| 第１２８回 ポップミュージックから教わった
たぶん、とても、大切なこと。
ほぼにちは。
ミッセイです。
僕の車のCDプレイヤーが、壊れました。
そういえば、
この前の法事の時、
若い檀家さんに、
お墓まで車で乗せてもらったんですが、
アップルのiPod
（という
ポータブルMP3プレイヤー。
小さな物体に何千曲もの音楽を、
詰め込めるという機械、です。）
を車に接続していて、
「この使い方は、便利だなー。」
と思いました。
僕は、油断すると、すぐに
車の中が、
“家出少年”みたいに、
CDでいっぱいになるし、
部屋で聴きたいCDが、
車の中にあって、
めんどくさい思いをすることも、
少なからずあるので、
向いてるかもしれない。
車の中で音楽を聴くのが、
好きな方は検討されると、
いいかもしれませんね。
僕も、iPod欲しいな。
音楽のかかっていない、
車の中で感じるのは、
「ずいぶん、
僕は、（自分の選んだ）
音楽を聴くのが、
好きなんだなぁ。」
ということです。
あらためて、思いました。
僕は、
決して“音楽マニア”じゃないから、
特に詳しいジャンルがあったり、
ほとんど誰も知らないバンドを、
聞いたりする訳じゃないけど、
本当に音楽が好きみたいです。
そして、
結果的に、
そのことから、
学んだ大切なことも、
少なくないと考えています。
その１つは、
「“途中提出”でも、いいこと。」
だと思うんです。
少し前に、
僕が、
とても好きなミュージシャンが、
以前に発表したアルバムを聴いていました。
最新作ではありません。
そのアルバムは、
現在の彼の作品よりも、
ヘビーで、
いくぶん荒っぽくて、
時に激しい怒りが、見え隠れします。
現在の彼の作品は、
もっとフレンドリーで、
あったかくて、
ハッピーです。
でも、僕は、以前の作品の中で、
彼が“途中提出”した感情が、
「商品」として「作品」として、
「物体」として、
提出されたことを、
うれしく思うし、
それを今、受け取って、
心の底から興奮しました。
とても、切実に。
「途中提出することの大切さ」
を、思いました。
「そんなの、あたりまえじゃん。」
「いっつも、途中提出ばっかりよ。」
そうかもしれない。
でもね。
僕達は、
どこか、
完璧主義者をきどって、
「まだまだ」の自分に躊躇して、
途中提出を拒むことが、
本当はよくある。
少なくても、僕はそうだ。
坊さんが関わる“宗教”は、
時に途中提出を好まない。
そこには、
明確な“答え”“結論”
めいたものが、
求められる。
ように、見える。
でも、多分そうじゃないみたい。
最近、わかった気がしてる。
宗教は、そもそも、
ハッピーを、
自分の脳味噌と身体と、
積み重なった「時間」でもって、
考えた人の、
“途中提出のかたまり”
なんだと思うんだ。
誤解を恐れながら、警戒しながら、
口を開きますが。
僕にも、誤解はあることを、
もちろん、
前提にしてね。
それは、
パーフェクトに見える、
時もあるだろう。
極上品もあるだろう。
でも、それが、
“途中提出”である、
ことには、変わりはないと思うんだ。
だから、好きなんだ。
そして、
自分が今、
途中提出を、ためらったとしたら。
たぶん、
いつか、
は、もう、こないんだ。
あなたも、僕も、
途中提出で、かまわない気がしてます。
そう、思わない？
僕は、そう思うよ。
僕は、住職という仕事をしながら、
自分がミュージシャンであることを、
よく、思い浮かべます。
ここだけの話。
そして、
「せっかく、
ステージに立ってる自分がいるんだから、
せめて、いい音を響かせたいし、
多くの人に聴いて欲しい。」
と、考えます。
そして、
そのポップな感情は、
結果的に、
いろんな人に、
いろんな意味での
「“おも、しろい”感じ」
を、もたらすとも、考えています。
光が遠くで光ったような。
光に包まれているような。
ポップミュージックは、
僕にいろんな事を、
教えてくれるけど、
いつもは、別に、
なんにも考えずに、
「好き、好きじゃない。」
で、聴いています。
「嫌われることも、当然ある。」
ってのも、送り手としては、
わりと重要ですね。
「どっちでもない。」
というのは、絶対、聴かないしね。
「個性的なら、いい。」
なんて、ありえない。論外。
“受け手の自分”は、厳しいよなぁ。
最近、胸が少し苦しいことが、
たまに、あったりするけれど、
それを含めて、なんだか、
ちょっと、いい気分。
大事な、
波が来そうな気がしてるんだ。
ミッセイ |
