── | マイコンを買ってくれた 理解あるお父さんのお仕事は? |
たかしま | 親父はもともとサラリーマンだったんですけど、 そのころは、スナックみたいな飲み屋さんを やってまして。 |
── | 経営してた。 |
たかしま | はい。 ホストクラブって言ってました。 |
── | ええ?! サラリーマンで脱サラして、 ホストクラブ? いまで言うホストクラブですか? |
たかしま | いや、当時「ホストクラブ」って言ってましたが 今とは形式はちがうと思います。 営業時間中に行ったことはないんですけど 女性客をおもてなしする店ではなく ふつうにおじさんたちが飲んでたはずです。 |
── | ステージはありました? |
たかしま | ステージ、ありました。 楽器がいつも置いてあって。 |
── | たぶんそれは、 歌手が来るような いわゆる「キャバレー」の 系列だと思います。 |
たかしま | そうかもしれません。 「ブルーチェ」っていう名前でした。 |
── | ブルーチェ‥‥。 |
たかしま | なんか、人から、 引き継いだみたいなんです。お店を。 うんと小さいころは 普通の会社員のお父さんでした。 でもだいぶ物心ついたときには、 その飲み屋さんをやってて。 あんまり帰って来ないんです、 夜の仕事なんで。 |
── | そうですよね。 コドモとは生活時間が合わない。 |
たかしま | あんまり会えないんですよ。 たまに会うと、お店で遊ぶ用なのかな、 スロットマシーンみたいなゲーム機の 小銭を持って帰って来て 「仕分けろ」 って言われて手伝ってました。 |
── | 真面目な人だったんじゃないですか。 |
たかしま | とても真面目でした。 お酒は好きなのに、 仕事ではお酒全然飲まないんですよ。 |
── | そのお父さんに、 マイコンを買ってもらうんですね。 |
たかしま | そうです。 |
── | よく説得しましたね。 すっごくほんとに 欲しかったんでしょうね。 |
たかしま | ぼくは小さいころから、 ちょっとした電池でモーターが動く 車をつくってみたりとか、 機械をいじるみたいなのが すごく好きだったんで、 まぁ、なんでしょうね、 理解してくれたんでしょうかね。 |
── | 最初につくったゲームは? |
たかしま | コースがランダムに出てきて、 そこをコースにぶつからないように 車で走るという、 すごい単純なゲームです。 それでも、テレビゲームなんで、 友達とか呼ぶと、 ものすごい喜んでくれるんですよ。 |
── | そうですよね。 ゲームセンターに行けば 100円とか、かかっちゃうわけですから。 中1にはすごくうれしい話です。 |
たかしま | ただ、ひたすら走るだけのゲームなのに、 もう、延々やってくれるんですよね。 それが、またうれしくて、 次のを作りたいみたいな。 |
── | 中、高と、そんな感じだったんですか? |
たかしま | そうですね。 その機械をまたちょっと グレードアップしてもらったりとかしながら、 ずーっとコンピュータは続けてて、 大学で本格的に勉強してみたいなって思って。 |
── | それで浪人後山梨大学の計算機科学科に4年間。 ここまで、絵の話が一切でてきないですね。 |
たかしま | ははははは。 そうですねー。 |
2008-12-09-TUE | |
(つづきます!) |