エナガのねぐら。  カワイイ小鳥の観察記 フロム富士山麓
 
今週のエナガ 観察日 2012年4月6日 − 4月12日  カケスめ…
 

今までに見つけた四つのエナガの巣は、
すべて10m以上の高さにあったのですが、
今週みつけた五つめの巣は、
なんと1mくらいの隈笹の薮にありました。

これなら巣の様子を見れるかな…
と期待したのですが、
あいにく薮が厚く密集していて、
まったく見えません。
薮をかきわけて接近すれば見れるでしょうが、
そんなことするとエナガが驚いちゃうので、
ここは、いさぎよくあきらめて、
遠くから様子を見守ることにしました。

▲5号巣のエナガ。
なんというか、美少女風、でござる。
イイ。カワイイ。がんばれー!

この巣の雛が巣立ったあとで、
使わなくなった古巣を観察・回収して、
巣の構造などを詳しく調べてみたいと思います。

さて、先週しょんぼりな感じだった1号巣のエナガは、
嵐で破壊される前の場所(細いモミのてっぺん)に、
新しい巣をさっさと再建し(立ち直りがはやい)、
どうやら、もう、卵を抱きはじめている気配です。

だがしかし、一難去ってまた一難。
こんどは、1号巣のごく近くの別荘の軒下に、
カケスが巣を作りはじめました。

カケスやカラスは、
エナガなど他の鳥の卵を食べちゃうらしいので、
私はもう、心配で心配でたまりません。
ちょうど10日の新聞に、トキの卵を持ち去る
カラスの写真が掲載されたばかりです。
うきー。

▲カケスに文句を言っている1号巣のエナガ。

うろうろしているカケスのまわりで、
1号巣のオスのエナガがジュルリジュルリと
文句を言いながら、飛び回っています。
がんばって巣を守ろうとしているようですが、
いかんせん体のサイズが違いすぎるし、
勝ち目は薄いんじゃないかと思います。
ともあれ、遠くから見守りたいと思います。

先人の論文をあたってみると、
エナガが繁殖に成功する確率は、
それほど高くはなく、
16%〜35%程度と思われます。
また、カラスやカケスが多い森林では、
成功率が低くなる傾向があるような記述もあります。

1巣で10羽くらいの雛を巣立たせるわけですから、
そのくらいの成功率じゃなければ、
あたり一面エナガだらけになってしまいますよね。

すごい!
エナガだらけ!
そっちのほうがいい!

と、エナガが大好きな私は、
ついそう思ってしまいますが、
いやいや、何百年、何千年も続く
自然のバランスにまかせるのが、
結局のところ、一番良いのでしょうね。

 

その4 北海道のシマエナガ

エナガフリークのみなさん、こんにちは!
今日は北海道のシマエナガを紹介しますよ。

そもそも日本にいるエナガは、4亜種です。
わが富士山麓を含む本州に住むのがエナガ。
四国・九州にはキュウシュウエナガ、
対馬にはチョウセンエナガ、
そして北海道にはシマエナガが住んでいます。

エナガ、キュウシュウエナガ、チョウセンエナガの
3亜種は、見た目がほとんど同じだと言います。
しかし、北海道のシマエナガだけは、
はっきりと違いがあります。
その違いとは、顔です。
顔が、白いのです。
まっしろなんです。

顔が白いとどうなるかというと、
カワイイんですね。
カワイサが増量するんですね。
これは放ってはおけませんね。

というわけでエナガフリークの私は、
今年の1月、津軽海峡を軽々と飛び越えて、
シマエナガを探しに北海道へ行ってまいりました。


▲晴天の津軽海峡。

三泊四日の旅程です。
まず最初に行ってみたのは、
ウトナイ湖のネイチャーセンター。

あっ鳥がいました!


▲スズメですね。

真冬なので、モフモフしてて可愛いですね。
なんだか悪そうな表情も、たまりませんね。
でも私が探しているのはスズメじゃなくて、
シマエナガなんです。

シマエナガどこー?

地元の方に聞いてみると、
「よく見るよ」
「庭にくるよ」
「そのへんにいるよ」
とのことですが、
いざ探してみると、
ま〜ったく見つかりません。
毎日あちこちの公園や森の中を、
雪をかき分けかき分け彷徨い続け、
ようやく出会えたのが、
札幌市の円山動物園の横にある、
円山公園でした。


▲やっと見つけたシマエナガ。

ぎゃー、こっち見てる!
私、もう、ダイコーフンです。
前にも言いましたが、顔が、白いんです。
何度も言いますが、まっしろなんです。

見つけたのは、6羽くらいの小さな群れでした。
群れの移動ルートを先読みして回り込み、
近づいて来た白いシマエナガを、
じっくりと拝ませていただきました。


▲なるほど、顔が白い!

顔以外の部分は、本州のエナガとソックリですね。


▲ああ、かわいい。

どことなく、おっとりと見えますね。
なんとなく、高貴そうです。
王侯貴族のように見えます。
ありがたい感じすら、します。


▲飛んだー! さようならー!

出会えたのはほんの短い時間でしたが、
そのカワイイ顔をしっかりと拝めて、
私は、大満足だったのであります。
また何度でも会いに行きたいと思います。

というわけで、
今日は北海道のシマエナガをご紹介しました。
エナガフリークのみなさん、また来週〜!

2012-04-17-TUE
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