第69回 相性
ハロハロ!トギーなのだ。
今回は、ブーメランとの相性のお話。
ブーメランは他のスポーツと比べて、
かなり違う点があります。
それは、道具を自分で作るところなのだ。
他のスポーツにもあるとは思うんだけど、
依存度はかなり大きいです。
競技会では、自作ブーメランで参加している人が大半。
競技用ブーメランは、木の合板やプラスチック、
カーボンなんかで製作することが多いです。
また、市販品を改造することもしばしば。
ちなみに材質は、鉄系以外ならOK。
ではでは、一般的な製作の流れを書いてみるのだ。
厚さ1.5mmから4mmぐらいの板を買ってきて、
ブーメランの形を板に書き写します。
そして電動ノコなどで切り出し、
ヤスリで削って原型を作ります。
ここまでは、運転免許教習所でいうなら
仮免といったところ。
ここから先は“路上”ならぬ“空中”です。
実際に飛行テストを繰り返しながらチューニング。
投げてみて、うまく戻らない場合は、
その場で削り込みます。
また、距離や飛行の安定感を調整するため、
板おもりを貼り付けたりします。
さらに、飛行高度を調整するために、
ブーメランの翼を削ったりねじったり。
その後も、穴を開けたり、輪ゴムを巻いたり、
ビニールテープで抵抗をつけたりします。
そうやって、ブーメランが戻ってくる時の
スピードまで調整するのだ。
最後にカラースプレーなどで色を塗って仕上げ。
こんなことを幾度と繰り返して、
フィーリングの合うブーメランを作っていきます。
とは言っても、
自分が気に入る飛びをするブーメランは、
ほんの少ししかできないんですけどね。
丹精込めて作っても、
なかなか期待に応えてくれません。
トギーも数百本ほど裏切られました。
ところが、ここからが面白い。
その自分と合わなかったブーメランを、
他のプレイヤーに投げてもらったら、
バッチリうまく戻ることがあるのだ。
それを見て、慌てて返してもらい、
再び投げてみると、、、
やっぱりダメ。
ブーメランには特性があって、
プレイヤーごとの肩の強さ、回転の与え方、
投げる高さや傾きの角度などの違いによって、
同じブーメランでも飛び方がまったく違ってくるのだ。
要は相性があるんです。
ブーメランの製作は、この相性をどれだけうまく
合わせられるかが最大のポイント。
かっこよく言うと、
いかにブーメランを育てられるかなのだ。
やはり、こういったことって経験なんですよね。
ベテランになるほど、ハズレが少なくなります。
そうそう、こんなこともありました。
昔うまく戻らなかったブーメランを、
数年ぶりに投げてみたら驚くほど戻ってくる。
数年のうちに投げ方が変わり、相性が良くなったのだ。
逆に、お気に入りだったブーメランが
投げ方の変化によって合わなくなることも・・・。
他のスポーツにも道具との相性はあると思うんだけど、
ブーメランはかなり顕著にそれがあるのだ。
なかなか、相思相愛とはいきません・・・。
そこがまた、面白味でもあるんですけどね。
ってことで、今回は相性のお話でした。
今年も作りまくるぞ!
トギー(栂井靖弘)
KBN(関西ブーメランネットワーク)
http://www.kbn3.com
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