坊さん。
57番札所24歳住職7転8起の日々。

第203回 
ラダックへ!
(ラダック到着、アルチ地方へ。)


ほぼにちは。

ミッセイです。

いよいよ、
インドのデリーに着いた僕達は、
インドの国内線で、
目的地のラダックへ向かいました。

ちなみにインドの国内線は、
すごく荷物検査が厳しくて、
電池の入っているカメラとかは、
手荷物で持つことが出来ません。
(テロ防止なんだと思う。
 ちなみにホッカイロも駄目でした。)

もちろん、
たくさんの国境線を抱える、
ラダック地方だから、
ということもあるのでしょうけれど。

というわけで、
デリーから1時間ぐらいかけて、
いよいよラダックの空港に到着!

今から、
中心地の「レー」という街を経由して、

「まずは宝の山に行ってみましょう。」

というリーダーの先生の声と共に、
レーから約70キロの場所にある、
「アルチ」という村に向かいます。

トヨタ製の小型4WDに4人ずつ、
分乗して出発したのですが、

風景は、
ほとんど緑が存在しない
岩の砂漠と、
四方の空には高く大きなベージュ色の山々。

「遠くに来たのだなぁ。」

と思わざるを得ないような風景でした。





それでも、
なにもない場所から、
どこからともなく子供達が顔を見せて、
異国の民の僕達に、
手を振ってくれます。



途中、
この乾燥した土地に、
数少ない潤いを与えるインダス川と、
ザンスカール川が合流する地点を通りました。



二つの川の水の色が全然違うんですね。



とにもかくにも、
本当に大きな、大きな風景です。

結構、
意外だったのが、
団体旅行なので、
わりとお気楽な旅を予想していたのですが、

行く道が思っていたよりも、
はるかに険しいオフロードコースなんです。

車の前はこんな感じで、



後ろもこういう感じです。



もちろん、
昔と比べれば、
かなり整備されたということですが、

それでも、
これはなんとなく、
うれしい誤算でした。

ところで、
僕の乗った車のドライバーは、
「ラダック語」(ラダッキー)と、
英語を話す若い「ワンギャロ」氏。



ラダックに生まれ育った彼は、
本当に道行く人のほとんどが知りあいで、

特に、
若い女の子は、
ほぼ例外なく知り合いのようでした。

たまに、
彼の知らない綺麗な女の子が道を歩いていると、
ほとんど車を止めて(!)
じーっと眺めていました。

でも本当にナイスガイの二児のパパでした。

同行の日本人の女性が、

「お宅のドライバー、
 野球の新庄さんにそっくりね。」

と言っていたので、
つたない英語で、

「日本の女の子が、
(本当はおばあさんだけど。)
 日本のプロ野球選手で、
 すごく人気のある、
 新庄って人に、
 あなたが似てるって騒いでたよ。」

と言ってみると、

「本当?
 じゃあ、僕のことはシンジョーって呼んでよ!」
ということだったので、

旅行中の彼のニックネームは、
“新庄”になりました。

この新庄さん、
実はとても信仰深い仏教徒のようで、

お寺に行くと、
五体投地をして何度も礼拝し、

家族も多いし、
経済的にそんなに楽じゃないと思うのだけど、

いろんなお寺で、
お布施(ふせ、仏様への寄付のお金)を渡していました。

こういう“生の風景”というのは、
なんかいいなぁ、
入ってくるなぁ、(自分の中に)と思いました。

彼の車のダッシュボードには、
最近亡くなった、
ラダックの民衆から、
尊敬を集めていたお坊さんの、
スノードームが置かれていたり、
(水面にカエルが浮かんでいる。)


わかりにくいですが、
スノードームのバックの絵が
お坊さんの肖像写真になってます。


バックミラーには、
彼の好きなお坊さんのブロマイド(?)
のようなものがお守りのように、
吊り下げられていました。



この時、
車内では、
今この辺りの若者が聴いているような、
はやりのポップソングが、
カーステレオから流れていたんですが、

なんだか、
そういうポップソングとかと、
いい意味で近い場所に、
仏教とかお坊さんが、
あるのかもしれないなぁ、
と僕は考えていました。
(もちろん宗教的な意味に加えて、
 という話だと思うのですけれど。)

「心に使えるものとして。」

「かっこいいものとして。」

「共鳴するものとして。」

「とにかく、なんか、
 好きなものとして。」

そういうエッセンスや香りみたいなものが、
仏教や坊さんの中にこれから、
作ってゆけるといいなぁ。

なんてことを、
考えながら、

サスポールの鉄橋を越えて、



“宝の山”
アルチゴンパ
(ゴンパはこの地方で“お寺”という意味。)に、
僕らは向かうのでした。



ミッセイ

お知らせ。
四国88カ所のお寺が88枚の切手になります。
原画の撮影は「坊さん」の文章の中でも、
何度か登場した三好和義さんです。

栄福寺は11月5日発売の第一集、
20ヶ寺の中に収録されます。
(紅葉が綺麗な秋の風景)

全国の郵便局でも、
通信販売の申し込みが出来るようですよ。

詳しくは、こちらまで。


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メールの表題に「ミッセイさんへ」と書いて、
postman@1101.comに送ってください。

2005-07-12-TUE
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