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私をリングサイドに連れてって。

おだ奮闘レポート(11月14日←日本時間:試合当日)

11月13日(土)
世界ヘビー級王座がひとつになる日

いよいよ試合日です。
世界ヘビー級の王座が7年ぶりに統一されるのです。
3月に同じ期待をもってニューヨークに行きましたが、
引き分けでした。
今回は引き分けはないでしょう。

会場のトーマス&マックセンターは1万8000人収容。
東京近辺だと、横浜アリーナとほぼ同等です。
普段はUNLV(ネバダ州立ラスベガス大)
のバスケットの会場として使用されています。

試合当日になると雰囲気があっという間に変わります。
VIPのリムジンが連なり、厳重な警備体制が敷かれ、
各国放送スタッフ、新聞記者等でごった返しになります。
チケットは最高2000ドルですでに売り切れ。
1500ドルが若干残っている、ということでした。
(ただし売り切れになったでしょう)
しかし、どんな人が買うのでしょうか?
この所のビックマッチで少々感覚が鈍っていますが、
個人で買うには非常に高価なものですよね。

私たちWOWOW放送席は前から2列目でした。
前がイギリスのTVで、元世界ヘビー級チャンピオン
フランク・ブルーノが解説していました。
サイズがでかいので、たまに視界を遮られました。
またデラ・ホーヤに勝った男、
フェリックス・トリニダードも右前で解説するなど
チャンピオンが特に多いのが特徴でした。

さて試合ですが、好ファイトでした。
大きくて重いパンチを持つルイスに
ホリフィールドがどうやって近づき、
パンチを浴びせるかが焦点でした。
フェイントか? スピードか? コンビネーションか?

試合展開は想像通り、ホリフィールドが
自分の距離にするための工夫を重ね、
ルイスは近づいたらカウンターを狙う
という形になりました。
7R、ホリフィールドがチャンスを作り、打ちますが、
終了間際ルイスの強烈アッパーを食らってしまいます。
結局これが、大きなダメージとなり反撃の芽も摘まれ、
3-0の判定で、ルイスが統一王者の称号を得ました。
やはり、196cmと右の強打のメリットを最大限に
活かしきったのが勝因でしょう。
ちなみに私は114-114で引き分けでした。
(ドローは無いと思いながらです・・・)

敗れはしましたが、強打に向かっていった
ホリフィールドの姿勢には強く感銘を受けました。
あれだけでかいルイスが狙っている中、
攻め込んでいく勇気はリアル・ディールそのものでした。
誰でもできることではありません。

37歳という年齢を考えると素晴らしいスピード、パワー、
スタミナを持っていました。
勝負の差は紙一重の距離だったのでしょう。
ほんの数センチでしょう。

9月、10月、11月という毎月の大型中継が終わり
ほっとするやら、悲しいやらです。
人間、色々な欲や希望が次々と湧いてきます。

今回の出張では、新年の特別番組用に
世界チャンピオンにもインタビューを行ないました。
昨日はWBC世界S.バンタム級チャンピオン
メキシコの若き帝王「エリック・モラレス」が
このためだけにメキシコから駆けつけてくれました。
調子はあまり良く無さそうでしたが、嫌な顔もせず
質問に答えてくれました。
月曜日か火曜日はIBF世界S.ウェルター級チャンピオン
フェルナンド・バルガスにインタビューの予定です。
ラスベガスから車で3時間あまりのカリフォルニア州
ビックベアでバルガスをキャッチする予定です。
まだまだ働きます。

2000年、世界ヘビー級はどうなっていくのか?
ルイスは長期政権を敷くことができるのか、
にかかっています。
どちらにしても中心には間違いありません。
そこにお騒がせタイソンがどう絡むか?
非常に楽しみです。

それにしてもホリフィールドよくやった。
あなたに、現代では風化しかけている「勇気」を
見せてもらった。
人間は意志が大切なんだ。改めて感じた。
ありがとう。

WOWOWスポーツ部
小田真幹

1999-11-16-TUE

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