「フランコさんのイタリア通信」が本になります。 酒井うららさんと、 イタリアについてしゃべろう!


第4回 イタリア男のなかでフランコさんは。

あやや よく、イタリア旅行のガイドブックに
「女性は、男性に絶対声をかけられます」って。
酒井うらら うん。
あやや そのときに、とにかくすごい恐い顔して、
「ノー」って言わないと、あぶないぞって。
日本人の子は、えへへへとかって言って、
まんざらでもない顔しちゃうからって。
まことしやかな噂がありますけれど。
やまかわ (笑)。
酒井うらら ハイ、近いものがあります。
あやや ありますか(笑)。
酒井うらら 近いものはあります。
やたらめったら声かけてるわけだから。
それと、日本の女の子は
イタリア男のタイプを見分けられないから、
「あぶない」の。
あやや やたらめったら声かけてる(笑)。
なんこ ほんとよ(笑)。
キノシタ 手当たり次第に(笑)?
あやや 趣味なんですか、それは?
酒井うらら ご挨拶だと思ってる。
たとえば知らない人に声かけるのは
ほんとに遊びでしょうけど、
初めてお目にかかりました、
どなたのご紹介です? みたいなときに、
あんまり無視するのは
その人に全然魅力がないっていうことで
失礼でしょ、っていうようなのもある。
シェフ うーん。
酒井うらら だからやっぱりお友達は選ばないと、うん。
キノシタ ですねー。
あやや 日本でもイタリアンレストランとか行くと、
イタリア人の人、いるじゃないですか。
すごく、何て言うの、目配せというか、
微笑み方が上手ですよね。
通りすがりにちょっと笑ったりして。
シェフ そんな目に遭ってんだ?!
あやや いやいや、普通に、お客さんに対しても
普通ににこって、
目が遭ったらすごく。
酒井うらら そう、そう。
シェフ そうか、イタリア人は上手かもね。
酒井うらら 上手ですよー。滅茶苦茶上手よ、やっぱり。
あやや すごい素敵ですよね。
酒井うらら 人の気をそらさないっていうか、
サービス精神旺盛。
だから、シャイでも、
演技でやってるかもしれないわけじゃない?
私はここのギャルソンなんだから、みたいな。
そういう、演技的なところは
すごくあるかもしれない。
キノシタ そっか。
酒井うらら 自分の美学に従って
自分を演出していくということについては、
日本人の方が正直過ぎる、つまり下手ですね。
きっぱり断言!!
こんなこと言って、こんな態度して、
こんなこと言われたら嫌だっていう
計算が先に働くから、
なるべく出ないように、出ないようにって
控えちゃうじゃない。
でも、もうそういうのはね、別に誰が何と、
その1カ所だけを取り上げて
誰が何と評価しようと、
自分は自分を知ってるから大丈夫っていう、
確たるものがあるのでしょうね。
シェフ そして、そんなイタリア男のなかで、
フランコさんはあるひとつのタイプであると。
酒井うらら あるタイプです。インテリですね。
ご本人は否定なさるかもしれませんが。
シェフ インテリ。
酒井うらら インテリですが、多分、政治記者よりは
スポーツ記者というのは、
大衆的だと思うの。
で、フランコさんはインテリぶっては
いらっしゃいませんが、
生きた知恵と知性がいっぱいです。
政治記者なんかの方が
自分たちは偉いと思ってるだろうし、
スノッブなところがあるだろうと思う、明らかに。
あのね、イタリアの新聞記者は、全員、
国家試験を通っているのね。
あやや えー!
酒井うらら それで記事は署名で書いてます。
シェフ へえー!
あやややまかわ すごい。
キノシタ 国家試験? へえ。
シェフ すごい大事なところですね、そこ。
あやや 大事なこと、大事なこと。
酒井うらら それね、本の中にも
脚注で入れてありますけど、
読んでいただくとね、
なぜフランコさんが
スポーツジャーナリズムへ行ったかっていうことも、
わかっていただけると思います。
シェフ 見た目はね、もう、まあ、
60代の太ったおじさんなので、
スポーツマンには見えないんですけど(笑)。
酒井うらら うん、可愛いおじさん。
自分がスポーツするっていうことより、
やっぱり伝えるっていうことがしたかったみたいね。
あやや イタリア人にとって、サッカーっていうのは、
どんなことなんでしょう?
酒井うらら 日本の野球みたいなものかしらね。
シェフ 野球ですか、お相撲じゃなくて?
酒井うらら 人気の加減が野球じゃないかな。
年代を選ばないということからすると、
シェフ 日本の野球に近い。
あやや 今、日本は結構
野球離れみたいな感じになってるじゃないですか。
イタリア人はずっともう、
お父さんから子供から、孫から、
みんなサッカーが好きなんですか?
酒井うらら もう、だって人気スポーツは
サッカーしかないもん。
他に、辛うじて、この頃、バスケット、
もう野球は全然なし。
あとは‥‥
あやや バレーボールは?
酒井うらら うん、バレーボールもありますね。
とはいえ、ここ、20年、30年のことでしょうけれど。
なんこ さっきもお話されてましたけど、
1都市に2つ、サッカーチームがあるところは
町がほんとに盛り上がりますよね。
ミラノもそうですが、
わたしが短期留学していたローマも、
ASローマとラツィオの2チームがあって。
すごいんですよ。
試合のときは、お前、
どっちの応援するんだって話が来て、
そっちとか言うと、
「今日、君とは口聞かないから」みたいな(笑)。
シェフ (笑)。
キノシタ へー、すごいね。

(つづきます)


2008-12-01-MON

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