糸井重里

・「ちいかわ臨書」をしていてね、わかってきたこともある。
 まずは、目がむつかしいということからわかる。
 そして、そのむつかしい目は、作者のナガノさんは、
 どういうふうに描いているのかを観察することになる。
 いちばん雑にいえば、まるを描いて、
 そのまんなかに大麦のように一本の線を入れればいい。
 と、思ったら実はそうじゃないんだな。
 小さい絵の場合には、その感じで描かれているんだけど、
 よく見ると、まるのなかに、もうひとつまるがある。
 そして、大きなまるの底の部分は笑う月になっている。
 目玉のまるのなかに数字の9を描くような感じかな。
 大事なのは、大きい◯も、小さい◯も、歪まず尖らず、
 おだやかにまるくないといけないということである。
 下部の笑う月の部分は、小さくなってもかまわないが、
 黒くつぶさないように注意しなくてはいけない
 (以上、読み飛ばされているかもしれないな…)。
 と、まぁ、これくらいのところまでわかっても、
 そういうふうに描けないのだから、日暮れて道は遠い。
 もっと言えば、ちいかわ、うさぎ、ハチワレの3人とも、
 同じように見えて目の描かれ方は、ちょっぴりちがう。
 さらに目や口の位置、耳の位置、まゆげの描きわけ、
 描線の太さ、勢い、速度感など、たいへんなものである。

 しかし、アニメーションになっている以上は、
 作者ならではの微妙な表現というだけでなく、
 ある程度、描画のスタッフが再現できるような
 「ちいかわを描くためのルール」があるはずなのである。
 そこに、たどりつけないものかなぁ、と思うばかりだ。
 「ほぼ日の學校」で、「ちいかわ臨書の教室」とか、
 やれたらいいんだけどなぁ、やれないものかなぁ。

 とかね、昨日も「ちいかわとAI」のことばっかり考えて、
 一日を過ごしてしまったのであった。
 映画の話は、マンガの第8巻の物語だけれど、
 この世界の概要を把握するなら第1巻を読むといいです。

 ◆今日の質問はno.026「機嫌はいいほうですか?」。
 急にそう聞かれてもね(笑)。でも考えてみてください。
 そして、よければ、メールに書いてぼくに送ってください。

今日も、「ほぼ日」に来てくれてありがとうございます。
見ても知っても実際にはできないことって、山ほどあるよね。

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