BOXING
私をリングサイドに連れてって。

メジャーリーグのボールパークへ!!

いよいよワールドシリーズが始まります。
残念ながらイチロー選手のシアトルは敗退しました。
しかし今年日本のスポーツ界で話題になったのは
海外スポーツであるメジャーリーグでしょう。
茶の間のファンもそうではないでしょうか?

実際に球場(ボールパーク)に行ってみると
イチロー選手が見れなくても
メジャー球場とプレーは素晴らしいものです。

メジャーリーグの魅力は選手の能力も
当然ですが、球場の魅力も非常に大きな要因です。
特に自然的な要素を変えず、
選手でさえその形状や風には逆らえません。
そしてファンがただ楽しむ姿は
日本では決して体験できないといっていいでしょう。
自然、観衆、球場の作りなど全てにおいて
ゲートをくぐった瞬間から
あたかも魔法の世界へ導かれているような、
そして客全員を子供に戻してしまう、
そんなオーラを纏った特別な空間です。
観衆は球場と一体化して自分たち贔屓の
誇り高き選手を見守る、そんな場所なので、
楽しくて仕方ありません。

球場に入りまず驚くのは、その開放感です。
それはネットと呼ばれるものが全く無いからです。
TV中継でも分かりますが、
バックネット裏だけは危険なので、
ゲージが張られていますが、
それ以外は全く視界を遮るものがありません。
また、ファールゾーンが非常に狭く、膝下くらいの高さしか
フェンスがないので、金魚すくいのような感覚で
選手の細かな動きを見て感じ取れることができるのです。
試合前の練習等、選手との距離も非常に近く感じ、
あまりにも新鮮でずっと見てしまったくらいです。


投球練習もこんなに身近に

対照的に日本は全体に約3メートルほど
ネットを張り巡らし、ファウルゾーンも広いので、
現メッツのバレンタイン監督をして
「檻の中でプレーしているか、
 客を檻の中に入れているのか」
と嘆かせたほどの違いです。

球場の形も独特です。
ジャイアンツのパシフィック・ベルパークは
昨年4月にオープンしたメジャー最新の球場ですが、
日本の球場と違い左右非対称です。
ライトからセンターまでが
運河にせり出したように作られているため
ライトまでの距離が短く、
ライトからセンターまでのフェンスを
一度ほぼ直角に曲げて歪みを調整している不思議な形です。

ライトスタンドまでが309フィート(94.18m)
レフトスタンドまでが326フィート(99.36m)
と約5メートル短いのが特徴です。
ちなみにシアトルのセーフコ・フィールドは
ライトスタンドまでが331フィート(100.88m)
レフトスタンドまでが339フィート(103.32m)
と単純に比較すると、
サンフランシスコは狭めで攻撃的ダイナミズムが、
シアトルは広めで守備的ダイナミズムが楽しめる
球場といえるでしょう。

パシフィックベル・パークで有名なのが
「スプラッシュ・ヒット」と呼ばれる
海に飛び込むホームランです。
ライトスタンドが存在せず、通路になっているため
大きなホームランは海に飛び込むという
仕組みになっているのです。
バリー・ボンズの73本の大リーグ記録は
ライトまでが近いこの地元球場だからできたという記事も
シーズン中からありましたが、
本人は「じゃあキミがやってごらん」と
質問した記者を前に堂々とやり返しました。

そして目を奪われたのが、芝生の美しさです。
日本では人工芝が当然となってしまっていたので
忘れてしまっていましたが、
やはり芝生は自然の絨毯で綺麗です。
実際に見てみると深そうでもあり、
プレーする上でも微妙なイレギュラーや、
湿度や雨で濡れて滑ったりと目に見えない
いろいろな変化がありそうでした。



メジャー選手でも結構エラーが多くあります。
しかし、ピッチャーの球速も早く、打者のパワーもある、
当然打球の早さも早いメジャーの、
芝や土のいたずらの影響を
日本の人工芝野球と比べることは難しいと思います。
日本よりも短い反応時間でより的確な、
かつ広範囲を動こうとする、
想像を越えた集中力でプレーする姿が
目の前で感じることができるのです。
アメリカでは野手で堅守の人に対する尊敬は
かなり高いものです。

そんなことを考えて見ていると、強い打球や難しい打球を
処理するところが見たくもなってきたりします。
また、芝生のおかげでダイビングなどダイナミックな
プレーを見ることができ、良いプレーは敵味方関係なく
賞賛の拍手が出るのも本当に気持ちが良いものです。

やはり限りなく自然的な中で楽しむということが
現在の日本との一番の違いではないでしょうか?
もちろん一部、広島や地方の球場では
自然球場がありますし、
梅雨がある日本で予定をこなしていくには
ドームが最適という環境もあります。
しかし日本でも千葉ロッテスタジアムが
自然芝球場にするなど、原点回帰的な動きもあります。

その雰囲気の中で、大人も子供も楽しんで
応援する姿、そして対応する選手の姿も
非常に印象に残りました。

次回はその辺ついて書きたいと思います。

WOWOW 小田真幹


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2001-10-28-SUN

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