質問:
仕事の方法の変化はありましたか。 『パンク侍、斬られて候』を書いた
二〇〇三年から仕事の方法を変えました。
それまでは同時に
いろいろな小説を書いていたのですが、
ちょっとずつやっていても
永遠に終わらないんです。 だからひとつずつを
仕上げていくことにしたのですが、
そのほうがやっぱり早いんです。
そんなこと早く気づけということなのですが、
『パンク侍』は
担当の定年退職が迫っていたので(笑)、
連載を途中で打ちきって
書きおろしたら早かった……。 三年の連載期間と同じ量が
三か月で終わったので
「俺の三年は何だったんだ」と。
そういうことがあってからは、
メインの小説の仕事は常に一本にしているんです。
今もひとつ長編小説を書いています。 休まず書くことはそれほど大変ではありません。
「書くこと」は時間がかかるから、
ひとつの小説を書く間に
アイデアはいくらでも思いつくのですね。
長編だと半年や一年はかかりますし、
その間はアイデアだけがたまるので、
短編や長編のアイデアは常にたくさんあるのです。 問題は、アイデアに対する新鮮な興味を
どこまで持続できるかですし、
アイデアが浮かんでも
書き途中の小説が止まらないように
我慢することだろうと思います。
明日に続きます。
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2005-06-10 
Photo : Yasuo Yamaguchi [Hobo Nikkan Itoi Shinbun] 
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