坊さん。 57番札所24歳住職7転8起の日々。 |
第27回 栄福寺のゆかいな動物たち ほぼにちは。 ミッセイです。 お寺に動物を捨てる人はとても多いです。 「お寺さんで、かわいがってもらいなさい。」 って思うんだろうか。 やめてください。 僕だって犬も猫も飼ってもらえないんだから。 犬はお遍路さんを噛む恐れがあるし、 猫は台所をあさるし、ロウソクが危ないから。 というのが一応の「公式見解」なんですが 昔、栄福寺には 「ユニ(ユニヴァースが由来)」という犬や 「レオ(ウルトラマン?)」というシャム猫がいた (らしい)から 要は僕の管理能力が問われているようであります。 あぁ。 コマ柴とアメリカン・ショートヘアーが飼いたい! でも僕は今まで一度も犬も猫も飼ったことがないので 高校の時、犬にすごまれて 「ご、ご、ご、ごめん!」 とつぶやいたことがあります。(しかも自転車から) あれは相当に情けなかったです。 今までお寺に捨てていた動物で一番びっくりしたのは 「木箱に入ったチャボ(黒っぽいニワトリみたいな感じ)」 です。しかも4匹ぐらい。 それを、しょうがなくばあちゃんが運んでいたら 「チャ〜ンス」 と言わんばかりに、山から、 ハクビシン (白鼻心、タヌキみたい、でもジャコウネコ科)が 襲ってきてばあちゃんから、チャボを奪い取り ムシャムシャ食べてしまいました。 昔、林を歩いてたら ハクビシンが木に吊されていて 観察してたら 「持って帰ってお母さんに、さばいてもらいなさい。」 って言われましたが、怒られそうなんで、 断った記憶もあります。 10年ぐらい飼っていて、 じいちゃんが亡くなる何日か前に亡くなったリスも 畑でじいちゃんが、捕まえました。 果物をやると、もだえながら喜ぶ、ヘンな奴だった。 ところでみなさん、毒ヘビを見たらどうしますか? 逃げますよね。ふつう。 この辺の人はね、 「追いかける」 「ハメ(マムシのこと)焼酎」を作る為なんですが (危ないっていう意味もあるのかな。“駆除”ですかね。) これは、転校してきた頃はかなり、びっくりしました。 ガンの宣告を受けて入院していたじいちゃんが 週に一度、お寺に帰ってきていました。 僕が本堂でお経の練習をしていたら 「おーい、おーい」 って声が裏から聞こえるんです。 「高校の野球部かなぁ、うっさいなぁ。」 と思って何分か、ほっておいたんですが ずーっと「おーいっ、おーいっ、おーい。」 なんなんだよぉ、と思いながら近づいてみると じ、じ、じ、じいちゃんの声じゃないか! 「どしたんで!(どうしたの!)じいちゃん?」(大声) 「あゆむ?おかあさん、呼んでこい!」(絶叫) 「どしたんだよ?大丈夫ぶなん!?」(悲鳴) 「いいから、カーさん、呼んでこい!」(超絶叫) というわけで、 お墓を掃除をしていた母親の所まで猛ダッシュ! 「お、お母さん、じいちゃん、が、 大声でお母さんを呼んでこいって!」 「ああ、ひばしを、2本、持って行きなさい。 それと一升瓶。」 「どして?」 「いっしょに、来なさい、もぉ。」 母親の予想通り、じいちゃんは、お堂の裏で “ハメ”を木の棒で押さえていて (なんで、瞬時にわかったんだろう、謎だ。) 僕から見れば手品のような共同作業で 一升瓶に納められました。 「なんで、じいちゃん、僕、呼ばんかったん? (呼ばなかったの?)」 「あゆむだったら、ハメが首を伸ばしたら びっくりして、手を離すじゃろ。 それが一番危ないんよ。慣れてるかーさんじゃないと。」 ハメを捕まえた末期ガンの人っても 珍しいだろうね。かなり。 今頃、あの世の、仲間達を相手に、大演説に違いない! 「ところがぁ!! ワタクシの孫というのが、 類を見ない、おっちょこちょい、で、ございましてぇー オホン。」 父親は僕が子供の頃、一緒に つくしを取っていて、自慢の足を活かして 捕獲に成功したものの、それが 「青大将」だったことがありました。(帰宅後判明) 見分ける方法は “まだら”の模様と“尖った”頭であります。 みんなも、捕獲してみて下さい。 血清の在庫確認もお忘れなくね。 ミッセイ |
2002-02-10-SUN
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