お彼岸も過ぎて、秋が深まってくると
どこからか漂ってくる、きんもくせいの甘い香り。
「ほぼ日本カルタ委員会(仮)」がある東京都内では、
たしか10日くらい前から、
この香りを街で感じるようになったと思います。
ビルが並ぶ青山あたりでも一歩住宅街に入ると、
きんもくせいはちゃんと香ってくるんですよ。
そして、それはちょうど、
運動会と同じころだったんですねぇ‥‥。
すてきな一致を教えてくれたこの読み札は、
キープ箱(下のほうにあります)に収納いたしましょう。
今週はこの、きんもくせい(金木犀)の読み札が
たくさん寄せられました。
「おかぶり札」が、「きんもくせい」だったんです。
・どこからともなく 金木犀
・金木犀は どこに咲いてる?
・香りで気付く キンモクセイ
・金木犀 香りで秋を 教えてる
・風に乗り もう秋だよと 金木犀
・キンモクセイの香り 姿見せねど 秋の合図
ニッポン中のいろんな場所に漂う
甘い秋の香りを想いながら、
今週もはじまっております「カルタ・ド・ニッポン」。
お題・「季節」には、
「秋」を中心にたくさんの読み札が寄せられました。
「走れっ!」のひと言が、秀逸。
石焼き芋のメロディを合図に、
ダッシュで家を飛び出す、詠み人の姿が目に浮かびます。
・天高く わたしも 肥ゆる秋
と、体重のほうもすこし気になりますけれど、
やっぱり「おいしい秋」の読み札、
いっぱい届いているんです。
コンビニエンストアのレジ前で、
つい言ってしまう、このひと言。
これから気温がさがるにつれて、
この、「つい」が増えるんでしょうねぇ。
・湯を沸かす 時間で感じる 秋の気配
水道水の温度にも、
グラデーションで季節の変化を感じるものです。
ジュースの自動販売機のことですね。
なるほど、これもひとつの風物詩。
ある日とつぜん、ドンと松茸がやってきたら‥‥。
アタフタしてしまう気持ち、共感できます。
思いがけず大きな幸福(高級素材)に出会うと、
人はとまどいをかくしきれなくなると思うのです。
食べられる「春の七草」とちがって、
「秋の七草」は、見てたのしむのが目的なので‥‥。
食欲の秋、ご立腹はわかりますが、
どうかひとつ、ご理解いただきたく‥‥。
ちなみに「秋の七草」は、
おみなえし、すすき、ききょう、なでしこ、
ふじばかま、くず、はぎ。この7種類。
「おすきなふくは?」
と覚えると、覚えやすいですよ。
ん? 「言いたいだけ札」?
‥‥いや、ぎりぎり、そうでもないかもしれません。
美しい紅葉をみて気持ちが高揚した、と。
「こうよう」が、ふたつかぶっているのは、
ちょっとしたひと工夫である、と。
きました。
純然たる「言いたいだけ札」です。
‥‥気を取り直して、次にまいりましょう。
‥‥‥‥‥‥。
気をしっかりと持って、
次で、次で立て直してまいりましょう。
‥‥‥‥‥‥‥‥。
ま、まあ、いいでしょう。
ないとさみしい「言いたいだけ札」。
たまには、こうして続けざまに並ぶのも、
よしとしましょう。でも‥‥
♪おおさむ こさむ 山から小僧が泣いてきた
という童謡は、これ、冬の歌ですよね?
オータムって「秋」ですよ?
そもそも、コタムって?
‥‥失礼しました、「言いたいだけ札」に、
こうした追及は不粋というものでした。
これからも「言いたいだけ札」、控え目に大募集!
北海道からの読み札です。
添えられたメッセージ、紹介しますね。
「こちら北海道です。
今の時期になると、綿毛のようなものを
お尻につけた小さな羽虫がフワフワ飛びます。
コレを見るともうすぐ雪が降るなあと思うのです」
ああ、もう北海道は冬が近いんですねぇ。
雪虫は、アブラムシの仲間なんだそうです。
どんな姿か? Googleの画像検索で、どうぞ。
冬の読み札も、いくつかご紹介しましょう。
ストレートですが、愛おしい一枚。
夢中でやった雪合戦、思い出しますね。
・まだら模様の 雪だるま
というのも、懐かしい。
雪深くない地域では、泥がくっついちゃって
白くてきれいな雪だるまができないんでした。
寒い冬、あたたかい部屋。
「今夜はお鍋!」
ふたをあけたら、メガネがまっしろにくもちゃって‥‥。
しあわせな情景が浮かぶ読み札を、キープ。
お題・「季節」ということで、
「秋」「冬」「春」の読み札を募集したのですが、
やはり、いまは秋真っ盛りですから、
この季節の作品が最も多く寄せられました。
遠くない季節「冬」の札は、それなりに。
でも、さすがにまだまだ先の
「春」の読み札は、ほんの数通でした。
たいへんのんびりとした春の作品を、一枚だけどうぞ。
「春」そして「冬」の読み札、
引き続きお待ちしていますね。
お題・「季節」の札は、ここまで。
「フリー部門」へと、まいりましょう。
日焼け自慢をしている子どもたちを読んだ札、
とのことです。
「夏以外の季節で」というお題だったのに、
なぜか一枚だけ夏の札が‥‥。
でも元気で愛おしかったので、フリー部門でご紹介。
ニッポンの「食」の読み札も好調です。
・なまたまご ごはんにかけたい からめたい
「ほぼ日本カルタ委員会(仮)」の、とあるメンバーが
ある日、定食屋さんでしみじみと言いました。
「たまごかけごはんは最高の日本料理のひとつだ」
そして彼はさらに、
「おかずが豊富にあるときは、どのタイミングで
なまたまごを投入するべきなのか‥‥悩ましい」
と、くるおしくつぶやくのです。
ニッポン人ならではの悩みだ、と思いました。
「堤防が決壊しちゃったー」
「わわわ、土手決壊!」
もんじゃ焼き屋さんでよく耳にするフレーズです。
火を通した具で土手をつくって、
小麦粉を溶かした水をそこに流し込むんですけど、
土手から汁があふれちゃうと、
「うわあ、決壊!」ってなるんですよ。
東京下町あたりの、ふしぎで愛おしい駄菓子的料理。
これを詠んだ札はぜひほしかったところ。
キープしておきます。
岩手県厳美渓に、「郭公(かっこう)団子」という
お店があるのですが、お店といってもそこには、
ロープに吊るされたカゴと、木の板があるだけ。
カゴに代金を入れて、木の板を叩くと、
渓谷の対岸にスルスルとカゴが移動していきます。
しばらくすると、団子とお茶が乗ったカゴが
綱渡りして戻ってくる‥‥。
「空飛ぶ団子」と呼ばれているそうで‥‥。
ふしぎなことを考えるものですねぇ。
でも、かなり愛おしいシステムだと思います。
ニッポンの「ふしぎな風習」の読み札も、
着々と集まっております。
「玉」とか「生」とか「立」とか、
5画の漢字は他にいくらでもあるのに、
そういえばなんで「正」の字なんでしょうね?
‥‥もしかして。
いや、思いつきなんですけど‥‥。
「正しく数えたい」という気持ちから?
‥‥ちがいますかねぇ。
・ちゅうちゅうたこかいな
こちらも、数えることに関するふしぎな習慣。
なぜ、10数えるときに、タコなのか‥‥?
・痛いの痛いの 飛んでゆけ〜
かわいい風習です。
飛んでゆくわけではないんですけどねー。
‥‥いや、あながちそうとは言えないかも。
やってもらうと、やわらぐのかも。
そういえば、洗濯物をたたむときってそうです。
なぜだか正座になっています、背筋ものびて。
これってニッポンだけのこと?
だとすれば、世界に誇れる習慣ですよ!
きもちのいい読み札をキープしたところで、
今回はここまでにいたしましょう。
今回のキープ札も、すべてこちらの
「キープ箱」に加えさせていただきました。
「キープ箱」の中身は、毎回更新していきます。
あなたの札が、ここに入りますように‥‥。
それでは、次なるお題を。
「“まだありません”の札」。
気がつけば100枚を超えたキープ札ですが、
「キープ箱」を確認すると、
まだいくつか「無 まだありません」
という小箱が残されています。
それは、
「へ」「め」「ら」「り」「ろ」の小箱です。
今回は、この5種類の文字の、
いずれかではじまる読み札を募集。
テーマはなんでもかまいません。
「なんでもかまいませんっていうのがいちばん困る」
というかたは、過去のお題から自由にお選びください。
「自由っていわれても‥‥」
というかたは、今回投稿がすくなかった、
「春」をテーマに考えてみるのはいかがでしょう?
また、その逆で、
「縛られないで考えたいのよ」というあなた。
のびのびと「フリー部門」へご投稿ください。
下の投稿のルールにささっと目を通していただいて、
どうかお気軽に、読み札をお送りくださいね。
さあ、カルタをつくりますよぉ。
募集するのは「読み札」
カルタは「読み札」と「取り札」に
わかれているわけですが、
当面は「読み札」のほうを募集したいと思います。
七五調や七七調の札がカルタっぽいみたいですよ。
「ふしぎと愛おしい日本」がテーマ
なにを書いてもよい自由な投稿です。
でも「ふしぎと愛おしい日本」というテーマからは
どうぞ、はなれないようにしてくださいね。
どの文字で投稿するかは自由
「いろはにほへと‥‥」の文字のなかの、
どれを選ぶかは今のところ自由です。
部門について
大きくわけて、「お題をテーマにした部門」と、
それ以外の「フリー部門」の投稿を受け付けます。
過去の「お題」を投稿するのもOK。
その場合は「フリー部門」への投稿になります。
ひとつのメールにひとつの「読み札」
いっかいの投稿で送る「読み札」は、
一作品だけにしてください。
ひとつひとつ、集中して吟味したいので。
たくさん思いついた場合は、
何回もメールを送っていただければ大丈夫です。
詠み人しらずの投稿です
『万葉集』のように、というと大げさですが、
“詠み人しらず”の作品を集めたカルタを目指します。
“無名の知”のパワーに期待するカルタを。
なので、投稿者のハンドルネームは発表いたしません。