インターフェイス
インターフェイス。
この言葉をきくと、
すぐにデジタル機器を思い起こしがちです。
それくらいこの言葉は、
最近になって取りざたされるようになったものです。
でも、その本当の意味って何でしょうか?
今回は、私たちの身近にあるインターフェイスを巡っての
お話をしましょう。
こちらアメリカ
こちら日本
写真は、アメリカのホテルの浴室の蛇口と、
日本のホテルの浴室の蛇口です。
どちらもそれぞれ、温度を調節して、
適温のお湯を得るためのごくごく一般的なものです。
しかしこの二者には、アメリカと日本という、
ふたつの国の文化が端的に現れています。
なにがどのように現れているというのでしょうか?
アメリカのホテルの風呂がぬるい理由
アメリカのホテルの蛇口は、ノブがひとつしかありません。
最初は水から始まって、
まわしてゆくうちにだんだんとお湯になってゆく。
それに対して日本のホテルの蛇口は、ノブが二つあります。
最初からお湯と水の両方があって、
一方からは最初から熱めのお湯が出る。
この違いはどういうことかというと、
アメリカは、シャワー用、
つまり水が使い捨ての構造になっているのに対して、
日本のノブは、浴槽の湯をためて
「追炊き」ができるように作られているのです。
ですから、浴びることを前提としている
アメリカのノブからは、追い炊きに必要なほどの熱湯は
出てこないことになります。
がんばってタブ(浴槽)にお湯をためたところで、
アメリカのホテルでは日本人が望むような
熱い湯を得ることはできない理由は、これです。
(ここ最近、日本のホテルも、
「安全性」への配慮からでしょうか、
かなりぬるくなってきましたが・・・)
プレイステーション2とゲームキューブの
主電源スイッチの違い
こういったことは、私たちの周囲にも見ることができます。
PS2の主電源スイッチはひっそりと背面についています。
こまかく電源を切るには不便な位置です。
一方、ゲームキューブには、メインスイッチは、
大きく上面にとりつけられています。
この違いは、単にデザインの違いではありません。
ソニーはPS2でネットワークを
強力に推し進めようとしています。
そのためには、ビデオの録画予約とおなじく
待機電力で常時スタンバイをしていなければならない。
一方、任天堂はというと、余計なコストはかけずに、
いわゆる家庭用ゲーム機を追求しようじゃないか、という、
ソニーとは対照的な強い意思表示が
このスイッチの仕様に現れています。
インターフェイスは、人間のあるべき行動を
形にしたものです。コンピューター画面の上ボタンの形や
色といった表面的なものではなく、
ものが「こう使われるべきだ」という
提供者の意図を示す役割を担っているのです。
ポイントは、プロ仕様のビデオカメラのように、
何でもできるようにすることがいいのではない、
ということです。
わざと「何かをできなくすること」で、
芳しくない事象からユーザーを遠ざけること、
これこそがいわば、
制作者からの意思表示ということになります。
そう、インターフェイスとは意思表示そのもの、なのです。
シーマンに関する情報は こちら(www.seaman.tv)まで。
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