ハングさんの浮遊する植物 ハングさんの浮遊する植物
まんまるのボールから
にょきっと植物が生えている。
宙に浮いているように見える。
揺れるたびつぎつぎと表情が変わる。
土が見えないので虫もわきづらく、
植物は元気に育っていく。

吊るして飾る植物、
ハングボールの世界へ、ようこそ。
第1回 見たことのない飾り方
写真
──
ボールから植物が生えて、
まるで空間に浮いているようです。
ハング
ハングボールといって、基本的に
家で吊るして飾っていただく植物です。
透明なテグスで結ぶので、
遠くからだとぽんぽんと
緑が浮いているように見えますよね。
写真
──
今日はほぼ日の3名で、
鎌倉にあるお店にうかがっています。
ここ「terre verte / khanompang」
(テールベルトとカノムパン)は、
パン屋さんとカフェで、
そこにハングボールが展示販売されています。
週に1回、ハングさんが常駐しておられて。
ハング
たいてい日曜日にいると思います。
不定期で展示会を開いたり
ワークショップを行ったりしているので、
在店日はInstagramでお知らせしています。
──
じつは私(ほぼ日の菅野)は
ハングボールのファンです。
いま、家に3つありまして、
そのうちひとつは数年前にハングさん開催の
ワークショップに参加してつくったものです。
ハング
ありがとうございます。
──
ハングさんはお名前を
「谷本さん」とおっしゃるのですが、
植物のブランド名が「hang」です。
ワークショップを各地で展開しておられることもあり、
みなさんが親しみをこめて
「ハングさん」と呼んでいます。
今回はhangの植物で
生活のたのしみ展に参加してほしいと
お願いしました。
ハング
お呼びいただいてうれしいです。
なかなか多くの方に、
この植物をじっさいに
ごらんいただける機会がないので。
──
ハングボールって、
多くの方にとっておそらく
これまで見たことのないような
植物の「育て方」ですよね。
ハング
天井などに吊るす「ハンギング」の植物って、
みなさんのイメージだとやっぱり
「垂れる姿」ですよね。
植物を視線より上にひっかけて、
垂れ下がる葉をたのしむ感じで。
──
はい。ハンギングバスケットや
フックにかける鉢植えは
だいたいそんなイメージです。
ハング
すると、植物はつる性の
枝垂れるものが主流となります。
でもこのハングボールだと、
上に伸びる木を吊るして育てることができます。
──
しかも角度を変えれば、
横からの姿もたのしめるところが
すごいと思います。
写真
ハング
フックの位置で吊るし方が変わるので、
通常の目線では見られなかった植物の姿を
角度を変えながらたのしむことができます。
こういうことは
バスケットに入れるだけでは
なかなかできません。
──
あとは「土がバラバラと落ちてこない」という
ポイントも魅力的です。
家の中で育てるものですから。
ハング
そうならないように、
ボールの部分をきれいに水苔で包んで、
土が見えないようにしています。
おかげでコバエなどの虫が
わきにくいという利点もあります。
──
水やりは、ボールごと
じゃぼんと水につけるんですよね。
ハング
はい。「ボールが軽くなってきたな」という頃合いで
週に1~2回のペースで5分~10分ぐらい、
全体を水に浸けてください。
──
このボール部分、
なんだか清潔感があって好きです。
これ‥‥ワークショップした私は知ってるのですが、
じつは「糸」なんですよね。
写真
ハング
はい。ごくふつうのミシン糸を使って、
ぐるぐると巻いています。
──
ハングボールは、植物ももちろんかわいいですが、
この糸の白さが魅力的です。
ハング
ミシン糸のなかでも、
化繊素材のものを使っています。
天然繊維だと経年劣化でどうしても
ボロボロと切れてしまうんですよ。
化繊の糸であれば、水に浸しても
腐ったりカビたりすることが少なくて。
──
鉢じゃなくボールという姿が
ちょっと不思議な感じがするのですが、
どのような土の構造的になっているのでしょう。
いちばん外側が「ミシン糸」で‥‥。
ハング
糸の内側は「水苔」です。
さらに内側には「ケト土」という、
水底に堆積している水辺植物を
分解させた土が入っています。
そして中心には植物本体の根と、
もともと根にからんでいた土が入っています。
写真
──
「ケト土」は、
普通の土とどう違うんですか?
ハング
水草が水辺で分解されて堆積し土壌化したものなので、
ちょっとねっとりした土です。
田んぼの土に近いのかもしれないです。
──
保水性が高いんですね。
ハング
はい。水やりの回数が少なめでもいい、
というのが利点です。
水を含むとやわらかくなって、
乾燥するとちょっと固くなります。
──
内側から見ると、
植物の根っこ、もともとの土、
ケト土、水苔。
それをまるく整形し、
ミシン糸でぐるぐる巻きにする、
という作り方ですね。
ハング
それが一般的な観葉植物のパターンです。
──
‥‥というと?
ハング
じつはいま、
多肉植物も扱っているんです。
──
以前は取り扱いがありませんでしたよね。
うわ、かわいい!
写真
ハング
多肉植物の場合は、
すこしだけ作り方が変わります。
ここ2、3年ほど検討しながら、
やっと「これだ」という配合がわかりました。
はじめは根腐れを起こしてしまっていたのですが、
適した用土が見つかって。
──
多肉植物は「ケト土」ではだめなんでしょうか。
ハング
多肉植物は水持ちがよすぎると根腐れするので、
ベースの土をある程度残しながら、
ケト土は使わずヤシの繊維で包むようにして
水苔と糸で仕上げます。
ヤシは「ココヤシチップ」と呼ばれているもので、
細粒と中粒を混ぜて使用しています。
お客さまの家に迎えていただいたあとは、
水やりも少なくして育ててもらいます。
──
ハングボールをはじめてごらんになった方は、
「これ、ちゃんと育つのかな」と
思われるのではないでしょうか。
私も第一印象はそうでした。
ハング
そうおっしゃる方もいらっしゃいますが、
適切な水やりをすればちゃんと育ちます。
あとは、日の当たり具合や、
冬はある程度のあたたかさが必要です。
そう聞くとむずかしく感じるかもしれませんが、
たとえば人間がいつも過ごすような
リビングや寝室に吊るしていただければ、
きちんと育ちます。
──
新芽が吹いたりしますよね。
ハング
この季節は新芽が出てるものが多くなりますよね。
hangのハングボールは、
育て方をご案内していますし、
ご連絡をいただければ補修も行います。
(明日につづきます)
2026-05-18-MON
ハングさんのお店が
生活のたのしみ展にやってきます。
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吊るして飾る植物
「ハングボール」の専門店


生活のたのしみ展

2026年6月1日~7日

新宿西口 三角広場