坊さん。 57番札所24歳住職7転8起の日々。 |
第86回 法定スピードでカブは。 ほぼにちは。 ミッセイです。 題名に特に意味はありません。 『猛スピードで母は』(でしたっけ?) というのが、なんか頭から離れないんです。 読んでないし、買ってもないんですが。 表紙もすごかったなぁ。 僕の1月の重要な、仕事の1つに、 「お年始」というのが、あります。 これは、「挨拶まわり」のことで、 「今年もよろしくお願いしまーす。」 と、檀家の家を訪問して、まわるんです。 近い家はバイクで行こうと思って、 黄色いスーパーカブで疾走していたんですが、 途中でパンクしてしまいました。 車の中から見る、 “坊さんの派手なバイクが パンクしたという光景“ は、 かなり不思議な風景らしく、 若い人達は爆笑して仲間の頭を叩きまくったり、 (テンション高いなぁ。) 年輩の人は、 「新年早々、ヤなモンみたなぁ、ばあさん。」 みたいな顔をしていました。 みなさん、どうも、すいませんでした。 悪気はなかったと思います。たぶん。 「お年始」の大切な仕事の1つに、 今年、「法事」があたっている、 家に案内を渡す、というのもあります。 1周忌、3回忌、7回忌とかがある、 法事です。 あれは、 どうやってチェックしているかというと、 「過去帳」という亡くなった檀家さんの、 “データベース”のような存在のものがあって、 (えーっと、語弊があるかもしれませんが 正確な表現だと思います。) それを、ひとつ、ひとつ、めくっていって、 一人、一人、今年あたってないか、 チェックしていくのです。 栄福寺は檀家さんが少ないので、 この方法で、なんとかなりますが、 檀家が多いところは、どうしてるんだろう? あっ、 亡くなった“年”を基準にした 過去帳を作れば、すぐできるわぁ。 ・ ・・・作ろう。 過去帳ってだいたい 「家」で分かれてるんだよね。 ちなみに今年、 100回忌を迎える方の中には、 日露戦争で亡くなった人が、 何人かいらっしゃるみたいでした。 いつもながら、思いますが、 なかなかワイルドな時間軸で、 仕事を、させてもらってます。 というわけで、 バタバタした、 新年もなんとか過ぎて、 「ほぼ日手帳」の1月1日の欄に、 「今年のテーマ」みたいなのを、 いっぱい書きました。 仏教思想とは全く関係ないですし、 すごく個人的な目標ですが、 採用される方は、御自由に御シェアください。 料金は、郵便振り込みか、 ネットバンク“のみ”取り扱います。 (ウソですね、ええ。) では、一つ目。 「王様がここにいた。」 (KING IS ME) 大切なお客さんが来る予定があったら、 居心地がいいように、 必死で準備したり、 好きな人のために、 自分でもびっくりするぐらい、 がんばってしまったりする。 ってこと、結構ありますよね。 でも、自分のキングって、 やっぱ、自分でもあるよなぁ。 と考えたりしたわけです。 「自分を精一杯、もてなしてるかぁ?」 という自分への問いかけに、 ドキッとしたわけです。 楽がしたい、って訳でもなくて、 ちゃんと「よりよい方向」を、 自分のために(結果的に人のために) 頭を使うんだぜい! という目標です。 2こ目いきまーす。 「我と友になりたき我であれ」 すごいですね。恐いですか。 古い小学校の庭なんかに、 古い石塔があって、 そこに、 刻まれているのを、 暇な人は、イマジンしてください。 いろんな会議とか、 人が集まるところとかで、 いーっぱい話したくせに、 「今日はとことん話したい人、 いなかったなぁ。」 と、帰ることが、 僕は、はっきり言って多いです。 自分は棚に上げて言いますが。 でも、 その場所の僕は僕だったか? と思うんです。 喋ってる自分を想像すると、 自分の思っていることよりは、 相手の機嫌とか、性格に合わせて、 話してること多いなぁ、と思います。 もちろんテクニックとしては、 重要なんだけど、 “それだけ”だと、いかんと思った。 そして、驚愕の事実が判明しました。 「僕は、僕と話しても、(そういう場所で) 友達になりたいとは、 思わないだろうなぁ。」 ということです。 なんか、寂しかったです。 それなら、少しぐらい、嫌われても 自分の言葉で、 正直に話すことにしよう。 と静かに決心しました。 これは「ほぼ日」で、 僕が「正直に書いた話」に、 いっぱいの人から、 「それって、すっごい、わかる」 みたいな、 “本当に本当だと実感できる感情” を、たくさん、もらったから、 心から語ることのできる話だと思います。 「あっ、オレが100パーセント、 正直に話してもOKなんだぁ!」 という事を身をもって、僕は知りました。 そして、なんか、 ボディーブローのように、 今になって効いてきたようです。 ジワジワと。 ありがとう。そして、伝えます。 「どうやら、僕達は、正直に話しても、 大丈夫、みたいです。」 僕の目標だけというのも、 寂しいので、 弘法大師の言葉がのった、 以前、紹介した 「高野山大学学生手帳」から、 一言、挙げようと思ったんですが、 どうやら、僕、あれ、なくしたみたいです。 青春なんて、はかないもんですね。 ひろった方、おられましたら、さしあげます。 ミッセイ |
2003-01-13-MON
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