おとなの小論文教室。

受験のテクニックとして、小論文の書き方を勉強した?
その後は、ナイスなテキストを書いていますか?
考えること伝えることの愉快を、ここで味わいましょう。
ありがたいことに、小論文というものを
考えたり、たのしんだり、たくさん読んできた
カジュアルで優しい先生がいるんです。
さぁ、山田ズーニー先生、お願いしまーす。

Lesson1103
みんな生きづらい

私たちはみんな生きづらい。

なんていうと、
“安易に「みんな」でくくるなー”
“いっしょにするなー”
と怒られそうだけど、

私たち現代人はみんな、まるで、
体質に合わない星へ移住してきたみたいな恰好
になっているんじゃないかと、最近よく思う。

「人類は、
340万年にもおよぶ進化の末に完成した
“睡眠”という命を守るシステムを
たった100年の間で捨ててしまった」

この衝撃的なあとがきで終わる本を、
私は、おととい読み終えた。
(『睡眠こそ最強の解決策である』
マシュー・ウォーカーより要旨を抜粋引用)

正直、「またかよー!」と思った。

「現代の技術の進歩に、
人間の進化が追いつかない、
って、またかよー!」と。

さいきん読んだ本、得た情報が、そこにつながる。

睡眠も、食べるものも、飲むものの、
情報やコミュニケーションのあり方まで、
あまりに進歩した現代生活に、
私たちは追いつかず、大きなズレが生じている。

まず睡眠。

さきほどあげた本、
あまりに有名だから読んだ人も多いと思う。

この本が世界的に流行ったころ
私は、あんまり本を読まないし、
睡眠もけっこう足りてるし、と読んでなかった。

けど、ここ数年で、この本の影響もあってか、
私のせまい行動半径でも、
「睡眠をめぐる景色」は明らかに変わった。

ひと時代まえは、
企業のトップや仕事の成功者が集まると、
「私は5時間しか寝てない」「私は3時間」と
寝てない自慢をしていた。
モタモタしている社員がいると、
「寝ずにやれー!」と上司がハッパをかけた。

それがいまや、企業CEOが、
「私は8時間眠った」「私は9時間」
と睡眠自慢をしている、のはあたりまえ、
いまや「睡眠の質」までが問題にされる。
モタモタしている社員がいると、
「そんな短い睡眠で、睡眠の質で、
クリエイティブな仕事ができますか」
と、1on1で上司が優しく問いかける。

これはたいへんなことが起こっていると、
超遅ればせながらこの本を読んでみると、
人生変わる衝撃だった。

朝寝坊の私にまず刺さったのが、

人間には夜型人間と朝型人間がいること。

そしてそれは原始時代に群れで眠っていた時から
意味あることだ、というこのくだり、

…………………………………………

夜型人間は、
夜中の1時か2時になるまで眠くならず、
朝は9時か10時まで寝ている。

一方で朝型人間は、
夜は9時ごろに寝てしまうが、
朝は5時ごろに目を覚ます。

その結果、群れ全体が眠って
外敵に襲われやすくなる時間を、
わずか4時間まで減らすことができるのだ。
群れの全員が同じ時間に寝ていたら、
襲われやすい状態が8時間になってしまう。
見張りが誰もいない時間が半分になれば、
生き残る確率は50%上昇する。

(『睡眠こそ最強の解決策である』
マシュー・ウォーカー)

…………………………………………

そ、そんなあ!

われわれ夜型人間は
スッパリ切り捨てられて、
現代は「朝型人間仕様」になってしまったの!?

私に遺伝子をくれた祖先が、
夜起きて見張りをしてくれてたのに?
それで50%も生存率をあげたのに?

と衝撃だったが、
いちばんゾクッ、としたのが、

「私、8時間眠ってる?」

ってことだった。
なんとなく寝床に7~8時間横になってるから
睡眠足りてるだろうと思っていた。
けど、実質眠ってる時間を計るようになったら、
6時間に満たない日も意外にあると気がついた。

たった1日、たった1時間くらい、の睡眠不足、
と思ってた、この本を読むまでは、

しかし、それがどれだけ人間の脳・心・カラダに
とりかえしのつかないダメージか、
この本は、私のような素人にも説得力を持って、
しかも面白く、わかりやすく伝えてくれる。

逆にいえば、睡眠不足の人は、
いまよりたった15分でも20分でも、
睡眠時間をのばすだけでよい変化が起きると。

かつて夜が真っ暗だった人類にとって、
一晩中明るく、働くことも、楽しむことも、
「なんでもできる夜」を手に入れることは夢だったろう。

その夢を、人類はここ100年で実現した。

けど、睡眠負債という世界的な、
とてつもない代償を払うことになった。

睡眠負債が、人間の脳に、心に、カラダに、
寿命に、教育に、生産性に、社会に、
どんな悪影響を起こしているかは、
ぜひ、この本で知ってほしい。

人間は、つくづくこの現代文明を
生きる仕様になってないなあ!

たとえば、人工的につくられた糖。

人間は、
原始時代からずっと飢餓に直面してきた。
それで、血糖値を上げるホルモンは、
成長ホルモン・アドレナリン・ノルアドレナリン・
グルカゴン・コルチゾールなど
たくさん備わっているのに、

血糖値を下げるホルモンは、たった1つ、
インスリンしかない。

現代になって、糖が、いつでも、手軽に、安く
食べられるようになったのに、

それは人類の夢だったろうに、

人類は、血糖値スパイクという大問題を
抱えて生きることになった。

アルコールもそう。

酒が超貴重で、
ひとたび飲んだら次のお祭りまで、
いつお目にかかれるかという時代からすれば、
現代の、スーパー、コンビニ、自動販売機でも、
酒が安く手に入り、毎日でも飲める今は夢の時代だろう。

けど、人の臓器も脳も、
酒を毎日飲む仕様にはなっていない。
それで、現代人は、
健康被害とともに、アルコール依存という
深刻な問題を抱えるようになった。

怒りや恐れ・不安などの「感情」も、
もともと原始人のときに
獣など敵を倒すための仕様になっている。

だから現代人にとっては、不必要に、
生き死にレベルで、感情は発動されてしまう。

にもかかわらず、情報の量は爆発的に増え、
情報技術は進化し、人は、1日に、広範囲に、
たくさんの情報や人々と触れ合えるようになった。

で、触れ合うたびに人間は感情をつかう。

そのたび過剰な感情労働、結果、
現代人は「感情疲労」を抱えることとなった。

技術の進歩による恩恵は、私も承知している。
それがなきゃ今生きていないという人もいるだろう。

でも、だからといって抱えるには、
ツケがあまりにも大きすぎて抱えきれない。

ではどうすればいいか?

正解もないし、
簡単に私に見つかるものではないが、
すくなくとも私自身の生活においては、

「まず8時間眠ることから」

と思っている。

睡眠が足りていれば、
甘いものへの欲求は抑えられるし、

私自身は酒離れしたが、飲む人も、
酒と睡眠は相反するので、
睡眠を考えればおのずと酒とのつき合い方も変わる。

それに、感情疲労には眠るのがいちばんだ。

技術と進化にズレがある、
そんな生きづらい状態を生きる私たち
だからこそ、

「生きやすくする創意工夫のしがいがある」

と私は思う。

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【満員御礼!】この講座は満席になりました。
キャンセル待ちも締め切りました。
たくさんのお申込みありがとうございました。

宣伝会議 表現力養成コース

編集・ライター養成講座20周年記念講座

山田ズーニー専門クラス
——–伝わる・揺さぶる!文章を書く

山田ズーニーです。
私は、これまで北は北海道から南は鹿児島まで、
大学・高校生から
ビジネスマン・プロのライターから作家まで
幅広い層に、数えきれないほど表現講座を開いてきました。
その原型が生まれたのが、
宣伝会議の編集・ライター養成講座でした。
現在も講師をつとめており、毎回、
受講者に次のような声をいただき手ごたえを感じています。

 

・自分の想いの根幹を探るという経験を
こんなにじっくりと時間をかけてやったことはなかった、
得難い経験でした。

・終了したとき、この講義の意図が
身体にしみわたるように理解できた。
コミュニケ―ションが苦手だったが、
非常に楽しく有意義に受講できた。

・自己開示が苦手だったが、一気に開くことができた。

・現実の出来事を多角的に見て、表現のヒントを探すことは
全ての実務に活かせると思います。

・自分の可能性を信じようと思えた。
自分はつまらない人間ではない。

今回20周年を記念して、ご担当者の、
「この先を行く特別な講座をひらきたい。
表現力をつけたい気持ちはあるものの、
そもそも自分に伝えたいことはあるのか、
と悩む人も多く、その人たちに、
自分を貫くテーマを発見したり、
相手の心に響くように伝えるコミュニケーション力を
つけたりできる場を提供したい。」
という志に共感しました。
2時間×12コマで、
文章表現の本格的な基礎づくりから始まって、
相手に伝わる表現、社会に説得力を持って書く、
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までを責任を持ってサポートします。
ひとりでは気づけない自分の潜在力も、
多彩な仲間とともに引き出しあえるから開花します!
表現を通して他の受講者と心底通じ合える
「感動」の授業です。
心を揺さぶる文章を書きに、ぜひ、来てください。

あなたには書く力がある。

●詳細・お申し込み・お問い合わせは、すべて
こちらのページから
(株)宣伝会議 教育事業部 担当:小林Tel.03-3475-3030まで
*「ほぼ日」へのお問い合わせはしないでください。
*コラムの感想メールでお問い合わせはしないでください。


表現して人とつながる勇気のレッスン!



『理解という名の愛がほしい。』
河出文庫

会社を辞めた私がツラかったのは、まわりが
平日の昼間うろうろしている
無職のおばさんと見ることだった。

それまで仕事をがんばって経験を積んできた
他ならぬ私をわかってほしい。

この発想・考え・想い・感性が、
かけがえなく必要とされたい。

理解という名の愛がほしい。

「理解されたいなら、自分を表現しなきゃだめだ。」

やっとそう気づいた私は、
インターネットの大海原で
人生はじめての表現へ漕ぎ出した。


山田ズーニーワークショップ満員御礼!

いったんウェイトリストを締め切ります。

2017年6月開講したワークショップ型実践講座
「伝わる・響く!言葉の表現力をつける」
にたくさんのお申込みをありがとうございました。

大好評で即日満席、
2期、3期、4期と増設するも追いつかず、
1年待ちのウェイトリストのみ受け付けておりましたが、
現在までに12期分のお申込みがあり、
2年待ち以上の方が出てくる見込みが強くなりました。

責任を持って対応するため、
ここでいったんウェイトリストを締め切ります。

言葉の表現力をつけたいと
申し込んでくださった方々の想いを大切に
受け入れを進めてまいります。

 

●この講座に対するすべてのお問い合わせはこちらへ。

お問い合わせ先 
毎日文化センター東京 TEL03-3213-4768

http://www.mainichi-ks.co.jp/m-culture/each.html?id=699

2018年以降、東京開催、詳細未定、1年待ち。

*「ほぼ日」へのお問い合わせはしないでください。
*コラムの感想メールでお問い合わせはしないでください。

 

ワークショップ型実践講座
「伝わる・響く!言葉の表現力をつける」

――3回で一生ものの書く力・話す力が育つ

書くことによって、人は考える。
自分の内面を言葉で深く正しく理解する。
そのことにより、納得のいく選択ができるようになり、
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言いたいことを、相手に響くように伝えられるようになる。
インターネット時代に、広く社会に
説得力を持って自分の考えを発信できるようになる。

書く力=想い言葉で表現するチカラを鍛えれば、
自分を知り、自分を表現することができる。

自分の想う人生を、この現実に書いて創っていける。

あなたには表現力がある。

山田ズーニーワークショップ型実践講座、
2017年6月東京で開講しました!


「おとなの小論文教室。」を読んでのご意見、ご感想を
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注:講演など仕事の依頼メールは、
上記アドレスに送らないでください。
山田ズーニーのtwitter(@zoonieyamada)に
直接ご連絡いただくか、
山田ズーニーの本を出している出版社に
連絡先をお問い合わせのうえで、
ご依頼くださいますようおねがいします。


★出演情報などお知らせのあるときは
 山田ズーニーのtwitter(@zoonieyamada)にも掲載します。



『半年で職場の星になる!
 働くためのコミュニケーション力』
 ちくま文庫

あなたが職場の星になる!コミュニケーション術の決定版。
一発で信頼される「人の話を聞く技術」、
わかりやすい報告・説明・指示の仕方、
職場の文書を「読む技術」、社会人としてメールを「書く技術」。
「上司を説得」するチカラ、通じる「お詫び」、クレーム対応、
好感をもたれる自己紹介・自己アピールのやり方。
人を動かし現場でリーダーシップを発揮する表現力から、
やる気が湧き・上司もうなる目標の立て方まで。
この1冊で仕事のフィールドで通じ合い、チームで成果を出していける!
自由はここにある!


ラジオで、山田ズーニーが、
『おかんの昼ごはん』について話しました!

録音版をぜひお聞きください。
「ラジオ版学問ノススメ」(2012年12月30日~)
 インターネット環境があれば、だれでもどこからでも
無料で聴けます。
 聴取サイトは、http://www.jfn.co.jp/susume/
 (MP3ダウンロードのボタンをクリックしてください)
 または、iTunesからのダウンロードとなります。


ほんとうにおかげさまで本になりました!
ありがとうございます!


『おかんの昼ごはん』河出書房新社
「親の老い」への哀しみをどう表現していいかわからない
私のような人は多いと思います。
読者と表現しあったこの本は、思い切り泣けたあと、
胸の奥が温かくなり、自分の進む道が見えてきます。
この本が出来上がったとき、おもわず本におじぎをし、
想いがこみ上げいつまでもいつまでも本に頭をさげていました。
大切な人への愛から生まれ、その先へ歩き出すための一冊です。



『「働きたくない」というあなたへ』河出書房新社
「あなたは社会に必要だ!」
ネットで大反響を巻き起こした、おとなの本気の仕事論。
あなたの“へその緒”が社会とつながる!



『新人諸君、半年黙って仕事せよ』
―フレッシュマンのためのコミュニケーション講座(筑摩書房)
私は新人に、「だいじょうぶだ」と伝えたい。
「あなたには、コミュニケーション力がある」と。
            ――山田ズーニー。



『人とつながる表現教室。』河出書房新社
おかげさまで「おとなの小論文教室。II」が文庫化されました!
文庫のために、「理解という名の愛がほしい」から改題し、
文庫オリジナルのあとがきも掲載しています。
山田はこれまで出したすべての本の中でこの本が最も好きです。



『おとなの進路教室。』河出書房新社
「自分らしい選択をしたい」とき、
「自分はこれでいいのか」がよぎるとき、
自分の考えのありかに気づかせてくれる一冊。
「おとなの小論文教室。」で
7年にわたり読者と響きあうようにして書かれた連載から
自分らしい進路を切りひらくをテーマに
選りすぐって再編集!



▲文庫版でました!
 あなたの表現がここからはじまる!

『おとなの小論文教室。』 (河出文庫)


ラジオ「おとなの進路教室。」
http://www.jfn.co.jp/otona/

おとなになっても進路に悩む。
就職、転職、結婚、退職……。
この番組では、
多彩なゲストを呼んで、「おとなの進路」を考える。
すでに成功してしまった人の
ありがたい話を聞くのではない。
まさに今、自分を生きようと
もがいている人の、現在進行形の悩み、
問題意識、ブレイクスルーの鍵を
聞くところに面白さがある。
インターネット、
ポッドキャスティングのラジオ番組です。



「依頼文」や「おわび状」も、就活の自己PRも
このシートを使えば言いたいことが書ける!
相手に通じる文章になる!

『考えるシート』文庫版、出ました。



『話すチカラをつくる本』
三笠書房

NHK教育テレビのテキストが文庫になりました!
いまさら聞けないコミュニケーションの基礎が
いちからわかるやさしい入門書。


『文庫版『あなたの話はなぜ「通じない」のか』
ちくま文庫

自分の想いがうまく相手に伝わらないと悩むときに、
ワンコインで手にする「通じ合う歓び」のコミュニケーション術!


『17歳は2回くる―おとなの小論文教室。III』
河出書房新社


『理解という名の愛が欲しいーおとなの小論文教室。II』
河出書房新社


『おとなの小論文教室。』
河出書房新社


『考えるシート』講談社


『あなたの話はなぜ「通じない」のか』
筑摩書房</small



『伝わる・揺さぶる!文章を書く』
PHP新書

内容紹介(PHP新書リードより)
お願い、お詫び、議事録、志望理由など、
私たちは日々、文章を書いている。
どんな小さなメモにも、
読み手がいて、目指す結果がある。
どうしたら誤解されずに想いを伝え、
読み手の気持ちを動かすことができるのだろう?
自分の頭で考え、他者と関わることの痛みと歓びを問いかける、
心を揺さぶる表現の技術。
(書き下ろし236ページ)



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