カルタ・ド・ニッポン



第44回 取り札の選定、開始!

ほぼにちわ、
「ほぼ日本カルタ委員会(仮)」です。

「取り札」の投稿は着々と集まり、
気がつけばもう、
けっこうな枚数をここで掲載してまいりました。
ぼちぼち、どんな札が「良い取り札」なのか、
その指針のようなものを知りたいですよね?

このあたりで一度、
優秀な「取り札」を選んでみることにいたしました。
選考を行ったのはもちろんこの人、
「ほぼ日本カルタ委員会(仮)」会長、糸井重里です。

これまでに掲載した「取り札」を
プリントアウトして会長の前に並べ、
目にとまった作品を抜き出してはコメントをもらう。
そんな流れで、この選考会はとり行われました。

ちなみに「取り札」の選定は、
「決」と「いまのイチバン」という2種類の判定で
進めてまいります。
「決」は「この札に決定!」という意味。
「いまのイチバン」は、
「ひとまず現在のイチバンだけど、もっといいのを募集」
という意味。
無印の札は、「引き続き募集」です。

それでは、
札の発表へと移ってまいりましょう。
糸井会長の「みじかい感想」にはじまる、
現時点での優秀な「取り札」をご覧ください。

ひねるのがいいとも限らないし、
かといって、
ひねらない札ばっかりでは、おもしろくない。
っていうところが、このカルタの
おもしろいところですよねぇ。

最初の選考ということで、ひとまず選んでみました。

あと、肉まんひとつ
  (猫林キャロン)
まず最初は、ひねらずに、
普通にこれでいきましょう。
「素直さが強い」こともある、ということです。


いくつに見える?
  (房州翁)
ずれてるんですけどね、
これにしようかな。


おすしすき すきすきおすし すきおすし
  (白菜)
「おすしすき すきすきおすし すきおすし」(笑)。
これはほんとに、すばらしい読み札です。
いいのが何枚も来てるんですが、
とりあえずこれをいちばんにしておいて、
もうちょっと見てみたいですね。


カレーうどんが ある国よ
  (リョーコ)
もう、これでしょう。
「今」があります。
セーラー服で、3人も出して。
この汚れ具合とか、最高です。


きんもくせいは 運動会の香り
  (リョーコ)
おしいですね。
女の子がウッフンみたいなことをしてなければ、
これで決定だったのに。
ふつうに座ってるだけでよかったのに。


空中でもまぜる 納豆
  (トモ)
いいんですけど、納豆がちらかってますね。
もう一息。
まぜ終わっても、まだ糸をとってるのが、
「空中でもまぜる」ってことでしょう?
ほんとうに空中で納豆をまぜちゃうと、
ちょっと違うような気がします。
空中で箸だけをくるくる回してるのが、
本来は正しいですよね。
その正しいやつをお待ちしています。


敬老の日は 早くけえろう
  (リョーコ)
(リョーコ)さんはうまいですね。
ストレートな表現はとくにうまいです。
これにしましょう。


ごめん 寝過ごした
  (白菜)
「ごめん 寝過ごした」には、
わかりやすい取り札がたくさん届いたんですが、
これでいきましょう。
(白菜)さんは、これを思いついたときに、
「できた!」っていうのがあったと思うんです。
それが作品にあらわれてますよね。


さかさ富士 ぱんつのように 見えなくもない
  (チエペット)
いろいろ考えるより、ズバッとシンプルに。
おっしゃる通り、「見えなくもない」です。


鹿せんべいを 食べてみた
  (岩本みさを)
これ、いいんじゃないでしょうか。
とてもカルタっぽい。
こういうのも入れておきましょう。


すきまに プチトマト
  (リョーコ)
笑っちゃったんですけどね(笑)。
でも、まちがえてますから。
やっぱりこれは、まちがえない方がいいでしょう。
「お弁当の話ですよ」っていうのを、
あらためて言っておきましょう。


ぜんぜん 若く見えますね
  (ももももも)
これ、ハリーさん?
ちがうの? すごく似てるじゃない。
身内の投稿かと思った。
もう、いっそこれにしちゃいましょうか。
銅像に言うのもいいじゃないですか。
ここは、ひねりぎみのやつにしましょう。


寺! 寺! 寺!
  (みさを)
もっと複雑にする手もあるけど、これで。
ほんとは寺をかためたほうがいいんですよね、
ちらすんじゃなくてね。
4分の3くらいのとこにかためて、
寺がない場所もつくっておきたいんですが‥‥。
でもまあ、これでいきましょう。


とりあえず 味噌をかけてみる 名古屋
  (チエペット)
いいと思います。
決まりです。


なまはげよ むしろお前が 泣かしてる
  (小松)
顔の怖い「なまはげ」が何作か届きましたが、
脅かしてるってことを顔だけでやんないほうがいいですね。
顔はもちろん怖いんだけど、
なまはげに「やっちまった感」がないと。
(小松)さんのは、
それがけっこう出てるんじゃないですか。
これを見てると「おちつけ」って思うでしょ。
「なぐごはいねがー」って叫んでるけど、
「おちつけ」、と。
お前が来る前は泣いてなかったぞ、と。
あたりまえなんですけどね。
なまはげっていうのは泣かしに来てるわけですから。
でもやっぱり、「おちつけ」って思う。
そこをいったりきたりする感じが、出てますよね。


二丁目あたりは ゲイタウン
  (小松)
うーん‥‥もう一息。
これこそ、いい感じで二丁目の街の写真が
ポンと撮れたらいいですよねえ。
具体的にぜんぶを言わなくてもいい札ってあるでしょ。
これなんかは、そうだと思うんですよ。
そういうのは、ぜひ写真でいってほしいですね。
「具体的にぜんぶを言わない」っていうのは、
イラストの作品でも有効なんです。
全般的に、そういうアプローチがもっとほしいですね。


ぬかづけ みそしる しろいめし
  (みさを)
これ。
ストレートにわかりやすく。
おいしそうですよね。


ねこよ、どこへゆく
  (yucca)
「ねこよ、どこへゆく」はおもしろいですねえ。
これは犬じゃできないですよね、
犬はどこかにいくに決まってますものね。
全体的に、いいです。
で、いまのところいちばんいいのはこれかな。
向こう向きじゃないのに、
そういう感じが、すごくする。
こっちを見ないで、
行こうとしているからですよね(笑)。
だからこんなに「どこへゆく感」があるんでしょうね。
もっと見たいので、
これは引き続き募集しましょう。


残り物じゃないの 残しておいたの
  (yunbo)
そうなんでしょうけど‥‥。
もうちょっと、きれいなのがほしいです(笑)。
この札を見た人が「手が出る」感じのもの、
「食べていい」と思えるやつをお待ちしてます。


早くなる ジャンケン
  (さやか)
これがいいけど、もっとできますよね。
はっ、はっ、はっと、
もっと早くなるのを、よろしくお願いします。


武道は だいたい ニオイがすごい
  (ここ)
まっすぐに、これにしましょう。


便座で感じる 秋の気配
  (ここ)
窓の景色を秋らしくしていないのがいいです。
この景色がすっかり秋だと、
気配じゃなくなりますから。
すばらしいんじゃないでしょうか。


ほんぼにっがん イドイすぃんぶん
  (さやか)
もう、このおじいちゃんに決めちゃおう。
(さやか)さんの作品は、
気になるなにかがあります。


祭りといえば 尻を出す
  (nizayun)
この、グニャって感じがいいですね。
これでいきましょう。


名案なければ あみだくじ
  (小松)
名案なければ あみだくじ
  (さやか)
(さやか)さんのが捨てがたいんですけど、
ここは(小松)さんにしましょうか。
(さやか)さんのは‥‥
「ガスト」とか「サイゼ」がいいんだよなあ。
この人はちょっとセンスがいいんだと思います。
出力がないのに完成度が高い。
出力っていうのは、つまり画力のことです(笑)。
でも、ある意味で完成されてますよね。


「もしもし」って かわいい響き
  (バンドリ)
おしいですね。
普通に目を開けて、
もっと普通の顔をしていればいいのに。


山を見て 遠くに来たなと 東京人
  (T)
きれいな写真で、
わかりやすい取り札に思えるんですけど、
こんなに山を見てしまわないほうがいいと思いますよ。
移動の最中がいいんでしょうね。
車窓から見たりするような。
「知らないあいだに遠くへ来たなあ」
「いつの間にか山が見えてたんだ」
というのが大切だと思います。


由美かおる そして しずかちゃん
  (小松)
描けてるんですよねー。
でも、もっと抽象的な方がいいなあ。
お風呂を描くだけでもいいんだと思います。
お風呂に人がいた気配だけで、
これは成り立つと思いますよ。
そういうのを、ぜひ。


よろしくと言って 去る男
  (龍虎)
これ、すごくいいじゃないですか!
これ、なにこれ(笑)。
すごいなあ、うーん、
今回の「大賞」クラスですよ。
「よろしく」って言ってますよね。
で、手前の子は「あ、はい」って(笑)。
今回、いちばんいいです。


ライスとパン どちらにしますか
  (文山堂)
かわいい。
Tシャツにしたいくらいです。


りんごはいつも うさぎちゃん
  (さやか)
(さやか)さんは、ぼくと相性がいいんです。
スッと選んじゃうんだよねえ。
これでいいかと思わせる、なにかがあるんですよ。
出力は相変わらず、あれですけど(笑)。


ルール知らねど ガンバレニッポン!
  (リョーコ)
いいと思います。
でも、これじゃないとすれば、
どうするだろうなあっていうのを思ってしまうんです。
欲がでてくるというか‥‥。
ひとまず、これをいちばんにしておいて、
もうちょっとちがう表現を募集してみましょうか。
テレビをみている人たちの熱狂を描くとか、
お母さんが料理の最中なのにとか、
また別な角度のものを。
それで、これを超えなければ、これにしましょう。


6月がなけりゃ 米はねえ
  (sue)
6月のスターが言ってるわけですよ。
「そうだ!」って思うでしょう?
渡哲也が、
「警察の仕事は大変です」
って言ってるのと同じなんです。


私のからだは うどんで作られているの
  (小松)
私のからだは うどんで作られているの
  (さやか)
きもちわるさも素敵な、これにしましょう。
ここでもやっぱり、
(さやか)さんのが気になるんですけどね(笑)。
「うどん」って描いてあるんですよ、からだに。

というわけで、
今回の選考会で、22枚の「取り札」が
「決定札」として選ばれました。
全44枚中の22枚ですから、ちょうど半分。
予想していたよりもたくさん決まったと、
「ほぼ日本カルタ委員会(仮)」は思っております。

いよいよ、詰めの段階になりました!
すべての「取り札」を決定して、
ひとそろいのカルタを完成させましょう!
そこで‥‥

残す22枚の「取り札」を、
ゴールデンウイーク中に募集します!

締め切りは、
5月11日(月)の午前11時。
そのあと再び、一次選考のように応募作の紹介を行い、
さらにそこから、会長による選考会を実施いたします。

決定済みの「読み札」をながめて、
「描いたり」「撮ったり」してみてくださいね。
あ、念のため。
今回「決定札」が選ばれた22枚については、
もう「決まり」ですので、
ほかの「読み札」の「取り札」をご応募くださいね。

決定した44枚の読み札はこちら↓

ほぼ日カルタ・全読札
※きわめてニッポン的な音がしますのでお楽しみに&ご注意を

ぜんぶの読み札をサクッと見渡せる
テキスト版はこちらでどうぞ。  

応募方法のくわしくは、
下の「投稿のルール」をよくお読みくださいませ。

老若男女プロアマ問わず、
ふるっての投稿を、お待ちしています!
ゴールデンウィークに、カルタをつくりましょう!!

2009-05-02-SAT
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