ほぼ日刊イトイ新聞プレゼンツ モノはコトなり、コトはモノなり。 そしてコトバは、すべてをつなぐ。 |
今週、GOODS JOCKEYでご紹介している商品は 世界一小さい百万分の一グラムの歯車と その歯車を作った樹研工業の代表取締役松浦元男さんの著書 「百万分の一の歯車!」です。 世界一小さい100万分の1グラム(径0.1489mm)の 歯車をパッケージしたカード。 比較のために10万分の1グラムの歯車も入ってます。 右側は米粒の上にのった拡大写真。 松浦元男さんが書かれた本 『百万分の一の歯車!』 「今週の商品をとりあげたくて グッズジョッキーを始めたみたいなものです。 値段の付かないようなものを、 意味もないけど売ろうと思うんです。」 というdarlingのラブコールに応えて 松浦さんがGOODS JOCKEYのゲストとして 愛知県豊橋市から来てくださいました。 松浦さんから飛び出す話は あまりにもおもしろいので、 今週は放送の翌日に本ページでも 放送内容をダイジェストでお伝えしていきます。 (放送で聴く生の声はまたいちだんと味わい深いです。 放送の詳細はこのページの下へ) ●糸井重里から松浦元男さんへの ラブレター?! 柳井(柳井麻希さん「GOODS JOCKEY」アシスタント) 糸井さん、良かったですね。 今週はこの100万分の1の歯車を開発されました、 株式会社樹研工業代表取締役社長で いらっしゃいます、 松浦元男さんをお招きしました。 まず100万分の1グラムの歯車を、 実際にお持ちいただきました。 いわゆるカードサイズのものに、 ラミネート加工というかたちで、 ピタッと歯車が入っているんです。 どうですか? 糸井さん、この歯車(笑)。 糸井(糸井重里) 塵芥(ちりあくた)というような、 見えないようなものなんだけど、 ここにあるんだよ、ってモノですよね。 柳井 10万分の1グラムの歯車と 100万分の1グラムの歯車が2つずつ入ってまして、 その隣に、拡大された写真がついてるんですよ。 松浦(松浦元男さん) そうですね、写真の中でいちばん大きいのが、 1万分の1グラムなんですよ。 糸井 米粒の上に乗っかってるという写真なんです。 柳井 比較するものがまた、 米粒っていうのもすっごい‥‥。 糸井 もうバカみたいですよね! 松浦 まったくそうなんですよ。なんの役にも立たない。 糸井 人をあきれさせるために 作ったみたいなものですね。 柳井 (笑)びっくり。 とにかく、糸井さんが どれだけこの100万分の1グラムの歯車、 そして松浦さんにお会いするのを 楽しみになさっていたかというのが、 もういろんなところに載ってまして。 糸井 はい。 柳井 まずこの番組mixとGOODS JOCKEYが 始まるときに、TBSラジオのフリーペーパー 『954プレス』でも、 いきなりその話をなさってたんですよ。 糸井 こういうものを紹介したいって話をしたんですね。 忘れてたんですよ、それ。 でもずーっとこの歯車は気になってて、 「いつやるんだ?」って思ったんです。 柳井 さらに、「ほぼ日」の「今日のダーリン」では、 松浦さんのことを何度か書いてますね。 「(1月17日)近いうちに、 世界一の中小企業経営者って人と お会いできることにもなりそうです。 これもお楽しみに」 「(1月26日)このところ、松浦元男さんという、 世界一の中小企業の社長さんの本を読んでいる。 もともとバンドマンでもあったという人だけに、 今の日本では当然のように思われている 価値観に対して、 このやろう! という気分に 満ち満ちているのが小気味よい。 零細企業経営者でもある僕は、 本を読みながら、ずっと心の中で拍手をしていた」 ということですね。 糸井 まるでラブレターみたいですよね。 松浦 いや、ありがとうございます。 柳井 実は、松浦さんも「ほぼ日」のサイトを 見て下さってたんですよね。 社員の方が教えて下さって。 松浦 はい。私も教えられて、 ちょこちょこ覗いてます。 糸井 会ったことない人同士が、 お互いの何か考えを見合えるっていうのは、 インターネットってありがたいですね。 松浦 そうですね。これはもう地球規模ですからねぇ。 私たちもこの10万分の1グラムの歯車を作ったとき、 ネットワークにポンと、 面白いコンテンツとして乗っかったら、 世界中の企業から思わぬビジネスオファーを ワーッといただいて、 そのすごさにびっくりしたんです。 糸井 それから100万分の1グラムの歯車に とりかかったんですよね。 松浦 そうなんです。 松浦元男さん ●日本に、ものすごい元気な人がいる。 柳井 今回糸井さんが 100万分の1グラムの歯車というのを知った、 最初のきっかけは何だったんですか? 糸井 順番から言うと、岡野雅行さんという方を 知ったのが先なんです。 地方にいて他にすることないときに 深夜テレビ見たんです。 そのときに、ご機嫌でべらんめぇ口調で 喋ってるおじさんが出てて、 迫力があるんですよ、ものすごく(笑)。 しかも失言し放題。 NHKなのに、出たとたん、区切り区切りごとに、 「今、ちょっといけない発言がありました」って アナウンサーが謝ってるわけですよ(笑)。 その話が面白くて‥‥。 その人が、痛くない注射針を開発した人で 中小企業の社長というと、その人が出てくるんです。 その人の本を読み始めたら、 松浦さんがすぐに出てきて。 こちらは100万分の1だと(笑)。 両方読んで、面白くてしょうがなくて‥‥。 日本、ダメじゃないすか、ずっと。 何をしてもダメだって話ばっかり みんなが喋ってるわけですよ。 ダメだっていうことをどれほど証明できるか、 っていう人が利口なんです。今の日本って。 そんな話をしなくても、 ものすごい元気な人がいると(笑)。 みんなが知ってる人じゃなくて、 すっごい小っちゃい会社の人だというところに、 日本ってまだ元気があるし、 いろんな可能性がものすごくあるぞと。 松浦 そうですね。岡野さんは、ずいぶん前から、 存じ上げてるんですけども。 岡野さんに言わせると、 「住んでるところと仕事してるとこが 同一ところにあるのが健全な町工場である。 君のようにね、外から通って来るようなのは もうそれは落ちぶれた中小企業なの」って。 糸井 あっはっはっはっはっはっは! わっかりやすいなぁ。 松浦 ははははは。そうですか、 糸井 少しタイプは違うんですけど、どっちも こういうところのヒントを拾っていったら、 あらゆる人が元気になるだろうな、って思って。 松浦 そうですね。 お互いにバブルが崩壊どうのこうのいわれてますが、 それ以降ひどい業績の低下という経験がないんです。 糸井 そうなんですよねぇ。 「挫折体験はない」っておっしゃいますよね。 松浦 ええ。そうです。 だけどえらい評論家の人や学者が 「悪い悪い悪い悪い」って言うもんだからつい僕らも 「悪いのかな?」って思っちゃったことは、 何回でもあります。 でも振り返ってみると今はちょうど80年代の 倍ぐらいになってるんですよ。 会社の規模も収益も。 だから、悪くなかったんですよね。 岡野さんなんか、うーんと良くなってるんですよ。 糸井 らしいですね(笑)。 たった6人の会社ですよね、岡野さんのとこは。 柳井 え、そうなんですか? へぇ〜。 糸井 どえらいんですよ。 柳井 松浦さんのところは、 今、社員の方は何人ぐらいいらっしゃるんですか? 松浦 国内で、だいたい70人。 でも部門によっては7人でやってて、 年商10億円ぐらいのセクションがあるんですよ。 糸井 (柳井さんに向かって)楽しいだろ? 柳井 楽しい(笑)。 松浦 岡野さんに負けないようにね、 あそこ6人でね、年収8億だ7億だいってるから。 「ちきしょう!」ってね(笑)。 糸井 そういうライバル意識、楽しそうですね。 松浦さんは海外にも会社があるんだけども、 それがどうやってやってるか、よく知らないんですよね。 松浦 まあ、今、海外に合弁企業が11社、 工場が14あるんですけど、 私、行ったことないんです。 柳井 え、そうなんですか!? 松浦 社員のみんながあるあるって主張するから、 あるだろうと思うんだけどね、 行ったことないですわ(笑)。 糸井 むちゃくちゃに見えるんだよ、この話。 このへんを聞いてると 「そんなんでいいんですか!?」って 言いたくなるんだけど、違うんですよ。 柳井 ええ、そうですね。 そういうことじゃないんですね? 糸井 今週はそのへんの話を順番に聞いてきますけど。 面白いだろ? 柳井 ええ。どうしよう!?(笑) 糸井 今タクシーの中で聞いてる会社員とか、 それからタクシーの運転手さんそのものとか、 なんかね、調子悪いな、って 思いながら生きてると思うんですよ。 だけど、今週の話を聞いたら きっと元気になりますよ。 【※編集部註 ラジオを聴いている方々への言葉です】 柳井 そうですね。 明日以降も、これはもう必聴という感じで。 松浦 いい会社、いっくらでもありますよ。 糸井 (マイクに向かって)ほらぁ!(笑) 柳井 (笑)ね!? もうほんとに、松浦さんのご存知な限りを、 今週はお伝えしたいので、よろしくお願いします。 と、いうことで放送のダイジェストを お届けしました。 放送で聴く生の声はまたいちだんと味わい深いです。 放送を聴いて、もう一度「ほぼ日」で 味わってください! 明日もまたダイジェストを掲載します。
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2004-02-11-WED
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