「なんか、いい写真」を撮るひと。

photo by akemi

ひとり目:akemiさん(前編)
まずは猫と遊んで、だんだんと仲よくなると、
写真を撮らせてくれるようになります。

akemiさんの投稿を見ていて思ったんですけど、
猫だけじゃなくて、
犬を撮るのもお上手ですよね。
犬を撮るときになにか
意識していることってありますか?
そうですね、犬のときは、
ご家族の方が一緒にいることが多いので、
まずはその方にあいさつして、
「撮らせてください」ってお願いします。
やっぱりあいさつから始めるんですね。
はい。
その後は、特に猫と接するときと違うことはせず、
ふつうに2、3枚撮らせてもらうんです。
もちろん犬も好きで、仲良くなりたいんですけど、
ドコノコに投稿したスパークくんを撮ったときは、
あんまりうまくいきませんでした。

akemiさん、猫とはすごく仲良くなれるのに。
うーん、そうなんですけどね。
スパークくんがくわえてるわっかを投げて、
一緒に遊びたかったんですけど、
ギーって強くくわえたまま、離してくれなくて。
ほんとうだ。
「おまえには渡さないぞ」って顔してる。
しかも、写真を撮ったあとは
プイってそっぽを向かれちゃって。
犬の気持ちはあんまり読めないみたいです(笑)。
akemiさんにもそういうことがあるんですね(笑)。
あと、akemiさんの投稿を見ていると、
コメントやタイトルもいいなあって思うんです。
たとえば、このブックタイトルの
「おじゃまします」とか。
「おじゃまします」ってなかなか
思いつかないような気がします。

▲ ブックとは、ドコノコのなかにつくる
 アルバムのようなものです。

犬や猫が静かに暮らしてる場所に
「おじゃましている」と思って写真を撮っているので、
そのタイトルになりました。
ああ、たしかに犬や猫にとっては、
人間が「おじゃまします」ですね。
はい。それと、犬や猫に対してだけじゃなくて、
犬や猫をお世話してくれている地域の人にも、
「おじゃまします」という気持ちなんです。

なるほど。
それで、撮影をしていて気づいたんですけど、
地域の猫を1時間くらい撮影していると、
いろんな人が代わる代わる
その1匹の猫のところに来て、ごはんをあげるんです。
つまり、その猫は1日に何回もごはんを
もらうことになるんです。
猫はお腹いっぱいになっちゃいますね。
そうなんです。
ごはんをあげる人同士はお互いのことを知らないので、
「わたしだけがごはんをあげている」って
どうしても思っちゃうんです。
だから、みんながあげちゃうんですよね。
うーん、たしかにそう思っちゃいますね。
ごはんだけならまだいいんですけど、
目にすこし病気のあった猫に、
3人の人が別々の薬をあげてたことがあったんです。
え、それは大変だ。
わたしも「まずいな」と思ったので、
まずはその3人の方それぞれにごあいさつして、
連絡先を交換して、やりとりして、
最終的に薬を1つにできたんです。
すごいですね。
しかも、その猫はその後、
里親も見つかったんですよ。
うわあ、よかったですね。
そういった猫の保護活動のようなことも
やられているんですか?
そうですね。
猫を保護するためのパトロールは、日課です。

▲ akemiさんのブック「ねこぱと。」より。
見守られている、お外のこ。

どういうきっかけで、
保護活動に興味を持たれたんですか?
イヴとチョコが家族になってからは、
他の猫についても気になるようになって、
いろいろと調べるようになったんです。
そしたら、屋外には、あまりよくない環境で暮らす
たくさんの猫がいるということが分かって。
はい、はい。
だからわたしも、地域の猫を撮影しつつ、
ごはんをあげたりしていました。
「わたししかごはんをあげる人がいない」って
勘違いしていたことが、わたしにもあったんです。
最初は分かりませんよね。
はい。でも今では、
猫ちゃんが多いところには
きちんとボランティアさんがいて、
去勢を済ませてくれていることもあると知りました。
そうなんですね。
そういったボランティアさんにとっても、
ドコノコというアプリは
役に立つんじゃないかな、と思うんです。
地域の猫の写真を投稿することで、
「この猫の面倒はわたしが見ています」って
みんながわかるようになったらいいなあと。
なるほど、それはいいかもしれませんね!
でも、猫の写真に位置情報をつけるのが、
やっぱりすこし心配なんです。
猫のいる場所がわかると、
猫にいたずらをする人が出てくるかもしれませんし....。
そうですよね。
ただ、猫の写真に位置情報をつけたとしても、
猫の住んでいる場所が
正確に分かるようにはしていません。
自分の身の周りにどんな犬や猫が住んでいるのか
ユーザーさんにはわかるようにして、
みんなで身の周りの犬や猫を見守ることが
できるといいな、と考えているんです。

ドコノコであつかう位置情報について

「エリア」のページにある「このあたりのこ」では、
現在地から半径1km以内の避難所に登録している
犬と猫のブックを見ることができます。
また、「このあたりで撮られた写真」では、
現在地から半径1km以内の場所で
撮影された写真を見ることができます。
避難所や撮影場所を、他のユーザーから
特定できるようにはしていません。

なるほど、そうなんですね。
地域の猫のお世話をする人は、
ほんとうに休みなく、365日、
雨でも雪でもごはんをあげたりしているんです。
だからドコノコを通して、
お世話をする人たちの負担が減って、
そしてなにより犬や猫が
もっと暮らしやすくなるといいですよね。
そう思います。
今、お世話のボランティアをしている人たちとは、
犬や猫の健康状態のことや、ごはんのことなどを、
SNSを使ってやりとりしているんです。
だから、個人的に、
ドコノコもそういうコミュニケーションに
使えるといいなって思います。
じつは、まだ企画中なんですけど、
いずれはユーザーさん同士が
直接連絡をとれるような機能を
つけることができるといいなあと、考えているんです。
いいですね。
そういう機能ができたら、ぜひ役立てたいです。
今後も「ドコノコをもっとこうしたほうがいい」という
ご意見があったら、遠慮なく教えてくださいね。
それでは、今日はたくさんの
お話を聞かせていただき、ありがとうございました。
ありがとうございました。

akemiさんからのおしらせ

インタビューから数日後、akemiさんから、
「わたしが猫ちゃんを
 撮影するときに心がけていることを、
 これから撮影なさる方にもぜひお伝えしたい」と、
メールをいただきました。
猫の撮影をする方へ、7つのおねがいです。

  • 1.急には近づかない。
  • 2. 大きな声をださない。
      (かわいいー!は心のなかで)
  • 3.むやみにさわらない。
  • 4.カメラのフラッシュはオフに。
  • 5.シャッター音もオフにする。
      (スマホのシャッター音は、
      スピーカーを手でふさいで音量をさげる)
  • 6.猫ちゃんをむりやりカメラ目線にしない。
  • 7.猫ちゃんが距離をとったら追いかけない。
(akemiさんへのインタビューは、おわりです。
 次回、Kiyomiさんへのインタビューにつづきます。)
2016-06-06 MON