坊さん。 57番札所24歳住職7転8起の日々。 |
第104回 訂正とお詫びと、32の香湯 ほぼにちは。 ミッセイです。 とても、うれしいことに、 この『坊さん』は、 同業の先輩(つまり、坊さんですね。) の方も愛読してくださっている方が、 多く、いらっしゃいます。 (「実は、私も“坊さん”です。」 という報告メール待ってまーす。 彼氏とか、つきあってた人が坊さんでした。 ってメールも結構多いんだよなぁ。 どうして過去形が多いんだろう・・・。) 「ミッセイ君、この前の、いいねぇ。 実は、ウチの寺でもさぁ・・・。」 みたいな話を、よくします。 そして、 もうひとつのメリットというか、 “いいこと”として、 この方々は、 坊さん用語の強力な、 校正サポートメンバーでもあるんです。 この連載の、 編集を担当してくださっているのは、 木村“メリー”俊介さんなんですが、 彼と糸井“ダーリン”重里さんが、 「この回は後に、 まわした方がいいように感じました。 どう思われますか?」 とか、 「この文章の、この部分は、このままじゃ、 読者にうまく伝わらないんじゃないかな? このまま発表したければ、もちろんOKですが。」 みたいな、アドバイスをしてくださります。 (この文章自体はミッセイが、作文しました。 “例えば”こんな“感じ”です。) しかし“仏教用語” その中でも、特に特殊な“坊さん用語”は、 “間違い”が解りづらいので、 ちょっと、信じにくいかもしれませんが、 実は何冊もの辞書を机に並べて、 この連載は、 ほぼ慎重に書かれています。 やや、ホント、ホント。 坊さん用語って、 “ただの間違い”と区別がつきにくいんです。 かなり、連載初期ですが、 糸井さんも、 僕のイージーミスに対して、 このように、やんわり 指摘されています。
これは、「起床時間」を、 僕が、単に書き損じただけです。 (糸井さんが 今でも、こんな風に、 「編集者」としての、 実務の一部も、されているという事は、 “本気”という言葉を考える時に、 よく思い出すことです。) だから、坊さんチームの、 指摘はとても、ありがたいのです。 先日、高野山に出張に行った時、 泊まっていた宿坊で、 あるお坊さんが、 こんな指摘をしてくださりました。 「そういえば、白川君。(僕のこと) “ほぼ日”で、 “丁子湯”(ちょうじゆ)のこと、 “しょうぶ湯”って、 書いてなかった?フフフ。(ニヤリ)」 (まわりの坊さん、爆笑。) はいっ、皆さま。 赤鉛筆をご用意ください! 「第87回 僕は“チャンス”を持っている。」 の中での、
の「しょうぶ湯」を「ちょうじ湯」 に、ご訂正ください。すいませんでした。 (現在、ページのほうは修正されています。) 丁子は、常緑高木で、原産はモルッカ諸島。 つぼみを乾燥させて、 昔から生薬・香辛料に用います。 しかし、一番、勉強になるのは、 こういう時でさぁ。 (なぜか、開き直って生意気なミッセイ。) こういうお風呂を全般的に、 “香湯”(こうとう)と言うらしいのですが、 「金光明経」によると、 この沐浴(もくよく)用の香湯には、 32の種類があって、 丁子の他にも、 苜蓿香(まごやしこう、マメ科の植物)、 沈香(じんこう) 牛黄(ごおう、牛の内蔵にできる結石の一種。) 雄黄 (ゆうおう、 黄色い現在では“有害”とされる鉱物) なんかがあって、 その中には、 “しょうぶ”も含まれるようです。 でも、現在では丁子湯が一般的です。 ふーーーーん。 おもしろいね、なんか。 天然の温泉も僕は大好きだけど、 こういう “32の香湯”に入ることのできる お寺とかあったら、すごい、いいなぁ。 先輩っ! 誰か作ってくださいな。 漢方の勉強をされている人なんかにも、 研究テーマになるんじゃないかな? 「“金光明経”における32の香湯―実効と危険性―」 とか。 ぜひ、読みたい。 読者の方でそういう学生さん、いないかなぁ。 僕は、お世辞にも、 「勉強好き」ではないですが、 原稿を書く時に、 調べものをしたり、 お坊さんに話を聞きに行くのは、 とても好きです。 自分という“個人”が、 “したいこと”も大切だけど、 “伝えたい人がいる” “届けたい人がいる” というのも、同じぐらい、 というか、 「両方が、欠けることなく必要。」 なものですね。 わっ! 考えてみたら、 僕の夢って、ほとんど、 「これが届けたい」 って話だわ。 相手がいる。 たくさんいる。 “かなり自己中心的なタイプの人間” というのが、確固たる、 僕の自己理解なんだけどなぁ。 びっくりしたな、今。 おお! 結構、びっくりしてます、僕。 ミッセイ |
2003-04-13-SUN
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