BOOMERANG
ブーメランのある暮らし。

第30回 なぜ戻ってこないのか?

毎度!
トギーでございます。
「ブーメランのある暮らし」も30回目ということで、
今回はちょっと知的に
「ブーメランの弱点」をお送りします。

世の中でブーメランを知らない人は、ほとんどいません。
でも、それと同じぐらい、
投げて戻したことがある人もいないのだ。
トギーがお会いしてきた人たちも、
ほとんどがそうでした。
では、なぜブーメランは戻ってこないのでしょう?

そもそもブーメランは、狩猟用の道具です。
でも、日本ではおそらく存在していなかったと思います。
日本の歴史にない物が、ここまで知名度をもったのは、
テレビなどのメディアの影響力でしょう。
横道にそれますが、
ちょっと過去にどんな物があったのか、見てみるのだ。

●テレビ部門は
「ゴレンジャー」(戦隊もの)
 緑レンジャーの顔がブーメランの形でした。
「俺達は天使だ」(ドラマ)
 主人公が、大きなブーメランを背負ってました。

●映画部門は
「マッドマックス2」
 戻ってきたブーメランで、指が飛んでました。
「おしゃれ泥棒」
 十字型のブーメランが飛びました。

●歌謡曲部門は
「ブーメラン・ストリート」(西城秀樹さん)
 あの振り付けは、みんなやってました。
「ブーメラン・ベイビー」(加山雄三さん)
 トギーはこの歌、知らないです。

●ゲーム部門は
「ゼルダの伝説シリーズ」
 ブーメランを当てて、敵の動きを止めてました。
「ドラゴンクエストシリーズ」
 複数の敵に一気にダメージを与えてました。
「ポケモン」
 カラカラがホネブーメランを投げます。

ざっと挙げただけで、これだけあるのだ。
トギーは、ゴレンジャーの再放送で
ブーメランを知ったと思います。
みなさんも、こんな感じでしょうか?

ではでは本題に戻ります。
ブーメランなぜ戻ってこないのか?
トギーは講習会などでいろんな人に会いますが、
そこでよく聞くのが
「昔(子供の頃)、投げたことがあるけど、
 戻ってこなかった」
というセリフなのだ。
そういう人達が、トギーが投げるのを見て、
口を揃えて言う言葉があります。
「えっ! そう投げるんですか?」。
そうなのだ!
ブーメランは『縦』にして投げないと戻らないのだ。

そもそも人は「平らな物」を縦に投げる習慣がない。
たとえばノートや書類などを人に渡す時、
縦にして渡す人はいない。
むろん、平らな物を縦になんて、投げないのだ。
でも野球のボールのような立体的な物を投げる時、
人は腕を上から下に振り降ろして、縦に投げる。
立体は縦、平面は横。
この先入観こそがブーメランの弱点なのだ。
ブーメランそのものではなく、
人の意識のなかにブーメランの弱点があったのでした。

いやはや、習慣が弱点とは、敵が大きすぎる……。
みなさん、ブーメランの普及のために、
これからは「平らな物は縦に渡す」
ということでお願いいたします(笑)。
ということで、今回は、
縦だの、横だの、のお話でした。

トギー(栂井靖弘)

2000-07-29-SAT

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