坊さん。 57番札所24歳住職7転8起の日々。 |
第98回 徳島のホテルで夢をみた。 ほぼにちは。 ミッセイです。 昨日は、徳島に 泊まりこみで、 “坊さんの坊さんによる” 祝賀会のようなものに、 参加してきました。 寝る前、 ひどく体がだるくて、 そういう時に、 よくあるんですが、 目が覚めるまで、 ずいぶん長い、 夢を見ました。 実際には、 どのくらいの時間、 夢を見ていたかは、 ちょっと、 わかんないですが。 夢の中で、 僕は長い間、眠っていて、 「ちょっと、寝すぎたなぁ。」 と、うたた寝しながら、 考えていました。 夢の中で。 でも、目を覚ました時、 僕達の街が、 爆撃機に空爆されていたのは、 わかっていました。 「みんなが、たいへんな時、寝すぎたなぁ。 これは、怒られるかもしれないぞ。」 と、栄福寺の納経所に行くと、 今まで、栄福寺で働いたことのない、 友達のお母さんが、 座っていました。 「お遍路さん、今日は2人しか来なかったよ。」 (戦争の時に、お遍路さんが、 お寺にくる方が、驚きだよ。) と思ったけど、 それは、言わずに、 「お母さんは?」 と聞きました。 「ケガで入院したよ。 3週間ぐらい、かかるみたい。」 (これは、 本当に大変な時に、 眠っていたものだなぁ。) と、考えながら、 「そういえば、在くん(僕の兄)は、 東京に住んでいるのに、 全然、連絡がないよね。 大丈夫だろうか?」 愛媛がコレなら、 東京は、もっとヒドイはずさ。 「一回、連絡すると、 毎回、連絡しないと、 いけないじゃない。 だから、しないのよ。 たぶん。」 「そうだね。そうかもしれない。」 と、答えながら、 僕は、そんな、話では、 とても、安心できない。 「在くんが死んだかもしれない!」 「在くんが死んだかもしれない!」 と、僕は、何度も思う。 他のことは、ちょっと、考えられない。 その時、納経所から 少し見える空から、 とても大きな、 爆撃機がみえる。 「爆撃した後の様子を、見に来たんだろうな。」 と、興奮も、脅えも、冷静さも、 なく、 ただ、ただ、普通に、そう思う。 (飛行機なのに、なんで、 音が全然、しないんだろう。 飛行船みたいだな。) と思う。 その時、在くんのことは、 少し、忘れていられる。 でも、ふと、我にかえって、 「お父さんと、ばあちゃんは、 どこに、行ったんだ?」 と、考える。 (そうか、死んじゃったんだ。 どうして、忘れて、いられたんだろう。 死んでしまった!!) と、思い出して、しまう。 そうだ。 死んでしまったんだ。 お父さん、死んでしまった!! 飛行機の後ろ姿を、観ながら、 「今治は、全部、焼けてしまったかな。 行ってみようかな。 危ないかな。」 と考える。 お母さんが、入院しているのは、 今治の病院だ。 眠りから、僕が、 目を覚ました時、 起きる、 ずいぶん前から、 それが、夢であることが、わかっていたな。 と考える。 でも、 夢でよかったな。 と、心から、思う。 夢で、よかった。 ホテルの冷蔵庫の、 商品を、 使わなくてもいいように、 昨日、コンビニで、買っておいた、 500ミリリットル、110円の、 ミネラルウォーターを、 少しずつ、口に含んで、 テレビのリモコンのスイッチを、 押した。 ミッセイ |
2003-03-26-WED
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