「ほぼ日本カルタ委員会(仮)」本部がある
東京糸井重里事務所のテーブルにも、
連休あけには、いくつかのお菓子の箱が並びます。
「お、八ツ橋。だれか京都いったの?」
で、ワイワイとおしゃべりがはじまる。
たのしいですよね、こういうの。
なにげない「旅のおすそわけ」を詠んだこの札を
キープ箱(下のほうにあります)に収納しつつ、
今週もはじまっております「カルタ・ド・ニッポン」。
お題・「名物」にも、
各地のご自慢を詠んだ札がたくさん寄せられました。
北からご紹介してまいりましょう。
岩手名物わんこそば、経験したことあります?
あれはほんとにタイミングが命。
給仕のおばちゃんがつきっきりですから!
食べ終わるやいなや
次のおそばが放り込まれますから!
「はいー! じゃんじゃん! もう一杯!」
威勢のいい掛け声のテンポからはずれると、
もうたいへん。
なんとか立て直そうとして‥‥むせ返るんです。
意表を突いた早いタイミングで、
「言いたいだけ札」出現。
北からのご紹介で、
「青森ねぶた」はこの位置になったんです。
‥‥た、立て直しましょう!
次いきます!
「花より団子」「色気より食い気」
の法則というわけですね。
説明は不要かもしれませんが、
「あきたこまち」はイネの品種のひとつです。
この「あきたこまち」というネーミング、
あらためてよくよくかみしめてみれば、
ほんとにいい名前ですよねー。きれいでおいしそう。
栃木名物の郷土料理、「すみつかれ」。
「しもつかれ」とか「すみつかり」などと地域によって
いくつかの呼び名があるようです。
どういう料理か調べてみました。
お正月の新巻ジャケの頭、節分にまいた豆の残り、
野菜の細切り、鬼おろしでおろした大根。
これらに、酒粕やお酢を混ぜて煮込むのだそうです。
できあがりは、どろどろなのだとか‥‥。
そ、そうですか、なるほど、
「どうしてそんなに食べられる」
というのにも、共感できる気がいたします。
でも、こういうどろどろの料理ほど、
一度おいしいと思うと、やみつきになるんですよねぇ。
奈良の大仏より高いどころか、
茨城県の牛久大仏は本体100mで台座20m、
これは大仏として世界一の高さらしいですよ!
奈良や鎌倉がメジャーですが、牛久、あなどれません。
これは注目すべき立派な名物ですね。キープです。
牛久大仏の公式HPはこちら。
栃木県宇都宮市の、JR宇都宮駅の東口広場に、
「餃子像」というものがあります。
餃子の街・宇都宮のシンボルとして
設置されているこのオブジェは、
「餃子の皮に包まれたビーナス」なのです。
餃子ということで「皮」なのでしょうが、
「美」を封じ込めてしまうとは‥‥。
どんな姿なのか、みたいですよね?
Googleの画像検索をつかってみました。
こちらからどうぞ!
埼玉県草加市にも、
・草加駅前 せんべいを焼く 銅像がある
のだそうですよ。
まだまだ、ニッポン中にふしぎな銅像がありそうです。
石川県の名物珍味、「ふぐの子糠漬け」。
ふぐの卵巣といえば、最も毒性の強い部分ですよね?
それを食べちゃうって‥‥。
調べてみました。
1年間塩漬けにしたふぐの卵巣を、
糠などに2年間つけ込むことで猛毒を消すのだそうです。
ふぐの卵巣を食べるために、わざわざ3年!!
‥‥ニッポンの、食に対する静かな執念を感じます。
読み札といっしょに、こんなメッセージをいただきました。
「ういろう、守口漬け、宮きしめん、味噌煮込みうどん。
おいしいものたくさんで、いっぱい買って帰りたいけど
名古屋のお土産って基本重たいんです。
大変なんです! 持って帰るの」
なるほど、たしかに重いお土産が多いかも。
ついでに申し上げるなら、
味噌カツとか手羽先など、
名古屋はお味も、ズッシリしたのが多い気がします。
名古屋名物でこんな読み札も。
・ひつまぶしは 三度美味しいなも
最後の「なも」がかわいいです、名古屋の方言。
「三度美味しい」を念のため解説しますと、
一杯目はそのままのうな重で、
二杯目はネギとワサビで、
三杯目はお茶漬けにしてさらさらっと‥‥。
ああ、食べたい。
京都鴨川の川っぷちでは、
カップル同士がきちんと等間隔に離れて座るのだとか。
「鴨川カップル」と呼ばれ、
京都のひとつの名物になっているのだそうです。
距離をあけて座るカップルのきもち、わかります。
ふしぎなのは、それが等間隔ということ。
「このくらい離れればお互いじゃまにならない?」
という距離がみんな同じくらいなんですねー。
興味深い読み札を、キープ。
京都でもう1枚。
・銀閣寺は 銀じゃない
金閣寺には金箔が貼られていましたけど、
銀閣寺に銀箔は貼られていないんですよね。
「銀を貼る予定だったけど財政事情でできなかった」
という説や、
「最初から銀を使うつもりはなかった」
「金閣との対比で誰かが勝手に銀閣寺と呼び出した」
というような説があるようですよ。
ちなみに正式な名称は、「慈照寺」です。
た、食べちゃった?!
奈良公園の鹿せんべいは、米糠や雑穀などの、
いちおう人間の食べ物でできてはいるようです。
でも、食品衛生法に基づいて生産されたものではないので、
やっぱりこれ、食べないほうがぶなんですよ?
‥‥いや、強く言っておきます、食べちゃダメ!
滝と野生のニホンザルで有名な、大阪府箕面市。
ここの名物に「もみじの天ぷら」があります。
「ほぼ日本カルタ委員会(仮)」に食べた者がおりました!
それは、もみじにころもをつけて揚げた、
まさしく天ぷらだったとか。
でもお菓子なので、ちょっと甘かったといいます。
‥‥ニッポン、まだまだふしぎな食べ物が出てきますね。
「ひよ子」というお菓子、誕生は九州なんです。
のちのち東京土産としても有名になったので、
東京の名物と思っているかたも多いのではないでしょうか?
まちがえないよう、キープしておきましょうね。
詳しくは、「ひよ子本舗吉野堂」のHPでどうぞ。
トップページから「ひよ子の生い立ち」にすすむと、
その歴史を知ることができますよ。
博多名物の読み札をもう1枚。
・麺は硬いほど かっこいい
やわらかめ、ふつう、かため、ばりかた、はりがね、
と麺の硬さを選べる、博多ラーメン。
「はりがね」って、なんかかっこいい!
というわけで、
北から南に、いろんな名物の読み札を味わってみました。
やっぱり「各地なカルタ」って、おもしろいです。
毎回勉強にもなりますし。
引き続き、お待ちしてますね!
「フリー部門」へとまいりましょう。
ニッポンの食卓で、たびたび繰り返される話題です。
どちらもおいしいんですけどねぇ。
あなたはどちら派?
ニッポンの「食」に関する読み札は、
まだまだ順調に届いております。
・おっ、茶柱立った。
・お弁当付いてる!
茶柱が立つと縁起がいい。
からだにくっついてる米粒=お弁当。
どちらも、ちいさくてかわいらしいものに
ニッポンのふしぎな愛おしさを見出した読み札です。
前回のお題・「お風呂」に、
遅れぎみで届いたのがこちら。
1970年代に大活躍したフォークグループ、
かぐや姫のヒット曲「神田川」。
この曲の歌詞に「赤い手ぬぐい」が登場するのです。
若い読者は、なにがなにやら? でしょうか。
でも、おじさんやおばさんたちを
たまらないきもちにさせるであろうこの読み札、
キープしておくことにいたします。
・お風呂も「いただきます」
という読み札が届いて、
ああ、お風呂をいただくって、
ていねいでいい表現だなぁと思っていたら‥‥
なんていう読み札が到着。
メールには、こんなメッセージがありました。
「これって、名古屋近辺だけの言い回しなんでしょうか?
お風呂に入った人は出たあと
ご無礼しました、と言いながら居間に登場するのです」
調べてみましたら、
やっぱり名古屋では「ご無礼します」はよく言うようです。
お風呂にかぎらず、職場で先に帰るようなときにも、
「お先にご無礼しまーす」
武士みたい!
そういえば、その通り。
ニッポン人のふしぎな習性を詠んだ歌は、
ほかにもぽつりぽつりと届いています。
・イエスとノーと そのあいだ
・限定と 行列に めっぽう弱い
外国人の視点で詠んだような、
こういう作品も、もうちょっとほしいところ。
お待ちしております。
「ほぼ日本カルタ委員会(仮)」があるオフィスも、
5時になると、夕焼け小焼けの
メロディチャイムが聞こえてきます。
いいおとなになっているというのに、
「あ、おうちに帰んなくちゃ」
なんて、一瞬だけ、思っちゃうんですよねぇ‥‥。
今週はこんなところで。
今回のキープ札も、すべてこちらの
「キープ箱」にたいせつに保管いたしました。
ついに100枚を超えましたよ!
それでは、次なるお題を。
「季節」。
なぜでしょう、秋の読み札があまり届いていないのです。
夏の読み札は、自然とあんなに集まったのに。
あまりに暑かったことしの夏の影響で、
秋の存在感が薄くなってしまったのでしょうか‥‥。
それでもやっぱり四季の国、ニッポン!
夏以外の読み札も加えたいです。
「秋」を中心に、
「冬」と「春」の読み札を募集いたしましょう。
下の投稿のルールにざっくり目を通していただけましたら、
できるかぎりお気軽に、読み札をしたためてみてください。
みんなでもっと、カルタをつくりましょー。
募集するのは「読み札」
カルタは「読み札」と「取り札」に
わかれているわけですが、
当面は「読み札」のほうを募集したいと思います。
七五調や七七調の札がカルタっぽいみたいですよ。
「ふしぎと愛おしい日本」がテーマ
なにを書いてもよい自由な投稿です。
でも「ふしぎと愛おしい日本」というテーマからは
どうぞ、はなれないようにしてくださいね。
どの文字で投稿するかは自由
「いろはにほへと‥‥」の文字のなかの、
どれを選ぶかは今のところ自由です。
部門について
大きくわけて、「お題をテーマにした部門」と、
それ以外の「フリー部門」の投稿を受け付けます。
過去の「お題」を投稿するのもOK。
その場合は「フリー部門」への投稿になります。
ひとつのメールにひとつの「読み札」
いっかいの投稿で送る「読み札」は、
一作品だけにしてください。
ひとつひとつ、集中して吟味したいので。
たくさん思いついた場合は、
何回もメールを送っていただければ大丈夫です。
詠み人しらずの投稿です
『万葉集』のように、というと大げさですが、
“詠み人しらず”の作品を集めたカルタを目指します。
“無名の知”のパワーに期待するカルタを。
なので、投稿者のハンドルネームは発表いたしません。