ほぼにちわ、
「ほぼ日本カルタ委員会(仮)」です。
前置きはそこそこに、
会長、糸井重里による
審査結果の発表をつづけましょう。
今回は、無念の「該当作なし」があらわれます。

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【選評 糸井重里】
笑いました。
まさに、「な」ではじまる「なまはげ」。
これですよ、やっぱりいいんですよね。
最初にテーマがあると、パワーがちがいます。
次点もいいですね。
これは正しい答えがないから、いいんです。
永遠に語られることですよ。
さらに「ラーメン」っていうのもありますけど。 |
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これどうしましょう?
投稿作じゃないんですよね?
作例として1回目に提示したやつ。
でも、選ぶと、これなんですよねぇ。
「そんなんありか?!」と言われそうですが、
申しわけないと思いつつ、自前のにしました。
しかも自分じゃ忘れてるんだけど、
これ、ぼくが言った読み札だそうです。
なかなかだと思いました、ありがとうございます。
「スイカの芽」は、
ノスタルジックなもののなかでは、
選ばれてもいいなと思って、次点に。 |
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うーん。
そもそも「ぬ」はずいぶん投稿がすくなかったようで。
ここは、がんばってもらいたいですね。
「ぬすっと」とか「ヌード」とか、
どうでしょうかねえ‥‥。
ああ、でもヌードはむつかしいか。
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「ねこ」とか「ネクタイ」とか、
「ね」はいろいろありますよ?
なにか1枚、選んじゃおうかとも思ったんですけど、
せっかくここまで集めたんだからね、
もうちょっとがんばってみたいですね。
うん。
また募集しましょう。 |
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「の」は、これですね。
なかなかいい読み札です。
その理由らしきものも言えば言えるんですが、
「これだと思った」と、
あえてこれは、そこまでにしておきましょう。
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ふたつともいいんですけど、
短い「じゃんけん」に軍配を。
これを読むと自分の中で、
早いじゃんけんが起ち上がるんです。
“ジャーン”っていうマッキントッシュの起動音みたいに。
「しょっ、しょっ、しょっ、しょっ」っていう、
イメージがわきあがる。
そこで肉体がシンクロするんです、ことばと。
それを楽しむ読み札ですね。
ことばは長くなると、
基本的に弱くなっていくんです。
このまえ発見したことに
「俳句とかって頭の5文字でいいんじゃない?」
っていうのがあるんです。
たとえば「われときて 遊べや親のないすずめ」なら、
「われときて」が主題で、
「遊べや親のないすずめ」っていうのは、
「入れさせてもらいます」っていうくらいで入るような、
頭の5文字をよく見せるためのものなんじゃないかと。
「古池や」だったら、「古池や‥‥」でおしまい。
「蛙飛び込む水の音」で、いちおう古池のまわりを
つくってるわけですよ。
「五月雨を」は、「五月雨を‥‥」であって、
「最上川‥‥」ではないわけですよ。
最上川のことを言いたいときは、
「最上川」ではじめるべきなんでしょうね。
だから、さっきのに戻るけど、
「なまはげよ」は、ほんとよくできてます。
繰り返します。
ほんとに言いたいことは、先に言うんです。 |
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投稿してくれた人は、
「なんでこれが?」って思うかもしれませんが、
「冷やし中華はじめました」にしました。
これ「桜咲きました」と同じことですからね。
なんでもないんですけど、
こういう季節もちゃんと入れたいんです、カルタに。
次点の先斗町もよかったです。
でもやっぱり「先斗町」は
ポンと頭にきたほうがいいです。 |
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これも笑いました、両方とも。
どっちにも選ばれる資格はあるんですよ。
「ニオイ」はボディ、
「あいさつ」はことばだから「知」ですよね。
その意味では「肉は知に勝つ」ということで、
「すごいニオイ」を選びました。
かなり競り合って、
ボディコンシャスなほうにいきましたね。
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悪くないです、これ。
便座の温度で、からだが秋を感じる。
ニッポンの読み札ですね。
「別腹」は、「駅弁は別腹」というのがあったので、
それをさらに追いかけるように次点にしました。
「別腹」という概念そのものが、
日本をあらわしてるんでしょうね。 |
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これにしました。
うちでしか選ばれない札ですから、
せっかくですので入れさせていただきましょう、
というきもちです。
次点は見つからなかったです、残念ながら。 |
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この3作品は、よかった。
「ま」はいいですね、なぜだろう?
どの札もぜんぶ、言いたいことが冒頭にきてますしね。
最終的には声に出して読んでみて、
「祭りといえば 尻を出す」になったんですが、
ほかももったいないですね。
「ど、どうしよう」っていうのの「ど」がいいし、
「マロンチック」っていうのもナイスです。
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水のあるところに小銭あり。
これは不思議ですね。
でも日本だけじゃなく海外でもこの現象はあるから
「ふしぎと愛おしい日本」ではないのかな‥‥
と考えていたら思いつきました。
「海外の水の中にある小銭って、
あれ、日本人のしわざじゃないか?」
いや、まあ、でたらめなんですけど。
「日本人が海外に行った場合、
小銭の感覚がマヒするから投げやすいだろうし」
などと思いが広がったりして
それがちょっとおもしろかったんで、これに。
次点の「父」もよかった。
これをしでかすのは父じゃなくてもあるんだけど
ここはやっぱり「父」を出したい。
「父」というものは精神過剰になりがちなもんですよ。
「朝顔があったらどんなにいいだろう‥‥」とかね。
精神過剰のことを、ぼくはロマンチックと呼ぶんです。
だから、この読み札は、じつはロマンチックなんです。 |
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「め」も、ないですねえ。
がんばりましょう、よろしくお願いします。
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「もしもし」っていうのは、
いつか消えるのかな? と思ったこともあったんですが、
まったく消えませんからね。
このふしぎは、選んでおきたいところです。
次点。
また「父」です。
おとうさんは何したわけじゃないんでしょうに。
ここでも精神過剰な香りが漂いますね。
当然、これもロマンティックです。 |
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というわけで、みなさま、
今回「該当作なし」が並んでしまいました。
そこで‥‥

読み札をきちんと1枚ずつそろえるために、
「ぬ」「ね」「む」「め」ではじまる読み札を
再び投稿のほど、どうぞよろしくお願いいたします!
締め切りはひとまず1月の7日とさせていただきますので、
この年末年始に、ぜひ読み札を考えてみてください。
ふるってのご投稿、お待ちしています!
ナイスな読み札が集まりましたら
再度、選定を行って、
ここで発表させていただきますね。
投稿の方法は、
下にあります「投稿のルール」をお読みくださいませ。
それでは!
‥‥って、まだ発表が終わったわけではありません。
次回、ラスト、
「や行」~「わ行」を、おたのしみに!

募集するのは「読み札」
カルタは「読み札」と「取り札」に
わかれていますが、ここでは「読み札」を募集します。
6種類の文字ではじまる読み札を
今回、募集するのは
「ぬ」「ね」「む」「め」「よ」「ろ」
いずれかの文字ではじまる読み札です。
「ふしぎと愛おしい日本」がテーマ
なにを書いてもよい自由な投稿です。
でも「ふしぎと愛おしい日本」というテーマからは
どうぞ、はなれないようにしてくださいね。
ひとつのメールにひとつの「読み札」
いっかいの投稿で送る「読み札」は、
一作品だけにしてください。
ひとつひとつ、集中して吟味したいので。
たくさん思いついた場合は、
何回もメールを送っていただければ大丈夫です。
詠み人しらずの投稿です
『万葉集』のように、というと大げさですが、
“詠み人しらず”の作品を集めたカルタを目指します。
“無名の知”のパワーに期待するカルタを。
なので、投稿者のハンドルネームは発表いたしません。
2008-12-25-THU