田中宏和 同姓同名観測所

田中宏和さんの本「田中宏和さん」がおかしい。

田中宏和さんが呼びかけ、
田中宏和さんがデザインをし、
田中宏和さんたちが原稿を書いた本、
『田中宏和さん』がついに発売されました。

しかも、初版はすぐに完売。
すぐに重版がかかったとか。
(重版がかかる、とは在庫がなくなってしまった本が
 新たに刷られて世に出回ることを言います。)

できた本をいただいて目を通したのですが、
それはもう、全篇「田中宏和さん」のことばかり。
試しに目をつむったままページを開いてみると‥‥
作曲の田中宏和さんのページでした。
もう一度目をつむってページを開くと‥‥
今度は『田中宏和の歌〜英語バージョン』の歌詞でした。
このように、どこを開いても必ず
「田中宏和さん」のことが書いてあります。
まさに「ファンなら買い!」と
どこかで聞いたことのあるようなことが言えると思います。
で、ページをめくっていて気になることがひとつ。
ときどき以下のようなマーク(?)が出てくるんです。

「はて、これはなんぞや?」と思っていたところ
帯には以下の文字が。
「日本初!? AR(拡張現実)実装本」。
「えー‥‥あーる?」ますますわけがわかりません。
でも、どうやらこの本には
変なことが隠されているようです。
じゃあ、わかんないから直接聞いてみよう、
というわけで田中宏和さんに直接お訊きしました。
すると、田中宏和さんとは別に
もうひと方いらっしゃったんです。
「もしや、この方も田中宏和さん?」と思いきや、
その方は「カワダさん」という方でした‥‥。
いま思えば、この方が
今回のよくわからないことのキーマンだったのです。

ーー まずは、出版おめでとうございます!
田中宏和 ありがとうございます。
ーー これまた、いろんな意味で
とんでもない本に仕上がりましたね。
田中宏和 そう言ってもらえると作った甲斐がありますね。
でもね、作っているときは
正直言って心配だったんですよ。
ある意味、同人誌じゃないですか。
 
ーー まぁ、そう言われればそうかも(笑)。
田中宏和 その同人誌臭さをなくすために
姓名判断や社会学者の方に
お話を聞いているんですね。
その流れで今回、「AR」というものを
採り入れてみようということになったんですよ。
ーー そう、それです!
その「AR」っていうものはなんなんですか?
田中宏和 その前に、この本が
「AR」対応になった経緯を説明すると、
僕がとあるイベントで
このカワダくんと知り合うんですけど、
彼はそこで、この「AR」という技術を使った
デモを披露していたんです。
 
ーー うんうん。
田中宏和 見ていたら、すごくおもしろいんですよね。
そのうち、
「AR実装本っておもしろいんじゃないかな」
と思ってすぐに相談したんです。
ーー それはまた、急な話ですね。
田中宏和 そうしたら
カワダくんのほうも興味を持ってくれたんです。
それが12月の頭。
ーー 12月の頭‥‥。
本の発売日から考えると
明らかに無茶なスケジュールですよね。
田中宏和 そう(笑)。急に決めたもんだから
出版社にも迷惑かけちゃって。
でも出版社もカワダくんのデモを見せたら
「あ、これはやりましょう」
という流れになったんですよ。
ーー へぇー、スゴイ。
出版社の人たちも
態度を急変させてしまうほどなんですね。
じゃあ、そもそもの話に戻しますと、
ARってなんなんですか?
田中宏和 じゃあ、説明するよりもまずは
カワダくんのデモを見てもらいましょうか。
ーー あ、そうしていただけるとわかりやすいかも。
ーー はぁー、なるほど。
「ほぼ日」読者向けに簡潔に言うと
決まったページにアクセスして
パソコンのカメラに
「マーカー」と呼ばれる印刷物をかざすと
そのページ内で何かが起こる、
というわけですね。
カワダ 簡単な部分で言えばそうです。
ーー ふんふん。
それがこの「田中宏和の本」では
どんなふうになっているんですか?
ーー へぇー。
これまた「ほぼ日」読者に向けて簡潔に言うと
「田中宏和.com」の特設ページにアクセスして
本に印刷されている
「タナカヒロカズ」という部分を
パソコンに接続したカメラにかざすと
特典映像が見られる、というわけですね?
田中宏和 そうですそうです。
カワダ この場合は「タ」とか「ナ」が
マーカーというわけです。
ーー なるほど。
田中宏和 本を買ってくれた人には、もっとこの本を
楽しんでもらえると思うんですよ。
それこそ、隠し扉を開けてから見る
といった感じですよね。
ーー この本、以上に楽しめますよね。
田中宏和 僕はね、この「AR」に
「技術が持っている怪しい魅力」を
すごく感じたんですよ。
それこそ「見せ物小屋」みたいな。
 
ーー いかがわしい雰囲気ってことですね。
なんとなくわかります。
田中宏和 あとは、このカワダくんの人間性にも
惹かれたんです。
ーー と言いますと?
田中宏和 鼻ピアスを開けていたりしてますけど、
彼、普段はサラリーマンなんですよ。
ーー え? サラリーマン?
カワダ 僕は、ふだんはとある企業で
システムエンジニアみたいなことをやっている
サラリーマンなんです。
 
田中宏和 しかも、なんかシステムの特許まで
持っているんだそうです。
ーー

えぇ、特許?!
鼻ピアス開けているのに特許?!

カワダ (笑)。
で、このARの活動は「AR三兄弟」という名前で
自分の部下たちとやっています。
AR三兄弟の活動としては
システムもつくるし、
イベントプロデュースもするし、司会もする。
ーー 司会(笑)。
田中宏和 ね? いかがわしいでしょ?
ーー えぇ、いい意味で(笑)。
カワダ 僕は、もともと田中宏和さんの活動は
知ってましたし、興味深く見ていたんですよ。
ーー あ、そうなんですね。
カワダ そもそも「同姓同名探し」自体が
別の田中宏和さんの人生を
追体験するという意味では
パラレルワールドだし、
拡張現実に似ていると思うんですよ。
だから、この本のARへの取り組みが
無理なくできたな、と。
ーー おぉ。
じゃあ、もう両者の相性はバッチリですね。
田中宏和 やっぱりね、このふたつの共通点は
さっきも言ったように
「いかがわしい」っていうところなんです。
それこそ、僕が最初のころに出会った
田中宏和さんたちは「同姓同名探し」に対して
「ヤバイ活動集団なのでは?」っていう気持ちを
ホントに抱いていたって言うんですよ。
それこそ壺とかハンコとかに繋がるような。
 
ーー アハハハハ。
田中宏和 そんなニオイが
「AR」からもしてきたんですよ。
どっちも無駄っていう(笑)。
一同 あはははは!

駆け足で説明しましたが、
「AR」のこと、おわかりいただけましたでしょうか?
ちなみにいまのところ
このARが体験できるのは、パソコンに接続された
webカメラと呼ばれる外付けのカメラ、ならびに
ノートパソコンなどに内蔵されているカメラのみ。
携帯電話では試せませんのでご注意ください。

そして、最後に大きな告知を。
田中宏和の歌、田中宏和の本ときて、
今度は「田中宏和の会」。
その名も「田中宏和運動 全国大会」が
開催されることになりました。

開催日は2010年4月3日
開場18時、開演19時、終演21時。
場所は東京お台場の「TOKYO CULTURE CULTURE」。
前売り2000円、当日2500円で
ただいまイープラスで前売り券発売中です。

内容は
15年にもおよぶ田中宏和運動アーカイブトーク。
全国から集まった田中宏和さんの
初対面、名刺交換、ニックネーム(○○の田中宏和)命名。
田中宏和生ライブパフォーマンスショー。
そして最後は感動の著書サイン会!

詳しくは田中宏和.com、並びに
TOKYO CULTURE CULTUREのページをご覧ください。
あぁ、恐ろしいほどくだらない!

2010-03-29-MON
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