海馬。
頭は、もっといい感じで使える。

第11回 電波少年的放送局での会話より


みなさん、こんにちは!
『海馬』先行発売も、ほぼ終盤に入りました。
今日は速報的な特別メニューをお届けいたします。

「電波少年的放送局」に、『海馬』の池谷さんが
ゲストとして訪れた時のふたりの会話をご紹介です!

テレビの前で、
現在進行しつつある先行発売や
読者の反応について、
ふたりが率直に語っている内容を、
ぜひ、お読みくださいませ!!!


(※残部はもうわずかですが、ぜひ、
  こちらの限定先行発売のページにも、
  お寄りくださいね!!!)








<※5月24日の『電波少年的放送局』放送より>


糸井 こんにちはー。
おひさしぶりです!

池谷 おひさしぶりです!
おとといから先行発売がはじまった
『海馬』の売り上げ、すごいみたいですね。

糸井 すごいよね。
(※註:現在の『海馬』の注文は、
    5000冊ほどになっています)
もともと、先行発売でみんなの意見を聞いて、
売り方を考えようということだったんですが。
2000冊はいけるんじゃないかと思って
ドキドキしながら売りはじめたら・・・。

池谷 ぼくもはじめは、
「ほぼ日で2000冊」
って聞いてすごい多いなぁと思って、
何日かけて売るのかなぁと・・・。

糸井 そしたら、
一日も経たないうちに2000冊超えて。
ぼくら、あの本で対談している時から
そうだったけれども、やっぱりあれは、
人が求めている本だったんですよねぇ。
ぼくは、話をしながら、
「これ、人にわけてあげたいなぁ」
とずっと思っていたんですよ。

自分が聞きたいことでもありますし、
みんなも、こういうことが聞きたいだろうなぁ、
ということを混ぜていきましたし。

池谷 たしかに、ぼくも対談したあとに、
思わずすぐに友達に電話をして、
「こんなことを喋ったんだよー!」
って、すぐに言いたくなったんです。

糸井 そうだよねぇ。
本って、ジャケ買いされやすけれども、
インターネットなら、きちんと、
「この本で、君がこう飛べる」
と、きちんと説明できるんですよね。

・・・あ、テレビの前のみなさんは、
急に話しはじめたので
わからないと思いますので説明しますね。
『海馬』というタイトルの本を、
ずっと、この池谷さんと一緒に作ってたんです。
ぼくは主に聞き役で、生きている人が
どう考えているかの例を出す役だったんですね。
池谷さんは脳を研究している人です。

世間で考えている動きにあわせて
こういうことをわかりたいんだというぼくと、
研究室で、いちばん進んだところを
調べている池谷さんとがやりとりをすることで、
「脳を使う」ということをテーマにしたんです。

池谷 そうですね。
わたしが、脳の仕組みを調べている立場で、
脳の使い方に関しては、イトイさんは大先輩で。

糸井 「使ってこう失敗した」とかね(笑)
池谷 そのテーマをもとに、
わたしの持っている知識を生かせないかな、
と、ぼく自身にとっても非常に新鮮な対談で。

糸井 ふたりで話しあいながら作って
対談形式の本になったんですけれども、
対談に見えないんですよね、不思議に。
「ふたりで一緒にモノを作っている」
とでも言いたいようなつくりになりました。

池谷 ほんとにそうですね。
最初は暗中模索のところからはじめて、
だんだん、カタチが見えてくるという。

糸井 そういう本で、
タイトルは『海馬』っていいます。
海馬というのは、脳の中にある、
タツノオトシゴのようなかたちをした、
記憶をつかさどる部位なんです。

海馬だけのことを話しているわけじゃないけど、
「海馬」っていう言葉が妙に気にいったんです。
この言葉で、ぼくがピンと来た感じが
お客さんの中にもあるかなぁと考えて、
思いきって『海馬/脳は疲れない』と。

池谷 はじめてお話をうかがった時にも、
『海馬』というタイトルで本を作りたいと(笑)。

糸井 (笑)すごいよね。
ああいうやりかたって、あの本の中でも
語っているかもしれないけれども、よくやるんです。
「このタイトルの本だったら、
 中身はさぞかしおもしろいだろうなぁ」って。

池谷 なるほど。
糸井 そして、ぼくも含めて、
「そのタイトルだったら、
 おもしろいだろうなぁ」
と感じてくれた人たちにとっては、
内容は、どうだったらおもしろいのだろう?
そう考えていくんです。

クルマのデザインを描く時に、まず最初に
エンジンとかいろんな制約を考えずに、
「これがかっこいい」
とじゃんじゃん描いていくじゃないですか。
で、最高のものができたあとで、
「じゃ、これを作るためには・・・」
というのは、あとで考えるという。
それに似ているね。

池谷 まさにそういう対談でしたね。
糸井 脳を「使う」という発想がまずあって、
そのことがあなたを幸せにするし、
生きやすくなるし、というか。
ともかく、ダルい感じではなく・・・。

池谷 あきらめるんじゃなくて、
積極的に人生に参加するということが
できるんじゃないか、と。
頭を使っていくことによって
よろこびがふえて、
附随して苦しみも増えるかもしれないけれども、
それに対処する方法もどんどん増えるから、
いいじゃないか、と。

糸井 そういうテーマで話してできた本で。
話しあいをはじめたのは、冬でしたよね?
「お正月は実験のネズミの世話が・・・」
とか言っていたもんね。
それで3回ぐらいとても長く話して、
更に2回、追加取材を重ねてできました。

いま、読者のメールが届いているんですけど、
あの反応に自信を持った、というか、
「わかってくれてるな」というのがあるんです。

池谷 そうなんです。
思ったよりもレスポンスがすごくいい。
「何言ってるか、わかんねぇよ」
と言われるのがいちばん怖かったんですけど。

糸井 読者のほうの消費のしかたも
上手になってきているということを
ものすごく感じますね。
「ほぼ日」の読者って、すごい・・・。

池谷 のみこみが、早いですよね。
糸井 うん。
古い価値体系の文化にどっぷり漬からないで、
「もうちょっと、何か、あるだろうがよ・・・」
と言っていた人が
たくさん読んでくれているような感触があります。

池谷 なるほど。
そうすると、もう、
受け入れる準備があるんですね。
まさにそういう方に読んでもらいたいので、
ベストフィットですね。

糸井 その人たちのメールを読んでいても、
あぁ、理解して、
もっと欲張っている最中だなぁと。

池谷 ほんとにそうです。
「早く知りたい、もっと知りたい。
 つづきは、どうなるんですか?」
というメールがたくさん届いていて。

糸井 海馬と平行して
『調理場という戦場』を作ったんですが、
そこに出てくる斉須さんは、
もう、自分の道を、
目を見開いて歩いてきたみたいな人で、
根っこにやわらかいところがあるから、
もう、バクバク食べて、
バクバク吸収してきた人なんです。

読む人によっては
精神論ととらえる人もいるんだけど、
やっぱり、そうじゃないんですよ。
「ハウ・トゥー」のことを語っているんです。
真剣に生きたほうが、実は、
あるところにたどり着けるぞ、というか。

ぼくらが『海馬』を作っていた時にも、
無駄のように見えることが
無駄ではないようにあとで跳ね返るとか、
そういうことだから、
ものすごくいいバランスの2冊です。
とにかく、読んで、
実生活で使ってくれるとうれしいですね。

池谷 ほんとにそうですね。
友人とか学生の反応もたのしみなんですよ。

・・・あ、お疲れかと思って、
ドリンク剤を持ってきたんですけど。

糸井 薬学部の池谷さんが
ドリンク剤っていうと、
すごく期待しちゃうんだけど。

池谷 名前ばかりなんですけれども
わたしも薬学部ですし、
いちおうは薬剤師でもありますから、
体調はどうかな、と思って。
この中で効くのは、主に
ビタミンB1とカフェインですね。
疲れているから。

ぼくもほんとに疲れた時に飲むと
効くんですよ。
もう疲れているという時に飲むと
未来の体力を借りているという状態を
想像していただくとわかりやすいのですが、
そういうことですね。
あとでもちろん、どっと疲れがきます。

糸井 あぁ、なるほど。
池谷 乗り切る時には、効くんです。
ビタミンB1は新陳代謝を高めるんです。
しかも、ただのビタミンB1なら、
すぐに人間のカラダは
分解したり排泄したりするんですけど、
これは「誘導体」ですから、
人間がなかなか分解できないように、
ちょっといじわるなビタミンを
作ってあるんです。

糸井 へぇ。
池谷 長く残る、そういう特殊なビタミンB1は、
余計に効くんです。

糸井 なるほど。
必要じゃない部分は出しちゃうのに、
しぶとく生き残っているんだ。

池谷 そして、新陳代謝を高める。
脳を持続的に活動するためのものです。
ドリンク剤として出ているものは、
ほとんどがこのカタチですよね。

ドリンクの会社によって、
どの誘導体を使っているか、
もしくはビタミンB1そのものか、
という差があるんですけど。
そのぐらいしか差がないですね。

糸井 ふーん。じゃあ、飲むね。
これで最後まで持つかな?






(※こちらの先行販売のページにも、
  ぜひ、お立ち寄りくださるとうれしく思います)

2002-05-27-MON

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