質問: 小説を書く大変さとは、どんなものですか? いわゆる「大変」というポーズでは ないところでいっても、 やはり小説を書くのは大変なんです。 みんな、最初は小説を書きたくても どう書いたらいいのかわからないと思うんですが、 僕は今もそうです。 「この小説はどう書いたらいいのだろう」 と毎日考えますし、 ひとつの小説で築きあげた手法は 他には使えないんですね。 この方法でいけばいけるというものはなく、 そのつどすべて考えなおさないといけません。 文章の技術自体は 他の小説にも使うことができるのですが、 本当にまじめに書こうと思えば それもほとんど使えないですから、 一回ずつが大変です。 だから九年やっても 小説を書く大変さは変わりません。 イヤなことを我慢してやれなかった 反省ばかりの人生を送ってきましたし、 僕はせめて小説ぐらいは まじめに書きたいと思っています。 デビューの時期から ふざけているように見られて 怒られたりしましたが、 じつはずっとまじめに書いています。 二日酔いで年に三〜四日かは休みますが、 それ以外の日には、毎日小説を書いています。 小説は早朝に書いています。 朝は調子がいいというよりも 周囲との関係でそうなっています。 人に会うのは午後だし、夜はもう寝ますからね。 つまり早朝からやるようにすると 毎日できるんです。 早起きは三文の徳といいますけど、 朝は銀行や郵便局も並ばなくて済むし…… あ、郵便局はお年寄りも多いので 朝は逆にこむ場合がありますが。
明日に続きます。
感想を送る 友達に知らせる トップへ戻る
2005-06-09 
Photo : Yasuo Yamaguchi [Hobo Nikkan Itoi Shinbun] 
All rights reserved by Hobo Nikkan Itoi Shinbun 2005