エナガのねぐら。  カワイイ小鳥の観察記 フロム富士山麓
 
今週のエナガ 観察日 2012年4月12日 − 4月18日  三度目の巣作り。
 

春の嵐に耐えた2号巣ペアですが、
ここ数日、いつ見回りに行ってもずっと留守で、
まったく気配がありません。
どうやら巣を放棄してしまったようです。

あぁ…今日もいない…と肩を落として
トボトボと歩いていた4月12日夕刻のこと、
2号巣から100メートルほど離れたところで、
「ピィピィ…」と聞き覚えのある声が
聞こえて来ました。

キョロキョロと頭上を見回すと…

▲いた!電線の上!

エナガは、巣を作るとき、いつもペアで行動します。
(仲が、よろしいのであります。)

いつもふたりで一緒に材料を採りに行き、
たいてい同じもの(コケかマユ)を採取して、
まっすぐに巣へと戻ります。
(まことに、仲が、よろしいのであります。)

このとき、
「ピィピィ…」とも「ヒィヒィ…」とも聞こえる、
独特の声を掛け合いながら移動します。
なんとなく「こっちこっち、はやく帰ろう」と
言っているように聞こえます。

さっきまでの落胆をあっという間に忘れ果てた私が、
イソイソとエナガたちについてってみると、
2号巣から200m離れたモミの大木のテッペンに、
新しい巣(6号巣と命名)を作っておりました。

イエーイ!

そして翌13日も、6号巣の営巣継続を確認。
ところが14日には、6号巣からいなくなりました。

しょぼーん。

しかし15日、6号巣から100mはなれたヒノキの天辺に、
新しい巣(7号巣)を作っているところを発見しました。

ひゃっほー。

▲7号巣のあるヒノキから飛び立つエナガ。
 もう一羽はまだ木の上に止まっています。
(見えるかな?)

7号巣ペアは、
18日現在までの4日間、
営巣を続けています。
今度こそ定着して欲しいですね。

▲コケをむしる7号巣のエナガ。

木の幹に生えているコケをむしるとき、
横枝に止まったり、ぶらさがりながらむしるので、
横枝の周囲の幹だけが、きれいになっていますね。

ところで先週お伝えした、
そばにカケスが営巣しはじめた1号巣ですが、
なんとも驚いたことに、
カケスの方が根負けして、
作りはじめの巣を放棄したようです。
エナガがずっとまとわりついて、
「ジュルリジュルリ」と文句を言うのが
いやになったのかもしれません。
こんなことって、あるんですね。

というわけで、
1号巣のエナガ、
元気に暮らしております!

 

その5 動物園のエナガ

エナガスキーのみなさん、こんにちは。
今週、私は多摩動物公園と、
上野動物園へ行きました。
それぞれにエナガが撮れましたので、
ここにご紹介いたします。

まずは、東京都日野市の多摩動物公園。
多摩動物公園は、自然林に囲まれた、
野鳥にとってはまことに環境の良い動物園です。

ここには、私の大好きな、可愛くてモフモフした
動物がたーーーーっくさんおります。
たとえば、そう、ユキヒョウのチビちゃんとか。

▲ぎゃーカワイイ!
(毎回これを言わないと収まらない)

このユキヒョウの前に立っていると、
必ずといっていいほど、
エナガの声が聞こえてきます。
もちろん野生のエナガです。

ユキヒョウの写真をとりながらも、
私の心はここにあらず、
耳はエナガの声を追うばかり。
で、そのエナガをよーく観察すると、
ユキヒョウ前にある針葉樹の枝先あたりに、
一所懸命に巣をつくっている様子でした。

多摩動物公園のなかを歩いていると、
だいたい15分から30分に1回は、
エナガの声が聞こえてきます。
相当数のエナガが住んでいるようですよ。

▲多摩動物公園のエナガ(野生)。

動物園の動物だけじゃなく、同時に野生の
エナガまで観察できちゃう多摩動物公園、
一挙両得というか一網打尽というか、
とにかく、まったくもって、素晴らしいですね。

一方、上野動物園のほうでは、
野生のエナガはみつかりませんでした。
その代わりといってはなんですが、
正門を入ってすぐ左手にある「日本の鳥I」で、
カラ類など食性の似た小型鳥類達といっしょに、
エナガが展示されておりました。

▲上野動物園のエナガ(飼育)。

「一度は実物を見たいけれど、
 なかなか見つけられない…」
という方は、
上野動物園で見てみるのも、
ひとつの方法かもしれませんね。

さて、最後にひとつ、宣伝をさせてください。
この4月20日、私の新しい写真集が発売となりました。

『笑顔のどうぶつ園
 心がほぐれるリラックス写真集』

動物がときどき見せる「あっ!笑ってる!」
みたいな瞬間ばかりをドーンと集めた写真集です。
収録写真は、おもに動物園や水族館で撮影しました。
もちろん、多摩動物公園と上野動物園の動物たちも。
ページをめくると、笑顔の動物たちが
ニコニコと微笑みかけてくれますよー!

それでは、エナガスキーのみなさん、また来週〜!

2012-04-24-TUE
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