坊さん。
57番札所24歳住職7転8起の日々。

第66回 0.1ミリのバリカンを使ってみた。


ほぼにちは。

密成です。

この連載の最初のほうに書いた、
僕が初めて行ったお葬式の
一周忌に行ってきました。

もう一年か・・・。
いろんなことがあったなぁ。

お経の後、
自分にとって初めてのお葬式で、
僕が僧侶としての決意を
強く持ったことを、話しました。

そして、たくさんのほぼ日読者の人が、
田舎のお葬式を気に入ってくれたことを、
みんなに紹介しました。

何年経っても、愛する人との別れというのは、
つらく、悲しいものです。

僕は「会者定離」(えしゃじょうり)
のことを話しました。

大乗涅槃経や遺教経というお経に
でてくる精神で、

「出会った人とは、必ず別れなければならない。」

という意味です。

「お父さんとも、お母さんとも、奥さんとも、
 彼女とも、彼氏とも、友達とも、
 いつか別れなければ、いけませんよね。」

当たり前のことだけど、
当たり前のことは、
時々、思い出さないと、忘れてしまいます。

僕もそうだから、仏教の知恵を借りて、
みんなで、思い出してみました。

会者定離だからこそ、
いろんな事が、
愛おしく思えるし、後悔したくないね。

そんな話をしました。

とは言っても、毎日会っている人に、

「愛おしいわぁ。後悔しないように、愛しまくろう。」

とは、なかなか、思えないんですけどね。
でも、心のどこかに、
“その人との別れ”を意識するのは、
必要なことかもしれない。

ところで!

こちらも以前、書いた

「バリカン」買いましたよー。

僕の行っている散髪屋さんのバリカンでは、
一番短い1ミリで刈ってもらってたんですが、
今回買ったのは、0.1ミリで刈ることが出来ます。



で、やっぱり
家にいる方に刈ってもらうのが、
一番てっとりばやいので、
母親に刈ってもらってみたんですが、

刃を動かすごとに、
悲鳴を上げるぐらい、痛いんです。

思わず製造元のメーカーに電話してみました。

「バリカンが、こんな調子で、とても痛いんです。」

「ところで、あなたはプロですか?」

「えっ、バリカンのプロってなんですか?」

「いやっ、つまり、散髪屋さんですか?」

「いえいえ、坊さんです。」

「あー、なるほど。」

どうやら、かなりのプロ仕様商品に、
手を出してしまったようですね。
とりあえず、技術的な指導をしてもらいました。

しかし、電話を切って再開しても、
やっぱり痛い。

「もう無理。散髪屋さんに行ってきなさいよ。」

なんという非情なる通告。
すでに頭の右半分は見事に、つるっぱげ。
しかも、散髪屋さんのバリカンより
短く刈っているので、
続きを散髪屋さんにやってもらうと
「グラデーションヘアー」(1ミリから0.1ミリへの展開)
とかって、もっともらしい、題名をつけられた

“前衛的パフォーマンスアート作品”

みたいな髪型になってしまう。
そんなの、イヤだ。絶対いやだ。

ということで、
失礼を承知でバリカンを持参して、
散髪屋さんに行くことにしました。

でも、このヘアースタイルのまま、
状況を説明するのは、あまりにも間抜けすぎると思い
途中で車を停めて、電話で状況を説明しました。

「いいよ。バリカン持ってきて。」

しかし、さすがプロ!!
強く刃を頭にあてても、全然痛くないんだ。
じんわり“ぬくもり”が伝わって来る感じ。

ポイントは
1、刃を動かすスピードをゆっくり。
2、刃の角度を立てすぎない。
3、刈る前に髪を濡らす。

の3点だという事です。

自宅バリカン派の方はぜひ参考にしてください。

僕はこの方法で解決しました。

ミッセイ

2002-07-22-MON

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