フランコさんのイタリア通信。 |
イタリア3大チームの夢。 先週ここでお知らせした乱闘事件の処罰が、 UEFAからインテルに届きました。 インテル側で罰せられるのは、 ブルディッソ、クルス、コルドバ、マイコンで、 今後のUEFAチャンピオンズ・リーグに適用される 厳しい出場停止処分が下されました。 ACミランのロナウドは、 ミラノ・ダービーである対インテル戦で、 長く待たれたゴールを蹴り込みましたが、 けっきょくACミランはこの試合に負けました。 そしてセリエBにいるユーべは、 ブレシャの無名の選手であるセラフィーニに 3ゴールも叩き込まれ、 散々な目に会わされました。 歴史のある3チームについてのこれらニュースで、 先週はイタリアサッカーの動きが 止ってしまうほどでしたが、 夢の、いや、もしかすると 幻想のメリーゴーランドとも言えるメルカートは、 はげしく回転しはじめています。 イタリアサッカー史を築いて来た3大チームである ユヴェントス、ACミラン、インテルのオーナーたちは、 アニェッリ(自動車業界)、 ベルルスコーニ(テレビネットワーク)、 モラッティ(石油業界)の3大富豪ファミリーです。 内容の充実した方法で、 その豊かな財布の紐をほどくと、 彼らは決心しました。
ここ数日間というもの、どの新聞もテレビも イタリアのこの3大チームに関わる話以外で 読者や視聴者を引き付ける話題を 持っていませんでした。 インテルは、打ち負かされる事も、 並ばれることもないであろう差をつけて、 スクデットを勝ち取るでしょう。 向こう何年その「差」が続くのかは、 だれにもわかりませんが。 そしてインテルのモラッティ会長は、 来シーズンのスクデットとヨーロッパタイトルのために、 チームをより強化し、 最高に強いものにしようとしています。 ACミランは現時点ではとても落ち込んでいますが、 来シーズンにはインテルと互角に闘うに足りる骨組みを、 ブラジル人チャンピオンであるカカやロナウド、 そして世界チャンピオンであるピルロ、ネスタ、 ガットゥーゾらを中心に、築こうとしています。 ユーべは、イタリアでどのチームより多い ティフォーゾたちに、 審判買収のペナルティーで セリエBに降格されたこの1年を 忘れさせねばなりません。 インテルのモラッティ会長の夢はリオネル・メッシ、 ACミランのベルルスコーニ会長の夢はロナウジーニョと、 それぞれそういう名前らしいのです。 そしてユーべのアニェッリ・ファミリーは、 チェルシーのランパードと契約するための、 あらゆる準備を整えているようです。 メッシを手に入れるために インテルがバルセロナへ提示したのは、 3000万ユーロに加えて アドリアーノとサムエルを付けるという、 内容の濃いものです。 ロナウジーニョ獲得のためのベルルスコーニの提示は 金銭だけですが、その数字は実に1億ユーロです。 これだけ積めばバルセロナも、 この別格選手を手放しても良いという気に なるかもしれません。 ユーべはUEFAの条項を通してランパードと接触しており、 1150万ユーロぽっきりで 彼をチェルシーから自由にできるかもしれません。 ランパード選手に対する提示は、 1シーズン500万ユーロで5年契約です。 イタリアサッカーの3大チームが かれらの夢を叶えられるかどうか、 だれにもはっきりと予測できません。 でも、それぞれのティフォーゾたちは、 すでにその気です。 次回のメルカートは、 インテル、ユーべ、ACミランのつばぜり合いが 話題の頂点になることでしょう。 まさにイタリアサッカー黄金期のころのように。
|
2007-03-20-TUE
戻る |