坊さん。
57番札所24歳住職7転8起の日々。

第47回 坊さんとインターネット

新聞にこんな坊さん記事が出てましたよ。

「パソコン世代 上手に書いた」

ということで
奈良のお坊さんが宗派を越えて
書道を学ぶ会に通っているらしいです。

職業柄、字がうまいと思われてるので
なかなか一般の書道教室には通いにくいらしい。
30歳前後が中心で
普段はパソコンを愛用している人が
ほとんどということです。

でも掲載されてる写真で見ると
みなさん、すごい、うまいなぁ。いいなぁ。

さすが坊さん!

僕も、がんばらなければ。

でもこの記事が面白いのは
内容よりも写真なんです。

僕が坊さんだからかもしれないけど
一人一人の声が聞こえてくるようです。

「おまえ、うまいじゃん!」

「いや、いや、ここ、ミスったんだって。」

「帰りたい・・・」

「この後、どうします?」

「うしろ、うるさいなぁ。」

ホントいい写真だなぁ。

パソコン愛用者ということだから
この文章読んでるかもしれない。

これからも御指導下さい!!

今日はこのへんで

また明日・・・・・・


じゃなかった!

ほぼにちは!!

密成です。

本山から「IT調査」の依頼が来たり
(どのようにパソコンを活用しているか?
 本山にどのようなサービスを求めるのか?
 のアンケート)

NTTに委託していた
栄福寺のホームページの
契約更新の確認の電話がかかってきたり
(委託しているのを、その時初めて知った。
 いずれ自分で作ります。)

そういう時代の流れは
もちろんお寺にもやって来ています。

ちなみに僕がインターネットを始めたのは
「村上朝日堂」という村上春樹さんのホームページ
を読みたかったからです。4年ぐらい前かな?

マックの本体を買った時は
「アートスクール」というお絵かきソフトと
入力用のタブレットを先に購入してました。

なにかを始める“動機”が“欲求”の時
人は“いい出会い”ができるんだろうね。

お寺とインターネットを考える時
僕が思い浮かべる既存のネットワークは
「檀家制度」だったりします。

この「檀家制度」という、しくみの発生を
その起源を元に非難するのは、わりに簡単です。

「江戸時代の封建社会における
 為政者が民衆のコントロールのために
 構築した。」

という展開ですね。

でもね

今、仕事からも
肩書きからも、ほとんど自由な
既存のネットワークって
なかなかないと思うんです。

そういうポジティブな所に
目を向けると
檀家制度っていう既存のシステムって
結構、貴重だし
インターネットっていう
わりに新しいメディアが出会うと
楽しいことになる可能性もあると思うんです。

ありふれた事からでいいと思います。

「・・・さんちに赤ちゃんが生まれました。
 命名者でもある住職が初孫の誕生を喜ぶおばあちゃんに
 インタビューします。」

お祝いメールがたくさん届く。

極論すればそれからだって、いい気がしてます。

“場所”を作るのはお寺である必然はないけれど
お寺であっても、いいと思います。

僕がそう思ったのは
最近、家族でプレゼントしたバイオで
ばあちゃんがインターネットを
使いこなしているのを見てからです。

考えてみると
インターネットって
ホント高齢者にぴったりです。

交通手段や体力のない人でも
アイデアだけで
いろんな人と考えや心をシェアできるんだもん。

ガンで昨年じいちゃんを亡くしたばあちゃんは
昨日、ガンジーさんの娘さんの文章を初めて読んで
涙が止まらなかったそうです。

それは、つらくて泣いたんじゃないよね。
解りすぎるから、泣いちゃったんだろうね。

それは、きっといい事なんだろうな。

文章を読まない、書かないはずの人達が
自分の言葉を送信し始めたのも
素敵なことです。

じいちゃんが亡くなった後
僕の携帯はいくつかメールを受信しました。

「あんまり難しい言葉、知らないから。
 今日、親父から聞いて、すごい残念です。
 また、これから アユムも大変やと思うけど
 手伝えることがあったら、
 なんでも、言ってください、本当に。
 じゃー おやすみ。」

これは先輩で親友の高知の坊さんからです。

「聞きました。大変でしたね。
 頭も丸めたらしいね。(ハートマーク)
 一度、暇を見つけて見せに来てね。
 忙しいだろうけど、忘年会か新年会、
 しましょ!!また。」

これは勤務していた書店の
アルバイトのおねえさんから。

よく携帯メールを打っている姿を
不快に感じるという投書なんかを見かけますが
僕は、この今までなら
“発せられなかったはず”のメッセージを
受け取ったことをうれしく思うし
そのメディアの存在する時代に
生まれたことを幸運だと思います。

実は速度環境が整えば
僕がやりたいことがもう一つあって
それは「勤行ライブ中継」です。

イトイさんが毎日やってる
「今日のダーリン」みたいに
ほぼ毎日、坊さんのお経と話が聴ける。
全国の仲間と当番制にしてもいいね。

寝たきりの人とか
朝まで残業した人とか
海外勤務の人が

同じ時間、同じ場所に集まってね。

「言うは易し」だけど
やってみたいことは
言ってしまうべし、と、最近思っております。

ミッセイ

2002-04-07-SUN

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