ほぼ日ハラマキ PRESENTS しょうがの お勉強。
しょうがシロップレシピ編
その6
イトイ式── しょうがシロップのつくりかた。

みなさーん、ほぼにちわー!
冷えていませんか?
ちゃんとハラマキとかで、あっためてますかー?

今回の「しょうがのお勉強。」では、
メールでたくさんお問い合わせをいただいている
「糸井重里によるしょうがシロップのつくりかた」を
ご紹介させていただきますねー。

糸井がいつも
深夜にひとりぼっちでやっているという作業を
「ほぼ日」の会議室で再現いたしました。

ちなみに最初は
「動画で紹介しよう」と企画し、
実際に録画もしていたのですが、途中で、
「動画じゃなくても、つくりかたはちゃんと伝わりそう」
ということになり、
写真だけでお届けすることにいたしました。

最後にレシピをご用意していますので、
手っ取り早く、つくりかただけを知りたい方は
こちらをどうぞ。

さあ、それではまいりましょう。
「よろしくお願いします」
とビデオカメラにあいさつをする糸井重里です。


謝罪の記者会見ではありません。
──── よろしくお願いします。
イトイ はい、よろしくお願いします。
   
1.真面目に準備をする。
イトイ まずは真面目にしっかり手を洗いました。
そして真面目に、しょうがを洗って、
はじっこや皮とかを包丁で取りのぞきます。

えーと、
きょうは約900グラムのしょうがを
シロップにしましょう。
こちらですね。

ここからはじっこを除いて、約900グラムになりました。
   
2.しょうがを切って、水で洗う。
イトイ しょうがを切ります。
スライスですね。

ケガをしないよう、ゆっくり切ります。
──── けっこう、分厚く切るんですね。
イトイ 3〜4ミリ?
あとで干したときに、
あんまり薄すぎるとだめなので、厚めに。
──── 繊維を切るように、
スライスするんでしょうか。
イトイ そうですね、今回はそうしてますね。
でもこれは、成り行きです。
繊維にそって、
横にスライスしても別にいいんです。
(ひたすらスライスを続ける)
で、今日は切ったしょうがを、
ざっと水で洗います。
なぜならば、細かいゴミとかをなくして、
なるべくきれいなシロップにしたいからです。
また、さらしたりゆでたりをすると、
辛さがぬけていくということですね。

ざっと洗いました。
   
3.きび砂糖をまぶす。
イトイ スライスしたしょうがに、
しょうがと同じ重さの、きび砂糖をまぶします。

ざざーっと、いきます。
──── きび砂糖じゃないとだめなんですか。
イトイ そういうわけじゃないけど、
いろんな砂糖で試してみて
やっぱり、きび砂糖がおいしい気がしますね。

ざっくざっくと、くまなく砂糖がまぶされるように。
 
4.スパイスを準備して加える。
イトイ 自分のスパイスを持ってきましたよ。
これ。

上から時計回りに、ベイリーフ、クローブ、
シナモン、カルダモン。
──── これをぜんぶ使うんですか。
イトイ 入れすぎて台無しになることはないけど、
ぜんぶは入れませんね。
この中では、クローブを入れすぎないよう注意です。
5粒くらいで十分です。
シナモンは多めに入れて大丈夫なので、
この半分くらい入れましょう。
ベイリーフは、ぼく自身も
今日初めて入れてみるので、
控えめに1枚。
──── ベイリーフは、初めて。
イトイ 知り合いの方から、
「合いますよ」とすすめられたんです。

そして、カルダモン。
これは5個ですね。
5個、皮をむいてください
カルダモンは皮をむくと、
中からつぶつぶが出てくるので、
このつぶつぶだけを使います。
イトイ そうしましたら、
紅茶のティー・バッグ、ありますよね?
ああいう袋に、スパイスを入れます。
きょうはちょっとその袋を準備し忘れたので、
コーヒーのペーパーフィルターで代用します。

──── それでも、大丈夫ですか。
イトイ 大丈夫でしょう。
こぼれ出ないように、
ふちをホチキスでとめちゃえば。
──── あ、とめてますね、ホチキスで。
イトイ そうしましたら、
ぼくはもう、これをこうします。


スパイスが包まれた袋を威勢よくボールに投入。

   
5.しばらく放っておく。
──── ああ、そこに入れてしまう。
イトイ これを、また混ぜます。
すでにしょうがからすこし
水分が出ていますので、
これをしみこませるように。

イトイ この状態で、放っておきます。
──── それが、ジャムづくりの応用ですね。
イトイ そう、放っとくと
しょうがから水がじゃんじゃん出てきます。
──── どのくらい放っておけばいいんでしょう。
イトイ いつもはこのまま寝ちゃうんで
一晩放っておくんですが、
まあ、今回は30分にしましょうか。
30分、歌でも歌って待つとしましょう。
♪るるるぅ、るるぅ〜‥‥

しょうがを放っておいているあいだ、
内山田洋とクール・ファイブを熱唱する糸井重里。
イトイ ♪あ〜あ、あ〜あ、ここは札幌ぅ‥‥
──── 糸井さん、30分経過しました。
イトイ どれどれ、ああ、
いいんじゃないでしょうか。
もう、こんなに水が出てますね。

びっくりするくらい水が出ました。
 
6.水を加えて煮込み始める。
イトイ ここに、水を加えます。
──── どのくらい加えるんですか?
イトイ それがいつも聞かれると困るんですけど、
適量なんです。
今回は、500ccくらいでしょうか。
汁の濃さが、こんな具合になる感じですね。

多少の増減は気にしないでオーケー。
イトイ で、火にかけます。

シュボッっと点火。
──── 火加減は?
イトイ 沸騰するまでは、中火から強火で。
まあ、そうそう焦げないですけどね。
火を使いますのでちゃんと見ていましょう。
 
7.レモンも加える。
イトイ あ、いけねえ、いけねえ、
レモンを入れるの忘れてた。
──── レモンは入れた方がいいですか。
イトイ 圧倒的にいいと思いますね。
──── どのくらい?
イトイ 1個でも2個でもいいんですが、
今日は1個の半分にしときましょう。
しぼって入れます。

お皿に絞ってから入れると、タネを取り除きやすいです。
イトイ このレモンの汁を入れて(入れる)、
ちょいとかきまぜて(かきまぜる)、と。
もう、ここで味をみちゃおう。

すでにかなり、しょうがシロップです。
──── いかがでしょう、お味は。
イトイ うみゃーい。
 
8.真面目にアクを取る。
イトイ よーし、沸騰してきたよー。
イトイ 火を弱めましょう(弱火にする)。
沸騰するとアクが出てくるので、
これを真面目に真面目にすくいとります。

中心のあたりに集まったアクを、ひょいと。
   
9.アクを取りながらことこと煮る。
イトイ ここまできたら、ことこと煮込むだけです。
──── 何分くらい煮込みましょう。
イトイ 20分くらい?
火からあまり離れないでね、危ないから。
あと、ときどきアクも取りつつ。

ことこと煮ているあいだ、
内山田洋とクール・ファイブを熱唱する糸井重里。

イトイ ♪これぇ〜 きりぃとおぅ〜
 いいぃ〜 かけたぁあ〜
 くぅちびるが くちびるにぃいいいい〜。
──── ♪わわわわ〜。
イトイ ‥‥なんでもかんでも「わわわわ〜」って
言えばいいわけじゃないでしょ。
──── すみません。
20分経ちました。
イトイ どれどれ(見に行く)‥‥。
ああ、まだですね、もっと煮ましょう。
──── 目安としては、どのくらいまで煮れば?
イトイ しょうがが、すこーし透き通ってくるまでかな。
まあ、自分で何度かやってみれば
わかりますよ。
これは、まだですね。まだ煮ないと。
──── わかりました。
イトイ ♪会わずぅに 愛してぇ
 いついつ まぇでぇもおおおおおお‥‥
──── ‥‥‥‥‥‥。
イトイ ‥‥「わわわわ」は?
──── わわわわ〜。
 
(20分経過)
イトイ うん、いいですね、火を止めましょう。

このくらいまで煮ます。参考にしてくださいね。
   
10.室温に冷めるまで放っておく。
──── これで完成でしょうか。
イトイ いや、まだなんだよ。
そういえばこれはまだ
みんなに言ってなかったわ。
ここから、まだある。
──── まだある。
イトイ 冷ますの、このまま放っておいて。
室温くらいまで冷めていくときに、
いちばん味がしみますからね。
これは煮物の基本です。
摂氏24度で最も味はしみると、
ぼくは認識しております。
──── 室温くらいまで。
どのくらい待てばいいのでしょう?
イトイ 3、40分?
──── では、そのあいだ、また歌でも。
イトイ あ、おれちょっとメシ食ってくるわ。

サッと、表に出て行きました。
 
11.漉しながらシロップを容器に入れる。
   
(約40分後)  
   
イトイ ♪なかのしぃいまぁブゥルゥウスよお〜。
ただいま。
──── おかえりなさい。
イトイ ついでに家に寄ってさ、これ持ってきた。
はい。
──── あ、そういえばこれ、用意してませんでした。

茶こしと漏斗(ろうと)があれば、かなり便利です。
イトイ (鍋を手で触って)いいんじゃなあい?
いい温度になってる。
──── いよいよシロップを。
イトイ 容器に移します。

長めに保存したいときは容器を煮沸消毒しましょう。
──── ‥‥はい。
お疲れ様です、すべて移し終わりました。
イトイ でもまだ終わりじゃなくて、
この「副産物」を、ね。
   
11.しょうがスライスをザルに並べる。
イトイ しょうがのスライスを、
1枚ずつ、真面目に、
ザルの上にならべていきます。
冷ましたからベトベトしますけどね、真面目に。

ステンレスのザルで少し汁を切ればベトベトが緩和します。
イトイ 最初にスライスを薄く切りすぎると、
このときにすこし残念な気持ちになるんです。
「なんでこんなにうすっぺらいのを
 ていねいに並べなきゃならないんだ」って。
厚めに切りましょう、の意味がわかったでしょ?
──── はい。
イトイ ‥‥‥‥(並べる)。
──── ‥‥‥‥。
イトイ ‥‥‥‥(並べる)。
──── ‥‥‥‥。
イトイ ‥‥‥‥ここは手伝ってもいいんじゃないでしょうか。
──── はい(並べる)。

びっしり。このザルで2枚分になりました。
イトイ ひとまず、完成!

真面目に、たどり着きました。
──── お疲れ様です。
シロップをすこし、かわいい瓶に入れてみました。

瓶がおしゃれだと雰囲気が変わります。
イトイ いいねえ〜。
じゃあ、あしたおれはいないけど、
ちゃんとこのスライスをさ、
天日で干しておいてね。
で、しばらく干してからグラニュー糖をまぶせば、
「しょうがチップ」ができるから、
「モバイルしょうが」。
──── わかりました、まかせてください。
イトイ ならばぼくは、
干す前のしょうがチップを囓りながら、帰ります。

「ああ、これはうまくいったみたい」
   
12.しょうがスライスを干す。
さあ、翌日になりましたー。
この日、東京は朝から良いお天気。
ご覧のようにして、3時間ほど天日にあてました。

陰干しでも大丈夫ですが、できれば天日に。
ここで、大切なポイントを。
からからになるまで干してはいけません。
表面がしっとりしているくらいの
半乾きで、干すのをやめましょう。
   

13.グラニュー糖にまぶす。

半乾きのスライスを、ざざっと鍋に移します。

鍋に移すと、砂糖をまぶしやすくなるのです。
そこに、グラニュー糖をササーッと。

量は感覚で。ぜんたいに行き渡る量を。
鍋をあおったり、
箸でしょうがをころがしたりして、
スライスの表面にグラニュー糖を付着させます。
砂糖がくっつくように、
半乾きにしていたわけですね。

ぜんたいの表面にくっつくように。
こうして、しょうがシロップの副産物、
「しょうがスライス」も完成しました!

おいしいんです、これが。
さらに、こういう袋に小分けに入れておけば、
どこにでも持ち歩ける、
「モバイルしょうが」に!

ポケットに入れておいて、どこでもポカポカ。
というわけで、
イトイ式「しょうがシロップ」と
「しょうがスライス」のつくりかたは、以上です!

しょうがシロップは、
お湯で割ってよし、紅茶に入れてよし。
ほんとにポカポカあったまります。
しょうがチップは、
気軽につまめるおいしいお菓子。
1枚で、首のあたりがじんわりあったまりますよ。
「おひとつどう?」って、
お友だちにおすそわけするのもたのしいですよね。

ぜひぜひ、おためしくださいませー。
イトイ式 しょうがシロップ、
今回のレシピ

(量によって割合を調節してください)

【材料】
しょうが:約900グラム
きび砂糖:約900グラム
レモン:1/2個
水:適量(500ccくらい)
ベイリーフ:1枚
クローブ:5個
シナモン:4〜5片
カルダモン:5個

【つくりかた】
1.しょうがをよく洗い、皮をむいておく。
2.しょうがを3、4ミリにスライス。
3.スライスしたしょうがを、ざっと水洗い。
4.しょうがを鍋に移し、同量のきび砂糖をまぶす。
5.スパイスをティーバッグのような袋へ入れ、
  鍋に投入。すこし混ぜる。
6.レモンの絞り汁も鍋に。
7.そのまま30分以上置くと、しょうがから水が出る。
8.そこに水を加えて、混ぜる。
9.最初は強火で、沸騰したら弱火にし、
  40分ほどことこと煮込む。
10.煮込んでいる途中、ていねいにアク取りを。
11.40分経ったら火を止めて、
  室温(24度)になるまで放っておく。
12.茶こしなどで漉しながら、シロップを容器に。
  ここで、シロップは完成。
13.鍋に残ったしょうがのスライスをザルに並べる。
14.できれば天日にあてて、スライスを干す。
15.表面がしっとりしたら、鍋に移し、
  グラニュー糖をまぶして、
  しょうがスライスのできあがり!


2009-11-27-FRI

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