海馬。
頭は、もっといい感じで使える。

第36回 記憶力世界選手権の話、など


こんにちは!

今日は、土曜日。
「ほぼ日」掲載のコーナー数が少ない。
ということもありまして、特別篇をお送りいたします。

実は、とてもありがたいことに、
9月に入っても、かなりの『海馬』感想メールを
いただいているんですよ。これはものすごいうれしいです。

第4刷とかを読んだ人が、
「ほぼ日って、はじめて知りました」
みたいな手紙を、書いてくださったりしているわけで、
まだまだ、これからも、多くの人の手にわたって、
喜んでもらえるといいなと、改めて思ったところです。

今日は、最近いただいた感想メールの中から、
一部をご紹介いたしますね。
それでも、かなり、長くなっちゃったけど。

まだ読んでいらっしゃらない人に
「こういう風な本なんだぁ」
と思っていただくのもとてもうれしいですし、
すでに読んだ人に
「へぇ、こう読んだんだ?わたしは……」
と感じてもらえるのも、イイなぁ!と思います。







・『海馬』遅ればせながら読ませて頂きました。
 「やっぱりこういうことだったのか!」とか
 「なんだ、あれは思い違いだったのか!」など、
 読み進むたびにガシガシといろんなことを感じながら
 気づいたら夜が明ける時間になってました。
 読み終わった次の日、普段ほとんど本を読まない
 うちのダンナに無理やり貸しました。

 通勤電車の中で読み始めたらしいのですが、
 なんとたった2日で読み終わり、
 (彼いわく、後半は
  電車の中だけでは物足らなくなり、
  昼休みを使って一気に読んだ
そうです)
 「すごく勇気が湧いた!仕事にもやる気が出る!
  こんなにわくわくしながら本を読んだのは初めてだ!
  キミが読書に熱中する理由がわかった気がする!」と
 かなり興奮気味に話してくれました。
 こう書くとなんだかアヤシイ教材の
 宣伝文句みたいですが、
 彼のその言葉はほんとうでした。
 「シナプスがうまく繋がらない!(思い出せないとき)」
 「記憶の整理しなきゃね(おやすみのかわりに)」
 「べき乗だよ、べき乗!(新しい発見をしたとき)」
 などが、最近のうちブームな言い回しになってます。
 心の病気で自宅療養している実家の父にも、
 ここのコンテンツと共に本を贈ろうとおもっています。
 (じぇい)



・海馬読みました。
 普段本なんてあんまり読まない私が
 一晩で読みきってしまいました。

 おもしろかったです。
 今アメリカにいるので、
 夏に日本に帰った方にお借りして読んだのですが、
 何度も読み返したくなる本なので、
 自分でも手に入れたいと思います!
 (さち)



・初めまして!今回海馬を読ませて頂き、
 目からぽろぽろウロコが落ちてスッキリしました。
 とっても読みやすくて楽しかったです!
 私事ですが、ちょうど体調を崩し
 入院中に海馬を読み始め、五日後には体だけでなく、
 頭も前よりいい状態で退院する事ができました!
 私は今年の三月まで東京の芸術大学の
 受験をしていたんですが、結局合格できませんでした。
 受験中は睡眠時間は少なかったです。
 夢の中でも絵を描き続けていました。
 ちゃんと睡眠を取るべきだったかな!?
 その年の受験が終わり、さてこれから私はどうする。
 と悩んでいるとき、母と姉が先に「海馬」を読み、
 生き生きしていました。
 悩み抜いた末、海外の美術学校への進学を決意した私に、
 母と姉はもの凄い勢いで賛成してくれました。
 きっかけは「海馬」の
 「かわいい子には旅をさせよ」だったみたいです。

 その後、とにかく準備を始め
 そろそろ出発と言うときちょっと入院。
 私も「海馬」と出会い、読み終えたとき、
 自分が選んだ道、進むこれから先に
 自信と勇気をもらいました。

 私は将来広告デザインなど、
 人に視覚で伝達する仕事を目指しているので、
 今回一番嬉しかったのは、
 伝えること、受け取ることの大事さを
 改めて実感し、勉強出来たことです。
 聞き慣れない話でも、伝える側によって
 こんなに読みやすく伝わりやすくなるんだと感動しました。
 もちろん海馬の神秘的な面白さと、
 糸井さん池谷さんの人間としての面白さが溢れて
 魅力的な一冊になったんだなーと思います。
 自分の作品を通して多くの人にいい影響を与え、
 繋がっていくことって本当に素敵なことですよね。
 池谷さんはとても優秀だと思いますが、
 周りに与えている風が親しみやすく
 爽やかに感じました。
 大事なのは人間性なんだなって思います。

 ちょっと不思議だったことは、
 本の中に出てきた危機感です。
 実際、危機感の違いが
 人の人生を大きく変えると思うことが度々あります。
 危機感を感じるとき脳の中では何がきっかけで、
 どんなことが起こっているんでしょうか?
 劣等感のように具体的に、まだ分からないのでしょうか。
 危機感や劣等感を感じた時のパワーは
 自分でもびっくりします。
 ホントごくまれにしか感じないのですが。
 好きな人のために出る力に負けません。

 15日に「海馬」を持って留学します。
 沢山の方々の感動の一つとして、
 伝えておきたかったのでメールしました。
 すばらしい発見を続けて下さい!
 成功をお祈りしています。
 (21歳 るみるみ)



・「海馬」すっごく面白いです。
 実は、もうずっと前に買ったのに
 なかなか読んでませんでした。
 読み始めてたのに、途中で他の事に夢中になって、
 1ヶ月以上が過ぎちゃった気がします。
 今日は具合が悪くて会社を休んでいたので、
 1日かけて、ゆっくり本を読んでました。
 なんで買ってすぐ、ちゃんと読まなかったんだろう?
 バカだなぁ、時間なんて
 作れるのにって、ちょっと後悔。
 
 読めば読むほど面白くて、まだ途中なのに、
 友達にも薦めたくなりました。
 きっと、強引に貸しちゃったりするんだろうな。

 「やっぱりそうだったんだ!」って、
 なんとなく想像してた通りだったことが
 あったかと思えば、
 「へぇ〜〜〜っ!!!」
 って全然知らなかった事が、優しい言葉で書かれてて、
 スゥーっと頭の中に入ってくるんですもの。
 こんな本、初めて!
 通常、科学用語で書かれたら、
 全然受け付けられない部類の本だろうけど、
 これは読み返さなくても頭の中に入ってくる感じ。
 でも、忘れちゃってる部分もあるんだろうな。
 何度読んでも面白そうですよね。

 「旅」が頭を良くする、っていうのが面白かったな。
 「実際に旅をしなくても、想像するだけでもいい」って。
 旅をたくさんしたいのはヤマヤマだけどちょっと難しいし
 インターネットなんて使わなくても、
 頭の中でイメージ増幅していってもいいのかな、
 って思うと気が楽になりました。
 ちょっと・・・違うかな?
 解釈間違ってたりしたら、ゴメンナサイ。

 「海馬」の中で言う、
 「あたまのいい人」になりたいです。
 それには、寝なくちゃ。
 あ、でもその前に、残りを読んじゃおう!
 ステキな本を、ありがとうございます。
 (TULIP)



・ようやく読みました『海馬』。
 「おもしろいなぁと感じることはとても大切」
 とても響きました。
 が、それ以上に、お二人がお互いの言葉を受けて、
 「おもしろい」と頻繁に反応しているのが、
 非常に印象的でした。
 そして、お二人の話がどんどん広がっているようで、
 がんがん繋がっていて、
 ばりばりのシナプスの中に一緒にいるようで、
 読んでいて、なんだかうれしくなりました。
 率直な感想は、凄いっ、うれしいっ、ありがと〜〜〜。
 こんなに楽しくて、力をくれて、
 年を重ねることをウキウキさせてくれた本に感謝。
 ありがとうございました。

 追伸
 漢字テスト2点の池谷さんのあとがきに、
 見たことのない漢字の熟語が溢れてて、刺激的でした。

 (みか35・女)



・遅ればせながら、『海馬』読みました。感動です。
 内容は言うまでもなくすばらしく、ハイレベルな話題を
 違和感無くすんなり読むことができ、皆さんが
 感想で述べられているように爽快感、充実感、そして
 「目からウロコ」を味わうことができました。
 一番面白かったのは
 池谷さんの「あとがき」で、急に言葉が難しくなり、
 ものすごい漢字(推定漢字検定準一級レベル)や
 言い回しが飛び出し、本当に漢字2点だったのか?
 と思わず笑ってしまいました。

 しかし、その前の対談を読んでいたら、
 これまた不思議なことにすんなり理解できるのです。
 最初にこっちから読んだら
 訳がわからなかったと思われます。
 この「あとがき」を読むと、
 こんなに高度な言葉が使える人なのか(笑)
 と感心するのと同時に、それまでの本文が
 発信、伝達・・・読者との「つながり」において
 いかに優れていたが再確認できました。

 難しいことを簡単に言うというより、
 「大好きな、めちゃめちゃ
  面白いことを皆に知って欲しいんですっ」
 ていう池谷さんの思いと、
 「それ、ほんまにめちゃめちゃ面白いね!
  それでそれで?こういうことかな?
  フムフム。どうかな?」
 ていう糸井さんのワクワク感が
 十二分に引き出されているからこそ皆にストン・・・
 いや、ズドンッと伝わる本なのでしょうね。

 こんなへたくそな文章を書いている私ですが、
 実はつい2週間前くらいから、
 本を編集する仕事がしたいっと思い、
 勉強し始めたところです。
 あまりの難関ぶりを知り、へこたれていましたが、
 これを読んで
 「こんな本がつくりたいんや〜!!!」
 という思いが、再燃しました。
 ありがとうございました。
 がんばれっ私の『海馬』。
 (のむりん)



・1ヶ月くらい前に海馬を読みました。
 面白くて一気に読みました。
 途中途中で、話の流れが
 自分の希望とは違う方向に進んでいく時、
 「そうじゃなくて、ここのとこもっと聞きたい!」
 とか読みながら思っていたのに、いざ
 「ほぼ日のコーナーで質問を受け付けます!」
 と言われるとすっかり忘れてしまいました(笑)。

 
 で、30歳の誕生日に何をしていたか…のくだりは、
 すごいドキッとしました。恥ずかしいけど書きます。
 付き合っていた彼と博多のホテルでお祝して、
 プレゼントに指輪もらいました。
 幸せで自分が怖いくらいでした(笑)
 21才の時にシングルマザーになってから、
 やや引きこもり生活をし、
 ようやく社会に出れるようになって
 少し人を好きになったりして、
 そんな頃出会った彼からプロポーズもされ、
 「私はこの人と巡り合うために産まれてきたのだわ…」
 と本気で思ってました。

 でもねー、別れちゃったんです。フラれました。
 彼の両親の反対もあって…。
 あんな男別れて良かった!って周りも言うし、
 自分でも言い聞かせるけど、
 4年経っても思い出すと辛くなるし、
 次の恋愛に巡り合えないし、
 どこかで引き摺ってるのかもです。
 そんなわけで30歳の誕生日が、
 今までの中で一番HAPPYな誕生日だったことには
 間違いないのですが、後に続いてないっていうのは
 けっこう切ないもんです。
 (hisa)



・ほぼにちわ。いつも楽しく拝見しております。
 いまちょっとWiredを見てみたら、
 面白い記事があったのでご報告します。これです。
 もうどなたかが見つけて
 お知らせしているかもしれませんね。
 「記憶力世界選手権」のお話ですが、これ、
 池谷先生が仰っていたこととおんなじじゃん!
 とPCの前で興奮してしまいました。
 まあ、池谷先生はじめ
 世界レベルの学者さんたちの研究ですから、
 同じで当然かもしれませんが、外国のひとも、
 「脳には、人間にはすごい可能性があるんだよ!」
 って言ってると思うとうれしいですよね。
 しかしこうなると記憶も
 りっぱなスポーツ、エンタテインメントですね。
 ショーとして観てみたい。
 (s-momo)

  




最近読んでくださった方も、
ものすごく新鮮に、一気に読んでくださってる様子が
うれしかったです!!!ありがとうございました。

池谷さんの漢字(熟語)について、
いろんな人が指摘されていたのも、楽しかったです。

最後のかたが述べていらっしゃる
「記憶力世界選手権」の話、もし時間があったら
リンクして読んでみてください。おもしろいですよ!
(記憶と訓練との関係について、
 さまざまな人が、いろんな談話を展開しています)

では、次回の「海馬」をおたのしみに!
次回からは、また昨日までと同じ質問形式になりますよ。


※なお、ちなみに……。
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2002-09-07-SAT
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