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もしお父さんが
プロレスラーだったらどんな気持ち? |
隆之介 |
ぼくは、映画の一雄とはちがって、
すごくうれしいと思う。
別に悪役やっててもいいよ。
きっと、肩車してくれたり、
遊んだりしてくれるよね。
ぼくのパパは、
キャッチボールやろうって言っても
30分くらいでやめちゃうんだ。 |
── |
でも、30分やってくれれば
それで充分じゃない? |
隆之介 |
ううん、まだまだ軽い軽い! |
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── |
「お父さんのバックドロップ」の一雄くんって
隆之介くんとはまたちがう
キャラクターでしょう?
あの子になるのは難しくなかった? |
隆之介 |
ぜんぜん、ぜんぜん
難しくなかったです。 |
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── |
あのクールめの一雄くんに
すぐなれちゃうんだ。 |
隆之介 |
うん。 |
── |
ああいうふうにお父さんに
思いっきり何かを言ったことは? |
隆之介 |
ドカーンとは、ないなー。
ふつうに話すだけ。
でも趣味がちがうから
話があわないんだよねー。
パパは車のモーターとか
サーフィンやテニスが好きで、
ぼくは電車だから。 |
── |
パパの趣味をよく知ってるな‥‥。
映画で、洗濯のシーンがあったでしょう?
すごく上手だったけど、
ふだんも手伝ってるの? |
隆之介 |
ううん、やったことない。
洗濯物のたたみ方は、
ママに教えてもらったことがあるけど
3分で忘れちゃった。へへへ。
お手伝いは、食器洗いくらいしかしないよ。 |
── |
お茶碗、洗うんだ? |
隆之介 |
うん、ママにかくれて、食器洗いする。
「ふ〜(できたー)」
それにママが気づいて
「えー!」って言う。 |
── |
びっくりさせたいんだ、ママを。 |
隆之介 |
うん。 |
── |
そうしたら、喜ぶ? ママは。 |
隆之介 |
うん、喜ぶ。 |
── |
喜ぶだろうなあ‥‥。
いいなあ、ママ。
隆之介くんが
映画のなかで心に残ってるシーンは? |
隆之介 |
最後。
焼き肉屋さんの最後のシーン。 |
── |
即答したね。
あそこでたしか、一雄くんはお父さんに、 |
隆之介 |
お粥を食べさせてあげるんです。
そこではじめてお父さんを
ちょっと尊敬したみたいな気持ちになれた。 |
── |
一雄くんのいちばんうれしいシーンが
隆之介くんにとってのいちばん
思い出に残るシーンなんだね。
すごいなあ、それは! |