小説としてしか書いていないというのは、 頭の中で生みだした 「これが小説だ」 というイメージだけということで、 説明がうまくつかないところも含めた 「現実のように」 小説を組みたてようとしないと 小説にならないわけです。 現実から一回きれいに切り離してしまうと、 小説はおしまいなんです。
小説とは現実か虚構かというと 基本は現実を扱うはずで、 虚構と割りきるところからはじめると もうダメなんですよね。 前の『書きあぐねている人のための小説入門』で 使った例なんだけど、 「花を見て描く絵」ではなく 「花の絵を見て描く絵」になってしまうんです。
火曜日に続きます。
小説を読む醍醐味があれこれ語られますし、 「おもしろさって、一体なんなのだろう?」 と一緒に考えながら読みこめる本なんです。 読みなおすたびにヒントがもらえる本だし、 しかも、分量もたっぷり。おすすめですよ。
2005-07-15