BOOMERANG
ブーメランのある暮らし。

第9回 ブーメランへの誤解

毎度! トギーだぞ!
今回の話は、「誤解」について。

いきなりですが、下記の文章の中に誤解があるのだ。
考えてみてください。

『ブーメランはオーストラリアで作られた、
 「へ」の字型をした木製の狩猟用道具で、
 投げると戻ってくる』。

どうでしょうか?
大半の人はブーメランに対して、
こういったイメージを持ってると思うのねん。
ところがどっこい、いろいろ違うのだ。

●オーストラリアで作られた
ブーメランは世界各国から見つかってるのだ。
例えば、コロンビア、インド、北ヨーロッパなど。
有名な話では、ツタンカーメン王の墓からも、
装飾されたブーメランが見つかっているのねん。

●「へ」の字型
戻ってくることと、同じぐらい有名なこの形。
でも「へ」の字だけではないのだ。
最近は3枚翼が主流なんだけど、
形はあってないようなもの。
例えば、ダーリンこと糸井さんの「井」も、
ちゃんと戻ってくる。
要は○以外で、風を切る部分があればOKなのだ。

●木製
もちろん昔使われていたブーメランは木製だったけど、
競技では大半がプラスチック製。
コンピュータ内部の基盤にも使われている
「ベークライト」という、材質なんかが主流。
極めつけは度々このコラムでも登場している紙製のもの。
ただの厚紙でもOKだし、
牛乳パックなんかでも作れるのだ。

●狩猟道具
狩猟用道具だけじゃなくて、
お祭りなんかにも使われたみたい。
2本で叩いて楽器のようにしてみたり、
儀式のシンボルにしたり。
先に大きな葉っぱをつけて傘代わりにしたという話も
聞いたことあるのだ。

●投げると戻ってくる
今でこそ、戻ってくるのが当たり前と思われているけど、
オーストラリアの先住民が使っていた物は、
あまり戻らないのだ。
そもそもブーメランは風向きを間違えると
戻ってこないので、
「鳥に当たらなかったから戻ってきた」なんてのは、
迷信に近いのだ。
結局は戻る物もあれば、戻らない物もあるということ。

どうですか?
ブーメランと言っても、いろいろ誤解とか勘違いが
あったのではないでしょうか?
最後にトギーが受けた最高の誤解を紹介しておくのねん。
「トギーさんは、ブーメランで狩猟をして
 生活されてるんですよね。
 自給自足って、いいですね」。

……。
「そんなやつ、日本におるわけないやろ!」
ということで、今回は誤解だらけのお話でした。

1999-10-05-TUE

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