ご記憶でしょうか、ポートボールを。
小学校の体育の時間によくやった、屋内競技。
台の上に立つ選手が、味方の選手から投げられたボールを
うまくキャッチできたら得点! というルール。
選手に向かってシュートをする。
これはまさしく「ぼくがゴールだ」です。
体育着ではりきる男子が目に浮かぶ、元気な読み札、
キープ箱(下のほうにあります)に収納いたしましょう。
それにしても、そもそもポートボールって、
どこの国のスポーツなんでしょう?
ニッポン?
外国でやっているポートボールって、
見たことがないような気がするし‥‥。
ちょっと調べてみても、よくわからなかったのです。
と、懐かしいスポーツに素朴な疑問を抱えつつ
はじまっております、「カルタ・ド・ニッポン」。
お題・「ニッポンのスポーツ」の今回、
アグレッシブな投稿が集まるかと思いきや、
なんともほのぼのとした読み札が大半だったのでした。
手のひらひとつぶんの間隔で、
ギュッとつまって整列するときの掛け声、懐かしいです。
みなさんはどちらを「懐かしい」と思いました?
どちらも、体育の時間に校庭で地面にお尻をつけて
座るときの、その座り方のことです。
これが地域によって、「三角座り」「体育座り」の、
呼び名にわかれるんですね。
どうやら、関西方面が「三角座り」のようですよ。
「おかぶり札」とまではいかないまでも、
多かったのが、運動会の読み札でした。
・緑のミカンは 運動会の味
運動会のころといえば、みかんにはまだ、はしりの時季。
ござの上に家族で座って、
緑色のすっぱいみかんを食べた記憶がよみがえります。
「マラソン大会のことを詠んだ札です」
というメッセージが添えられていました。
ああ‥‥、友だちが先に行っちゃったんですね。
一緒に走ってゴールしようねって約束したのに。
その切なさと懐かしさを、キープ。
「ほぼ日本カルタ委員会(仮)」にも、
子を持つ父が数名おります。
その者たちが言うには、
「事故は幼稚園の運動会で起きる」のだとか。
自分の子どもの幼稚園の運動会。
それは、多くの父にとって久しぶりに全力疾走する場です。
そんなお父さんたちの頭の中には
「学生時代に走れていた自分」のイメージがあります。
さらに重ねて、「子どもが見ている」という状況‥‥。
まちがったイメージと極度の緊張で、思いきりスタート!
当然からだはついてこなくて‥‥。
幼稚園の運動会では、かならずといっていいほど、
「転ぶ父親」が見られる、ということでした。
ペーソスあふれる、お父さんの読み札を続けてみましょう。
これも「ほぼ日本カルタ委員会(仮)」の
妻帯者たちが、大きくうなずきました。
「妻や子どもが聞いていようがいまいが、
テレビの前でスポーツ中継を解説する。
そのこと自体がしあわせなのだ」と。
きっと、ニッポン中の家庭に、
お父さんの解説者がいるのでしょうね。
で、威厳をもって、
・今のはストライクだろ
などと言っているのです。
カレンダーにしるしをつけるお父さんの後ろ姿‥‥
愛らしいことこのうえありません。
お相撲が、大好きなんですね。
お相撲の読み札には、
・相撲といえば なとりの珍味
というのが届きました。
ずいぶん昔から、大相撲の「呼び出し」の人の着物には
背中に「なとりの珍味」と広告が入っているそうで。
考えてみれば、ふしぎな景色です。
・兄弟で相撲 土俵は畳二枚分
という、ほのぼのした作品も。
子どもふたりのお相撲には、
畳2枚の大きさがちょうどいいんですね。
柔道、剣道、空手と、
武道の読み札も何通かいただきましたが、
ニッポンの武道のすごみを感じた、この一枚をご紹介。
真剣に稽古を積む選手たちの道着は、
大量の汗を吸収するのだから当然のことです。
そして、ニオイがすごいほどその選手は強い気がします。
舞台が小学校に戻って、
ふたたびほのぼのしてまいりました。
ぞうきんのボールに、ほうきのバットで野球ごっこ。
やりましたねー。
女子たちがめいわくそうにしてるんですよねー。
・孤独です ドッジボールの最後のひとり
わかります。覚えがあります。
・昼休みは プロレス的な何か
これも覚えがあります。
プロレスごっこみたいな「何か」で、
ありあまる体力を燃やす小学生男子たち。
そのうちケンカになったりして。
女子からみれば、わけがわかりませんよ。
ほんと、男子ってバカですねー(笑)。
・二塁には 透明ランナー
ざっくりと解説しますと、「透明ランナー」というのは、
「ここにランナーがいることとして野球を続けるよ」
という、小学生男子同士の決めごとのようなものです。
少ない人数で野球をやってたりすると、
この「透明ランナー」が必要になったのです。
野球といっても、こちらはエポック社の
「野球盤」というゲームのこと。
このゲームの「消える魔球」という機能が
反則のような機能(ボールが穴の中に消える!)なので
「1ゲームに2回まで」などと使える回数を決めて
遊んだものだったのでした。
エポック社「野球盤」の公式サイトは、こちら。
・屋根にのる バドミントンの羽
のっちゃいましたよね、バトミントンの羽。
似ている状況で、
・体育館の天井に バレーボールが挟まる
というのもありました。
挟まりましたねー。
お題・「ニッポンのスポーツ」の最後には、
こんな2枚を、どうぞ。
みなさんそれぞれに、
逆上がりの記憶がよみがえったのではないでしょうか。
2枚とも、キープさせていただきますね。
さて、
「フリー部門」へとまいりましょう。
秋の読み札が届くようになりました。
そう、秋の虫たちは、一歩近づくと
ぴたっと鳴きやみますよね。
こちらは中部地方、新潟県の読み札です。
新潟では、アメやチョコが溶けている状態を
「泣く」と言うのだそうです。
食べようとしたアメが溶けて
包装紙にべったりくっついてたりすると、
「このアメ泣いてる〜」と。
おもしろい表現です。キープ。
ニッポンの食に関する読み札は相変わらず順調で、
・きんちょう! カップやきそばの湯きり
という具合で届いております。
・ラーメンは すでに和食
というのも、うなずけました。
ニッポンの食の読み札、引き続きお待ちしています。
ペンと紙が目の前にあって、
とくに書くことがないような場面、
(それは例えば筆記具の試し書きとか、
電話をしながらの手持ちぶさたとか)
つい、これを書いてしまうのがニッポン人です。
書くことがないときあらわれる、
「へのへのもへじ」というキャラクター。
あらためて考えると奇妙な存在です。
ちょっと、キープしておきましょう。
なるほど、言われてみれば。
「は行」は、ぜんぶ笑い声でした。
前回のお題・「旅行」の読み札が、
引き続き届いているので、何枚かまいりましょう。
とても、共感できます。
なんだか盛り上がって、
・荷造りで 力尽きる
ようなことをしちゃっても、
眠れなかったりするんです。
旅は、その準備も含めて、旅なんでしょうね。
電車で食べる冷凍みかんって、まさに、
ふしぎで愛おしいニッポンの食べもの
と言えるのではないでしょうか。
ナイスな読み札は、キープ箱へ。
・旅館のパズル むずかしい
ありますね、なぜか旅館に、パズルが。
せっかく旅に来てるんだから散策でもすればいいものを、
なんか、パズルに挑戦しちゃう‥‥あります。
・京都 大原 三千円
‥‥油断していたのではないでしょうか。
「言いたいだけ札」は
「ほぼ日本カルタ委員会(仮)」にも、
このように突然やってくるので予断を許しません。
今週最後に、もう1枚「言いたいだけ札」を。
旅の終わりを表している? と一瞬惑わされるのですが、
いや、そんなことはない、やっぱりこれは言いたいだけだ、
と思いとどまるような、そんな「言いたいだけ札」を。
でも、明るくていい札ですね。
今回のキープ札は、もれなくこちらの
「キープ箱」に加えさせていただきました。
「キープ箱」の中身は、毎回更新していきます。
あなたの札が、ここに入りますように‥‥。
それでは、次なるお題を。
「年中行事」。
いろいろありますよね、ニッポンの年中行事。
お正月、節分、卒業式に入学式、
こどもの日、七夕、十五夜、大晦日などなど‥‥。
この際ですので季節感を気にせず、
いろいろな、ふしぎで愛おしい風習を、お待ちしています。
もちろん、「フリー部門」も大募集。
「おれは自由にやりたいのだ」というかたは、
過去のお題を見つめ直したり、まったく別なことを考えたり
のびのびと、どうぞ!
下にあります投稿のルールを軽くお読みいただきましたら、
どうかお気楽に、ご投稿くださいませ!
みんなのカルタをつくりますよ!
募集するのは「読み札」
カルタは「読み札」と「取り札」に
わかれているわけですが、
当面は「読み札」のほうを募集したいと思います。
七五調や七七調の札がカルタっぽいみたいですよ。
「ふしぎと愛おしい日本」がテーマ
なにを書いてもよい自由な投稿です。
でも「ふしぎと愛おしい日本」というテーマからは
どうぞ、はなれないようにしてくださいね。
どの文字で投稿するかは自由
「いろはにほへと‥‥」の文字のなかの、
どれを選ぶかは今のところ自由です。
部門について
大きくわけて、「お題をテーマにした部門」と、
それ以外の「フリー部門」の投稿を受け付けます。
過去の「お題」を投稿するのもOK。
その場合は「フリー部門」への投稿になります。
ひとつのメールにひとつの「読み札」
いっかいの投稿で送る「読み札」は、
一作品だけにしてください。
ひとつひとつ、集中して吟味したいので。
たくさん思いついた場合は、
何回もメールを送っていただければ大丈夫です。
詠み人しらずの投稿です
『万葉集』のように、というと大げさですが、
“詠み人しらず”の作品を集めたカルタを目指します。
“無名の知”のパワーに期待するカルタを。
なので、投稿者のハンドルネームは発表いたしません。