いよいよ掘るわけですね？
	はい、いよいよ！
	しょうがを目の前に 「おあずけ」状態でしたけど。
	「畑に入ってよし」となって‥‥。
	みせてもらいましょう、掘る瞬間を。
	では、まいります。 これは「このしょうがを掘る！」と、 狙いをさだめたところです。
	狙いをさだめたら腰をおろして。
	周囲の土をよけてあげて。
	しょうがが抜けやすくしてあげるんです。
	こんなふうに。
	思っていたより浅いところに、 しょうがはありましたよね。
	そうそう、土をはらったら、 すぐに赤いのが見えてきました。
	ああ、きれいな新しょうがだ。
	いちばん最初のこれは、 すごくていねいにやったよね。
	そう、遺跡発掘のように ていねいにていねいに土をよけて。
	傷つけないように。
	「やさしくしてね」と、 しょうがが言ったから。
	（笑）で、このくらい土をよけたら、 一株分の茎をつかんで‥‥。 いよいよ、いよいよです！
	グイッと上にぃ‥‥。
	持ち上げてぇ‥‥。
一同	いえーーい！（拍手）
	でもこれ、しょうがが割れちゃったんですよ。
	３つにわかれてるけど、 これがひとつだったんですよね。
	だから「やさしくしてね」と言ったのに。
	（笑）続けて、 となりで土をよけていた コイケさんとおーたちゃんも抜きました！
一同	いえーーーい！！（拍手）
	黄色い帽子のコイケちゃん、 口を閉めなさい（笑）。
一同	（笑）
	でもそうかあ、 こんなにうれしいんだ。
一同	うれしかったー！
	写真だと伝わらないんですが、 なにしろ抜いた瞬間に、ね？
	そう！　しょうがのさわやかな香りが！
	ぶわーっと、くるんです。
	へえー。
	ジンジャ〜って感じで。
一同	ジンジャ〜（笑）。
	あれは感動しました。
	あれでみんな、 スイッチが入った感じでしたよね。
	はい。 まるでひとめぼれのように しょうがを本気で好きになったのは、 あの香りがした瞬間でした。
一同	ははははは！（写真をみて笑う）
	ご覧ください、このしょうがを。
	いいね。 知ってる人には当たり前だろうけど、 やっぱり知らないと感心するよ。
	そうですよね、 しょうがってこういう形で 収穫されるなんて知りませんでした。
	うん。今、ぼくは感心した。
	しょうがってこんなふうに、 横に広がって育つんですね。
	なんて言えばいいんだろう？　この形。
	屏風（びょうぶ）？
	屏風（笑）。
	潜水艦？
一同	潜水艦！（笑）
	ほーんと、 迫力ありますよねー。
	その迫力あるしょうがを このあとも抜いていくわけですが、 土をていねいによけて抜くのは なかなかたいへんで‥‥。
	そうそう、 これじゃあ、らちがあかないと思った。
	そしたら農家の方が、 コツを教えてくださったんですよね。
	簡単できれいに掘れるコツがあるんだ。
	はい。 それは「ズボッと垂直に抜く」という テクニックでした。
	それだけ？
	はい、これはぼくがやって、 写真に撮っておこうと思いました。
	「おれ、やるぞ」と。
	「まかせとけ」と。
	「お父さんがやるぞ」と。
	やります。 まず、がばっと両足を開いて、 しょうがの株を股ではさんで。
	おお。
	一株分の茎を、両手でわっしとつかみ。
一同	おおー。
	グッと腰を入れて、 垂直に持ち上げてぇ、 うーーん！
一同	うーーーん！！
	がんばれー！
	空に向かってぇ！ 天に向かってぇ！！
一同	うーーーーん！！
	うーーー‥‥ ずぼーーーん！！
一同	うわあーーーー！！（拍手と笑い）
	それは、コツって言うのかなあ（笑）。
	ズボッと、垂直に。
	でも、この方法だと、 ほんと一気に効率アップしたんですよ。 しかも、ズボッと抜けた瞬間に、 なんていうの？ 収穫の快感？
	ほお（笑）、そうなんだ。
	さらにたのしくなって、もう、 どんどん抜きましたよね。
	とくに、あやちゃんの エンジンのかかりかたがすごかった（笑）。
	あやさん、一心不乱でした。
	カメラ係のみっちゃんは？ しょうがを抜かなかったの？
	あ、わたしも抜かせてもらいました。
	あー、いいですね。 若々しいものがあるよね。 さっきの山下さんのあとで見ると、 それが、よくわかります。
一同	（笑）
	お、若々しく抜けた。
一同	やんややんやー！（拍手）
	山下さんとは、 古しょうがと新しょうがくらいの ちがいがあります。
一同	（笑）
	みごとに抜けました、 親しらずのように。
一同	（大笑）
	えー、ここでたいせつなポイントを。 みっちゃんが持っているこれをご覧ください。
	あ、親しょうがだ。
	そうです、親しょうが。 一年前、畑にこの親しょうがを植えて、 そこから、このしょうがが育ったんです。
	種イモみたいなものですよね。
	はい。 新しょうがを収穫するときには、 この親しょうがも忘れず掘り出すよう、 「永谷園生姜部」の部長さんから 事前に指導がありました。
	こんなふうに、 親しょうがもたくさん掘りました。
	これが山下さんだ。 古しょうが改め、親しょうが。
	それでいいです、もう（笑）。
	この親しょうがはどうするんですか？ また使うんですか。
	どうするんでしょうね？
	聞かなかったです、それは。
	あなたたち（笑）、取材に行ったんでしょ？
	それがもう、プレスであることを まったく忘れてしまって‥‥。
	ほかの取材にきていた人に 取材をされてしまいました。
	ばかだねえ（笑）、 でもまあ、いいのか、たのしかったなら。
	たのしかったです！
一同	たのしかったー！
	ばかだ（笑）。 まあ、そうやってひたすら掘ったと。
	ええ、ひたすら。 土に触れるほどに、童心に返って。 ほら。
	わあ〜、いい笑顔（笑）。
	♪あ〜あ〜、あああああ〜あ‥‥ （『北の国から』のテーマ）
	しほさんも。
	♪あ〜あ〜、あああああ〜。 （『北の国から』のテーマ、続き）
	おーたちゃんも。
	♪あ〜あ〜、あああああ〜 （『北の国から』のテーマ、さらに続き）
	コイケさんも。
	♪あ〜あ〜、あああああ‥‥‥‥ん？ 親しょうががサボってますね。
	あ、いや、これはサボってるのではなく、 ちょっと腰があやしくなってきたので、 作業を変えたんです。
	しょうがの上のところを切る作業です。
	あー、なるほど、 そこはいらないところですからね。
	はい、こういうハサミで。
	上のところを、パチンパチンと切り落とし。
	きれいにします。
	山下さんは、途中から黙々とこれを。
	きれいになったしょうがが、 こんなふうにケースに入れられて。
	いっぽう、あやさんはずっと一心不乱に‥‥。
	そうそう、すごかったですよね。 とにかくばんばん、しょうがを抜いて。
	ちょっとねー。 アドレナリンみたいなのが出てた、たぶん。
	出てたと思います。
	あやさん、最初のうちはまだ、 カメラ目線で笑ってくれてたんですよ。
	それが？
	夢中になってきたら、 まったくカメラを気にしなくなって。
	髪を振り乱して、 阿修羅のごとく、しょうがを。
	ははははー。
	これはウミガメの産卵みたい（笑）。
	うーん、無我夢中でしたねー。
	そのうち、あやちゃん、 どこかにいなくなっちゃったんですよね。
	そうそう！ あれ？　あやさんは？　って探したら、 ぜんぜん知らない人たちのグループで‥‥。
	やー、気がついたら遠征してましたねー。
	遠征って（笑）。
	かなりわたし、 ハイテンションになってたと思う。
	そのときの写真がこれです。
一同	（爆笑）
	いやー、なんかわたし、 かっこいいかも。
	（つづきまーす）

2009-11-19-THU