第35回 サンタからブーメラン?
&今世紀最後のリターン
メリクリ! and マイドー!ってことで、
今回は豪華(?)2本立て。
サンタの話とファイナルリターンの話。
今年は、ほんと講習会が多かったのだ。
その数なんと17カ所。
延べ2000名以上の人にブーメランを伝授しちゃいました。
そんな中、印象に残った2つの講習会を紹介します。
まずは、地元大阪で行なった講習会。
知り合いの依頼だったので気軽に受けて、
いつもの調子で会場に行ったらビックリ。
なんと「教育講演」と銘打たれていて、
テーマは「ブーメランから見た世界」。
おふざけ専門のトギーに、
そんなまじめな話が出来るんかいな! と心配していたら、
いつも通りの紙ブーメラン講習会でひと安心。
でも、参加人数が、
おじいちゃんから幼稚園児まで約200名。
てんやわんやでスタートしたのだ。
色を塗ってから厚紙を切ってもらい、
その後トギーの所にもってきてもらい、
投げてちゃんと戻るようにチューニングするんだけど、
数が数だけに気が付いたら長蛇の列。
「どないしよう……」と思っていたら、さすが地元。
トギーの教え子たちが助っ人で登場してくれたのだ。
みんなチューニング方法をマスターしていて、
もはや指導者。
確実にブーメランが広がっていることを実感したのだ。
ほんと助かって、おおきにでした。
舞台を運動場に移して、トギーのデモンストレーション。
初めて見るスポーツブーメランにみんな驚いてくれたのだ。
講習会終了後、ブーメランがたくさん入ったバッグを
子供たちに見せていたら、その中の一人の幼稚園児が、
トギーのブーメランが欲しいと言ってきたのだ。
もちろん、一人にプレゼントしちゃうと、
みんなにプレゼントしないといけなくなるので、
「ごめんね。大事なブーメランやから、あげられへんねん」
と言ったら、残念そうな表情をして、こう言ったのだ。
「ねぇ、お兄ちゃん。サンタさんにお願いしたら、
ブーメランもらえるかな?」
トギーは感激のあまりウルウルしちゃいました。
なんてかわいい子なんでしょう。
トギーもいつかサンタに変身して、
子供達にブーメランをプレゼントするぞ!
と本気で思っちゃいました。
待っててやー、子供達!
もう1つは、兵庫県伊丹市で行なった講習会。
20世紀最後となる講習会は、
熱烈な歓迎ぶりと、子供たちの元気の良さで、
トギーもすっかりハイテンション。
その勢いのまま、紙ブーメランを指導。
そしてグラウンドでのデモンストレーションへ突入。
見たところ、ちょいと狭いグラウンド。
何投かして、子供たちのテンションも頂点に達した頃、
20世紀最後のスローを決めたのだ。
それは見た目も派手なダブリング(2枚同時投げ)。
気合いを入れて投げたら、とどろく歓声。
そして、トギーの心に響き渡った悲鳴。
なんと2枚のブーメランは鮮やかに上昇し、
グラウンドのネットを飛び越え、
民家の方に飛んでいってしまったのだ。
ああ……!
めちゃくちゃお気に入りで、
試合でもずっと使っている最愛のブーメランが……。
心の動揺を押し殺し、ひとまず平穏に講習会は終了……、
と思ったら、子供達は大パニック。
「あのブーメランはどうなるのか!?」
と心配してくれたのだ。
で、講習会担当の方と一緒に、大捕物がスタート。
まず1本は、2階建てのアパートの雨よけに、
引っかかっていたのだ。
アパート正面にあるお宅のおばさんを捕まえ、
2階から取らせていただくことをお願い。
家にあげてもらい、2階のバルコニーから、
伸ばした釣り竿でブーメランをゲット。
とりあえず1本目の救出に成功したのだ。
さてさて、1本目がここなら2本目も近いぞと思い、
おばさんちの裏のお宅にも侵入(もちろんお願いして)。
2階バルコニーから、隣の家の屋根上にあった
もう1本のブーメランを発見。
しかし、さっきよりもかなり距離がある。
それでもあきらめず、釣り竿をガムテープで継ぎ足し、
なんとかゲット。
思わず、講習会担当の方と握手。
お邪魔したお宅のご夫妻とも握手。
いやはや、いろいろあった20世紀の最後のスローが、
何人もの協力によって「戻ってきた」ってことに、
思わず心が熱くなったのだ。
Many Happy Returns.
21世紀は、この言葉とともに、
もっともっとブーメランを伝授していくのだー!
というわけで、どたばたトギーも今世紀の最後に、
ちょっとだけカッコつけてみました。
ではでは、また来年。
トギー(栂井靖弘)
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