「フランコさんのイタリア通信」が本になります。 酒井うららさんと、 イタリアについてしゃべろう!


第3回 フランコさんて何者?!

あやや よくツアーでパリ、ミラノ、ローマ10日間とか、
あるじゃないですか。
シェフ そういうのはやめた方がいいぞ。
すんごい駆け足だぞ。
(笑)。
酒井うらら とんでもない。
シェフ 移動ばっかりしてる感じだよ。
せめて1カ国にした方が。
あやや あー、そうなんですね。
シェフ 混乱するし!
あのね、旅行ガイドブック作ってた
身から言いますと、
あ、ぼく、近畿日本ツーリストの
旅のガイドムックっていう
海外旅行の本を取材、編集してたんですけど。
酒井うらら そうでしたねー。
シェフ 大都市って、東京みたいな巨大都市は別だけど、
たとえばドイツのベルリンぐらいの大きさでも
丸3日間、前後泊で3泊5日いると、
かなり、わかりますよ。
あやや はい、はい、はい。
シェフ 下調べをした上で、毎日頑張ってね、
相当歩いて、電車乗って、
丸3日過ごすと、
かなりその町のことは分かります。
で、それより少ないと‥‥
あやや ちょっと慌ただしい?
シェフ うん、大都市はね。
ただ、地方のちっちゃい町だと、
丸まる1日過ごせる、つまり前後泊して、
真ん中1日はその町だけで過ごすつもりでいれば
結構楽しめますよ。
日帰りをしないだけでも、ずいぶん違うし。
だから、早めに入って遅めに出れば
丸2日ぐらいいられるんで、
そうするとね、地方都市はOK。
ただ、エクスカージョンで
そこから郊外に出ましょうっていうのを入れちゃうと、
それ1日かかっちゃうんで、注意。
やまかわ 旅行会社の人みたい(笑)。
シェフ 旅行会社の人は
「がんばれば回れますよ!」って言うかもよ。
ぼくは「いや、そこをもう1日、
ゆっくりしたほうがいい」って思う。
酒井うらら そうですね。
なんこ そうか。
シェフ 町の中だけで遊ぶんだったら1都市、
そのぐらい見とくといいですよ。
あやや えー、すごい参考になります。
酒井うらら だから、イタリアっていうのを感じたかったらローマ。
ま、ナポリもあるんだけど、
ナポリはまたちょっと南に下がるし、
あそこもまたちょっと上級者むけかもしれないから、
ローマとフィレンツェ。
それでイタリアでもちょっと違う感じでヴェネツィア。
さらに、ほんとにモダンな近代的な
イタリアの雰囲気を感じたかったらミラノ。
いちばんシャープな部分ね。
シェフ ミラノってファッションの町ですもんね。
そういえばフランコさんは
ミッソーニさんと友達だったんじゃなかったっけ。
あやや フランコさんて、すっごい人と
普通にツーショットで写ってたりしますよね。
そうそう(笑)。
シェフ フランコさんて何者?


 
(笑)。
酒井うらら フランコさんはバリバリの、
新聞記者ですよ。
シェフ つい、そのことを忘れそうになります。
酒井うらら ジャンニ・ブレラ賞という
伝説の記者の賞を取った人よ。
シェフ そうなんですよね。
ジャンニ・ブレラ賞っていうのは
その年にもっとも活躍した
スポーツジャーナリストを讃える賞だそうですね。
酒井うらら ね、うん。
シェフ 日本でマスコミの賞というと、
大宅賞のようなものなのかなぁ。
現役の新聞記者であり、
さらに、テレビにも出ている人なんですよね。
あやや 人なつっこい感じの人ですか。
シェフ いや、むしろ、シャイでしたよ。
酒井うらら 人なつっこいとは言えないと思います。
シェフ テレ屋さん。日本に来た時にお会いしたんですが、
モジモジしてました。
酒井うらら きっと、新聞記者として現場に行ったら、
バンて前に出るんでしょうね、きっとね。
といっても、私のイタリアの友達によると、
自分からワイワイワイワイまくしたてて
喋っちゃうタイプではなくて、
人に言わせといて、その言い分には動じず、
明らかにフランコさんとしてのビジョンを持っていて、
それについて語ると。
そして、それについては曲げない、って、
そういう喋り方だそうです。テレビでもね。
私がそのテレビ番組を見たわけではないけれど、
私の友達はそう言う。
シェフ へえ。
フランコさん、新聞記者だからか、
締め切りにはほんとうにきびしくて、
毎週きっちりと送ってくださるし、
遅れそうなときはこういう事情で
必ず遅れますって連絡があるんですよね。
酒井うらら 言ってきますよね。
シェフ 「ちょっと遅れます」って言ってくる、
その律儀さ。
キノシタ 律儀ですね。
シェフ この、フランコさんの、
シャイで、律義で、意見は曲げない、
これ、ザッツ・イタリア男ですか?
酒井うらら ええ。ひとつのタイプですね。
多数派ではありませんが。
シェフ ひとつのタイプ。
酒井うらら ひとつのタイプです。
シェフ というのは?
酒井うらら もうひとつは気取った慇懃無礼型。
口から生まれたようなタイプ。
それから、ちゃらちゃらして
やたらと愛想がいいようなタイプね。
シェフ ジゴロタイプ?
あやや パヴァロッティはどのタイプですか?
すっごい女の人が好きだって。
酒井うらら そうねえ、彼は「巨匠」だから、
ちょっとこう一般的な人と比べられないかな。
あやや 比べられない。
酒井うらら うん、巨匠の座というのが伝統的にありまして、
あやや えー。
酒井うらら ちょっと治外法権的な。
音楽の巨匠はちょっと治外法権的な
別な場所がある。
シェフ いわば人間国宝ですね。
その人がいくら女性が好きでも、
それとこれとは別というような。
あやや なるほど、なるほど。
酒井うらら ただね、イタリア男は、
大っぴらに出すか出さないか、
事情が許すか許さないか、
たとえばいくら好きでも、
向こうが相手にしてくれないとかいう事情も
ひっくるめた上で、
女好きじゃない男の人の方が
少ないだろうということを認めますっていうのが
根底にあるわけ。
あやや うーん。
酒井うらら だからムッツリだろうが、何だろうが、
根本的に男は女、みんな、好きなはずだっていう。


 
へえ〜。
  (つづきます!)

2008-11-28-FRI

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