エナガのねぐら。  カワイイ小鳥の観察記 フロム富士山麓
 
今週のエナガ  巣作りスタート!
 

今日もいたいた、かわいいエナガ。
二人で仲良くデートかな…と思ったら、
おお、巣を作っているんだ!

エナガの巣は、
コケと羽毛とクモの糸でできた、
長さ12cm前後の袋状となります。

巣作りは、まずはじめに、
コケや細い枝などを持ってきて、
クモの糸や虫のマユの糸で上手に
接着しながら、袋状に作って行きます。

▲虫のマユから糸を取るエナガ。
今週見つけた3つの巣のうちの、
記念すべき第一号のエナガです。
巣作りがんばれー!

▲木にはりついているコケを毟り、
口にくわえて巣まで運びます。
(三号巣)
こっちもがんばれー!

巣の外装がある程度できてきたら、
今度は鳥の羽根を拾ってきて、
巣の内側にビッシリと貼りつけることで、
ホカホカの内装とします。

▲鳥の羽根を山ほど持って帰るエナガ。
(二号巣)
超がんばれー!

というわけで今週は、
うちの近所に三つの営巣を確認しました。
が、しかし、どの巣も10mくらいのモミのテッペン。
枝葉が茂っていて、下からはまったく見えず。
残念!

巣が完成して雛が巣立つまで、
どうか強風や大雪がありませんように。
と祈る毎日です。

今週もねぐらは撮れてません。
てへ。

 

その2 羽毛と羽根

先週は、エナガの顔を見るだけで、
息があがって終わってしまいましたが、
みなさんはいかがお過ごしでしょうか。
エナガの禁断症状は出ていませんか?
ややっ、出ていますかそうですか。
それが、正しい、人間です。
(キッパリ)

さて今週は、羽毛と羽根について、
ちょう詳しく見てみましょう。

まずは羽毛の具合をどうぞ!

ぎゃーカワイイ!

じゃなくて、ええと、
羽毛の生え方がよくわかるように、
至近距離まで近づいてきたときの写真から、
顔〜肩羽の部分を大きく切り出してみました。

ノドから目の下あたりにかけての羽毛は、
精緻に織り込まれた絨毯のような美しさ。
羽毛は軽くて暖かくて最高の素材ですね。

首の後から羽根の上をカバーしている肩羽は、
枯れた赤ワインのような色をしています。
なんともオシャレなショールだなぁ。

さて次は、おなかの羽毛を見てみましょう。

ぎゃーモフモフ!
顔を埋めたい!
(身長2cmにならないと無理です。
 しかもそのくらいの小ささだと、
 エナガに食べられてしまうかも)

さておつぎは、羽根を見てみましょう。

哺乳類っぽい顔のエナガですが、
れっきとした鳥であります。
だから空を飛ぶための羽根があります。

この羽根、開くととてもキレイなのですが、
動きが早過ぎて、肉眼では捕らえられません。
カメラで写して、ようやく詳細が見えてきます。

特にこのシッポ(尾羽)を、よくご覧ください。
エナガのシッポは、
ながーい羽根10枚でできているんですね。
外側3対(6枚)の外縁部には、
湾曲した白いエリアがあります。
だから、シッポを閉じた時に裏側から見ると…

ほら、こんな美しいパターンになるんです。

いいですね、エナガ。
すばらしいですね、エナガ。

小さくて丸くてフワフワで、
キレイな肩掛けにモフモフの羽毛、
開いても閉じても美しい尾羽。

いったいなんの必然性があって、
こんなにカワイイものが生まれちゃったのか。
知れば知るほどに、謎は深まるばかりです。

それではエナガ中毒の皆さん、また来週〜!

2012-04-03-TUE
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