糸井重里

・さて。
 耳は髪か、ちがう。耳の後ろは髪か、ちがう。
 うなじは髪か、どれほどの色気を漂わせてもそれはちがう。
 首もちがうし、額もちがう、髪ではない。
 だから、髪を洗うシャンプーでは洗わないつもりでいる。
 そうは言っても、ひたいの生え際だとか耳の後ろだとかは、
 一連の流れのなかでシャンプーで洗っている。
 みんながそうしていることだろう。

 髪はシャンプーで洗い、顔は顔を洗うための泡やらで、
 それ以外のボディ全般はボディシャンプーで
 洗うことにはなっている。
 そうしたほうがよいから、そうしているというわけだ。
 しかし。
 髪を洗うシャンプーで顔を洗ったり、
 胸やら腹やらボディのあちこちを洗ったりしたら、
 大変なことになるか? 
 おそらく、大変なことにはならないだろう。
 なんなら、衣類の洗濯をしてもバスタブの掃除をしても、
 大変なことになどならない。
 ずいぶんとめんどくさいことを言ってるようだが、
 そういうもんじゃぁないですか、みなさん。
 シャンプーだの洗顔料だのボディシャンプーだのと、
 分けてあるから、それに合わせているだけで、
 その分け方をしっかり守らなくても、
 だいたいは、大変なことになんかならない。

 今回、めずらしく書きたいことはすでに決まっていたのだ。
 「大変なことになんかならない」ということだ。
 それが言いたくて、シャンプーのお話をしただけなのよ。
 ほんとうに「大変なことになる」ことはあるよ、いっぱい。
 命がかかってることだとか、世界を揺るがすようなことも。
 そういうことについては、言えないよ、知らないもの。
 だけど、シャンプーでどこを洗うか程度のことも、
 山ほどあるんだよ、大変じゃないことが山ほど。
 そういうことは、見逃してストライク三振でもいいよ。
 ま、この文章を読まなくても、
 もちろん! 大変なことになんかならないんだ。

今日も、「ほぼ日」に来てくれてありがとうございます。
大変なことにならなくても、大切にしたいことはあるけど。

ほぼ日ホームに戻る