もってけドロボー! 斉藤由多加の「頭のなか」。 |
人類の叡知
これらの過程から私たちの知る「事実」というものは、 次の二つの特徴をもっているといえます。 〇「事実」は多くの人間の合意のもとで成り立つものである ということ、そして 〇「事実」は、時間の経過とともに変化する。 こと。 つまり合意した者の人数と、 経過した時間が大きければ大きいほど、 「真実」の信憑性が高まることになります。 写真にある、タクシーに掲示されたたった一枚の表示。 この一言を導き出すのに、 はたしてどれだけのドライバーの人数と 時間がかかったのでしょう・・ しかし、いまだに 「本当にタクシーが通り抜けられない高架は都内に4つだけなのか」 という疑問にたいする最終解答はこの世にない。 なにせ証明の方法がないのですから。 真実はひとつかもしれないが、 それは神のみぞ知るものであって る人間たちが触れことはできない・・。 そう気づいた私たち人類は、 手に入れることができない真実のかわりとして、 まさに叡知を結集して「事実」をつくってゆく術を 身に着けたのかもしれません。 私たちの生活は、ですからひょんなことで崩れてしまう、 実にあぶなっかしいものの上に成り立っているといえます。 その拠り所となっているたくさんの「事実」。 これらは、絶対的に存在するものではなく、 実は多くの人間たちの努力によって守られているもの、という点で、 もしかしたら、「真実」と「事実」とは、 生まれながらにして対照的な存在なのかもしれません。 シーマンに関する情報は こちら(www.seaman.tv)まで。 |
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2001-12-19-WED
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