BOXING
私をリングサイドに連れてって。

デラ・ホーヤ衝撃のKO負け!!
最強ホプキンスに完敗!!



今年1番となるボクシング界のビックマッチ
4団体統一世界ミドル級タイトルマッチ
「オスカ・デラ・ホーヤ対バーナード・ホプキンス」
が、ラスベガスMGMグランドで開催された。

目を疑う光景は9R1分30秒過ぎに訪れた。
ロープ際でホプキンスの軽い左ジャブと
左ボディが当たったかに見え、しばらくした後、
デラ・ホーヤが苦悶の表情でマットにうずくまった。
レフリーはカウント10を数えそのまま試合終了。
あまりの幕切れに呆然としたファンも多かったはずだ。

6階級制覇したスーパースター、デラ・ホーヤ。
92年バルセロナ五輪でアメリカに唯一の金メダルを獲得。
プロ転向後はルエラス、チャベス、ウィテカー等の
強豪を破り世界の頂点に君臨した。
これまでの負けはトリニダード、モズリーに2回。
いずれも拮抗した内容で
それなりに満足するものではあった。
6月には6階級制覇を達成。
その勢いで臨んだホプキンス戦だった。

しかし今回は相手が悪すぎたといえる。
ホプキンスはIBFミドル級タイトルを18回も防衛している
クラス最強の王者。
単純にいえば上位から18人を破っている突出した存在だ。
黒人ということとその仇役のようなキャラクターが災いして
実力と人気がかけ離れたギャップのあるボクサーなのだ。
唯一ウィークポイントは来月40歳という年齢から来る
衰えだった。

デラ・ホーヤの試合運びはこうだったはずだ。
左ジャブとフットワークで翻弄し、ボディを叩き
39歳のホプキンスを疲弊させる。
しかし左ジャブが全く通用しない。
デラ・ホーヤの左ジャブにホプキンスは
お構いなしで右の強打を振り回し、
恐怖心を与え左手をガードに専念させてしまった。
こうなるとフットワークも下がるだけとなり
かえって危険となる。

じっくりと正面から向き合い隙を探したが、
体格からくるパワーの差は歴然。
ダンプカーと普通車の対峙は12Rまでもつ
ことはなかった。
ミドル級のウェイトは160lbs(72.57kg)。
デラ・ホーヤは94年に
S.フェザー級(130lbs、58.97kg)の王座を獲得した。
つまり10年間で30lbs(13.6kg)増やして来た。
ホプキンスは88年のデビュー戦79kgで戦い、
90年から14年間このミドル級のウェイトで戦い続けている。

複数階級制覇で一番の壁はクラスが上がる際のリスクだ。
自分の体重が増える一方、相手もパワー、体格、
体力が増え、苦戦が多くなる傾向がある。
今回はまさにその「差」がモロに出てしまった。
常に必死の形相のデラ・ホーヤと、
ガードを下げ誘うようにして
一発を虎視眈々と狙うホプキンス、
時に笑顔さえ浮かべるほど余裕があった。
しかしホプキンスも凄いボクサーだ。
39歳で体脂肪率なんと2%。

トリニダード、デラ・ホーヤという稀代の
スターボクサーをともにリングに屠り
屈辱のKO負けを味あわせた。


デラ・ホーヤ(左)ジャブが通じず
初のKO負け!!


デラ・ホーヤ35億円、ホプキンス16億円が
今回の両者の報酬だ。
これにPPVの配分がこれから上乗せされる。
チケットは約15万円。
メジャー年間最高額のアレックス・ロドリゲス
(ヤンキース)が22億円。
わずか30分弱でこの報酬も桁違いだ。

私は圧倒的不利なデラ・ホーヤを応援していたが
そうはいかないのがボクシング。
でも奇跡が起きるのもボクシングというスポーツ。
デラ・ホーヤは試合後、引退を口にしなかった。
10月にはライバル、トリニダードが復帰してくる。
ホプキンスはあと1、2試合で引退だろう。
それまでに新しいドラマと奇跡が起きることを
望んでいたい。


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2004-09-21-TUE

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