よくツアーでパリ、ミラノ、ローマ10日間とか、 あるじゃないですか。 |
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そういうのはやめた方がいいぞ。 すんごい駆け足だぞ。 |
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(笑)。 | |
とんでもない。 | |
移動ばっかりしてる感じだよ。 せめて1カ国にした方が。 |
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あー、そうなんですね。 | |
混乱するし! あのね、旅行ガイドブック作ってた 身から言いますと、 あ、ぼく、近畿日本ツーリストの 旅のガイドムックっていう 海外旅行の本を取材、編集してたんですけど。 |
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そうでしたねー。 | |
大都市って、東京みたいな巨大都市は別だけど、 たとえばドイツのベルリンぐらいの大きさでも 丸3日間、前後泊で3泊5日いると、 かなり、わかりますよ。 |
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はい、はい、はい。 | |
下調べをした上で、毎日頑張ってね、 相当歩いて、電車乗って、 丸3日過ごすと、 かなりその町のことは分かります。 で、それより少ないと‥‥ |
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ちょっと慌ただしい? | |
うん、大都市はね。 ただ、地方のちっちゃい町だと、 丸まる1日過ごせる、つまり前後泊して、 真ん中1日はその町だけで過ごすつもりでいれば 結構楽しめますよ。 日帰りをしないだけでも、ずいぶん違うし。 だから、早めに入って遅めに出れば 丸2日ぐらいいられるんで、 そうするとね、地方都市はOK。 ただ、エクスカージョンで そこから郊外に出ましょうっていうのを入れちゃうと、 それ1日かかっちゃうんで、注意。 |
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旅行会社の人みたい(笑)。 | |
旅行会社の人は 「がんばれば回れますよ!」って言うかもよ。 ぼくは「いや、そこをもう1日、 ゆっくりしたほうがいい」って思う。 |
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そうですね。 | |
そうか。 | |
町の中だけで遊ぶんだったら1都市、 そのぐらい見とくといいですよ。 |
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えー、すごい参考になります。 | |
だから、イタリアっていうのを感じたかったらローマ。 ま、ナポリもあるんだけど、 ナポリはまたちょっと南に下がるし、 あそこもまたちょっと上級者むけかもしれないから、 ローマとフィレンツェ。 それでイタリアでもちょっと違う感じでヴェネツィア。 さらに、ほんとにモダンな近代的な イタリアの雰囲気を感じたかったらミラノ。 いちばんシャープな部分ね。 |
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ミラノってファッションの町ですもんね。 そういえばフランコさんは ミッソーニさんと友達だったんじゃなかったっけ。 |
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フランコさんて、すっごい人と 普通にツーショットで写ってたりしますよね。 |
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そうそう(笑)。 | |
フランコさんて何者? | |
(笑)。 | |
フランコさんはバリバリの、 新聞記者ですよ。 |
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つい、そのことを忘れそうになります。 | |
ジャンニ・ブレラ賞という 伝説の記者の賞を取った人よ。 |
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そうなんですよね。 ジャンニ・ブレラ賞っていうのは その年にもっとも活躍した スポーツジャーナリストを讃える賞だそうですね。 |
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ね、うん。 | |
日本でマスコミの賞というと、 大宅賞のようなものなのかなぁ。 現役の新聞記者であり、 さらに、テレビにも出ている人なんですよね。 |
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人なつっこい感じの人ですか。 | |
いや、むしろ、シャイでしたよ。 | |
人なつっこいとは言えないと思います。 | |
テレ屋さん。日本に来た時にお会いしたんですが、 モジモジしてました。 |
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きっと、新聞記者として現場に行ったら、 バンて前に出るんでしょうね、きっとね。 といっても、私のイタリアの友達によると、 自分からワイワイワイワイまくしたてて 喋っちゃうタイプではなくて、 人に言わせといて、その言い分には動じず、 明らかにフランコさんとしてのビジョンを持っていて、 それについて語ると。 そして、それについては曲げない、って、 そういう喋り方だそうです。テレビでもね。 私がそのテレビ番組を見たわけではないけれど、 私の友達はそう言う。 |
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へえ。 フランコさん、新聞記者だからか、 締め切りにはほんとうにきびしくて、 毎週きっちりと送ってくださるし、 遅れそうなときはこういう事情で 必ず遅れますって連絡があるんですよね。 |
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言ってきますよね。 | |
「ちょっと遅れます」って言ってくる、 その律儀さ。 |
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律儀ですね。 | |
この、フランコさんの、 シャイで、律義で、意見は曲げない、 これ、ザッツ・イタリア男ですか? |
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ええ。ひとつのタイプですね。 多数派ではありませんが。 |
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ひとつのタイプ。 | |
ひとつのタイプです。 | |
というのは? | |
もうひとつは気取った慇懃無礼型。 口から生まれたようなタイプ。 それから、ちゃらちゃらして やたらと愛想がいいようなタイプね。 |
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ジゴロタイプ? | |
パヴァロッティはどのタイプですか? すっごい女の人が好きだって。 |
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そうねえ、彼は「巨匠」だから、 ちょっとこう一般的な人と比べられないかな。 |
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比べられない。 | |
うん、巨匠の座というのが伝統的にありまして、 | |
えー。 | |
ちょっと治外法権的な。 音楽の巨匠はちょっと治外法権的な 別な場所がある。 |
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いわば人間国宝ですね。 その人がいくら女性が好きでも、 それとこれとは別というような。 |
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なるほど、なるほど。 | |
ただね、イタリア男は、 大っぴらに出すか出さないか、 事情が許すか許さないか、 たとえばいくら好きでも、 向こうが相手にしてくれないとかいう事情も ひっくるめた上で、 女好きじゃない男の人の方が 少ないだろうということを認めますっていうのが 根底にあるわけ。 |
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うーん。 | |
だからムッツリだろうが、何だろうが、 根本的に男は女、みんな、好きなはずだっていう。 |
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へえ〜。 |
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(つづきます!) |