えてるし、見事なまでに知り合いで固めてるし。 ちょっと待って、土屋さんって日本テレビだよね? |
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浅生さんが勝手に入れちゃってたんですよ。 | |
それはそれでチャレンジングだ。 | |
ええ。そして二人でプロデューサーさんに 設定を説明したんです。 たとえば作家の重松さんは旅行記を書き、 写真家の菅原さんは写真を撮り、 編集者の横里さんはそれを編集し、 テレビマンの土屋さんがカメラを回す、 というのはどうでしょうかと。 ちなみにうちの武井は肉を焼きます、と。 |
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あの、ぼくも「編集者」なんだけど。 | |
『ダ・ヴィンチ』の編集長を 長くつとめてきた横里さんとは格が違うんで。 |
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そのとおりです。 | |
「それぞれの得意分野を活かす」 という企画だったんです。 旅先で「肉を焼く」武井さんの話をすると みんなに受けるんですよ。 |
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まあ、焼くけどね。 ヘルシンキでは部屋の火災報知器を作動させたからね、 調理中の油煙で。 |
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そのなかで武井さんは圧倒的に「無名」だから、 プロデューサーさんからは、 もっと、その人の話を聞かせてくれと。 「あの人、いろんな国に行っては、 アパートを借りて、 近所の商店街やスーパーで買った食材で とんかつ揚げたり、 漬物をつけたりしてるらしいんですよ。 住人気取りで、 ろくに観光もしないらしいですよ!」 「わははははっ! そりゃ妙な人だなあ!」 と、盛り上がったんです。 さらにこの「アンチエイジング」コンテンツを開いて、 武井さんを紹介してきたんですよ。 |
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なるほど。 | |
そうこうしているうちにその企画書がNHK局内で 「おもしろそうじゃないか?」という話になり、 NHK社内で旅番組を統括する 部署にまで辿り着くんですが、ここでどんでん返しです。 「残念だ、君たちの企画は悪くない。 悪くないのだが、 すでにフィンランドをテーマにした 別企画番組が動き出しているのだよ」 |
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わあ、没だ! | |
しかーし! さらにこう言うんです。 「その、おじさんが旅をする企画、 フィンランド以外で、できないだろうか? その肉を焼くおじさん、面白そうじゃないか」 |
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おかしい、おかしいよ、それ! 肉を焼くおじさんだけが目立つっておかしいでしょう! 君はNHKでどういう説明をしてたんだ! |
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だって、武井さんに 「フィンランドで何したいですか?」 って聞いたら、即答したじゃないですか。 「トナカイの肉を焼きたいんだよね! 絶対、フィンランド人より うまい料理が作れると思う!」 ああ、ずうずしい人だなって思ったんですよ、 他国の文化に口を挟んでね。 でもその話が面白いものだから、 ひとり歩きしていったんです。 |
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いや、まあ、フィンランドの人は、 なかなか食に保守的なところがあるからね。 |
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でも「フィンランド以外で」となると ムーミンの企画じゃなくなっちゃう。 そしたら浅生鴨さんが、 「もういっそ、武井さんだけでいいんじゃない? 旅先は、パリがいいんじゃない? 武井さんは確か「パリ馬鹿編集者」って コラムを書いてましたよね? NHKでは旅番組なら『パリ』が鉄板ですよ」 と、思いつきました。 |
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確かにCREAに頼まれて書いたね。 ちょっとコメントとアンケートって言われたんだけど いっぱい書いたら4ページくらい載せてくれたんだ。 |
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あとから聞きましたよ、 「武井さん、単行本1冊ぶんくらいの原稿を書いてきた」 って、この人ちょっと馬鹿なんじゃないかと、 ああいう名誉の称号をつけさせてもらったと。 |
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はい、栄誉でございます。馬鹿上等! | |
「パリ」をテーマにした番組って、 NHKでは何度放送しても人気があるそうなんです。 ここでさきほどのNHK敏腕プロデューサーが 大英断を下します。 「やろう! でも、さすがに武井さんだけじゃ番組は成立しない。 そこで、最近、気になる俳優がいてね、 ぬくもり系男子のぬくメン俳優って呼ばれている 千葉雄大くんという男の子なんだ。 世代もルックスも全く正反対の二人が、 パリで一つ屋根の下で暮らすっていうのはどうだ!」 |
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ああ‥‥さすが辣腕プロデューサー。 そこは思いつかないよね‥‥。 |
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すぐに千葉くんの事務所に問い合わせたところ、 事務所の方が企画に賛同してくれただけでなく、 ドラマが終わったばかりで あの人気者のスケジュールが 奇跡的に1週間、空いていたんです! 武井さん、千葉くんってご存知でしたか。 |
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すまん、まったく知らなかった‥‥。 それにしてもそんな経緯だったとは。 それであれよあれよという間に行くことになったと。 |
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そういうことです。 そして収録がスタートしたわけですが、 「そもそも」の部分で話が長くなりましたね、 すみません。 でももうちょっとしゃべりましょう! |
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ハイ、また来週、放映前に詳しくおしらせします! |